年収白書が掲載する平均年収は、有価証券報告書の「平均年間給与」です。では、この数字には賞与(ボーナス)や残業代は含まれるのでしょうか。結論から言うと、賞与も基準外賃金(残業代など)も含んだ、税引き前の額面です。中身を正しく知ると、数字の使い方を間違えずに済みます。

平均年間給与に含まれるもの

「平均年間給与」は、提出会社(単体)の従業員に1年間で支払われた給与の平均で、おおむね次を含みます。

  • 基本給
  • 賞与(ボーナス)
  • 基準外賃金(残業代・各種手当など)

つまり「月給×12」ではなく、ボーナスや残業代まで含めた年間の支給総額の平均です。これは会社が支払った実績にもとづく確定値で、求人票のモデル年収のような想定額とは違います。

含まれない・わからないもの

一方で、次のものは含まれない、または読み取れません。

  • 手取りではない:税金や社会保険料を引く前の額面(支給ベース)です
  • 退職金は別:年間給与なので、退職時の一時金は含みません
  • 社内のばらつき:全従業員を均した平均1つだけで、職種別・年代別はわかりません

「額面」と「手取り」は別物

額面(支給額)から、所得税・住民税・社会保険料を差し引いたものが手取りです。手取りは家族構成や控除によって人それぞれ変わるため、額面から一律には計算できません。

年収白書は、有報に開示された額面(平均年間給与)だけを掲載し、手取りの推計は行いません。出所の異なる推計値を混ぜると、せっかくの一次データの正確さが損なわれるためです。だからこそ、全社を同じ「額面・実績」の基準で並べた年収ランキング業種別の平均年収は、フェアな横並び比較になります。

数字の出どころは有価証券報告書とは、読み方の基本は平均年収データの正しい見方もあわせてどうぞ。集計方法の詳細はデータについてをご覧ください。