「年収が高い業界はどこか」を、求人や口コミではなく有価証券報告書(有報)の平均年間給与だけで比べました。年収白書に掲載中の上場3,780社(提出会社=単体・直近期)を業種ごとに集計すると、全体の平均は682万円、中央値は651万円。最も高いのは海運業の平均1,090万円、最も低いのは小売業の569万円で、業種によって2倍近い開きがあります。

集計時点:2026年6月。本記事の数値はこの時点の集計です。最新の順位・平均・社数は、記事内のリンク先(年収ランキングや各業種ページ)で随時更新されます。

業種別 平均年収ランキング(全33業種)

東証33業種を、各業種に属する上場企業の平均年収(単体)の平均が高い順に並べました。業種名から、その業種の企業別ランキングへ進めます。

順位 業種 平均年収 社数
1 海運業 1,090万円 11社
2 証券、商品先物取引業 948万円 32社
3 保険業 943万円 14社
4 鉱業 895万円 5社
5 石油・石炭製品 842万円 9社
6 医薬品 837万円 81社
7 電気・ガス業 803万円 26社
8 建設業 788万円 147社
9 銀行業 773万円 83社
10 その他金融業 764万円 43社
11 不動産業 746万円 132社
12 電気機器 727万円 228社
13 空運業 724万円 5社
14 鉄鋼 717万円 38社
15 精密機器 714万円 51社
16 卸売業 707万円 303社
17 化学 703万円 201社
18 非鉄金属 693万円 32社
19 機械 693万円 214社
20 情報・通信業 682万円 599社
21 輸送用機器 672万円 80社
22 食料品 665万円 123社
23 倉庫・運輸関連 658万円 34社
24 ガラス・土石製品 656万円 52社
25 陸運業 654万円 62社
26 金属製品 631万円 88社
27 サービス業 621万円 556社
28 パルプ・紙 620万円 24社
29 ゴム製品 613万円 17社
30 水産・農林業 610万円 11社
31 その他製品 609万円 112社
32 繊維製品 606万円 47社
33 小売業 569万円 320社

上位業種の傾向——「高い」でも社数に注意

上位の海運業(1,090万円)・証券(948万円)・保険(943万円)・鉱業(895万円)は、いずれも上場企業の数が少ない業種です。社数が一桁〜数十社だと、好業績の数社で平均が大きく動くため、「業界全体が高い」と読むより「少数の高水準企業に引き上げられている」と見るのが正確です。

一方、社数が多いのに平均が高い業種は実力で水準が高いと言えます。たとえば医薬品は81社で837万円、建設業は147社で788万円、電気機器は228社で727万円。なお最大の業種である情報・通信業は599社で平均682万円と、ちょうど全業種の平均と同じ水準でした。

各業種で平均年収が最も高い企業(業種を横断したトップ)

少人数の持株会社などの偏りを避けるため、従業員50人以上に絞って各業種のトップ企業を見ると、業種をまたいだ高年収企業は次の通りでした(いずれも単体の平均年間給与)。

製造業で従業員規模が大きいまま高水準なのはキーエンス(3,306人)やディスコ(3,687人)が代表例です。各業種のさらに下位までの順位は、各業種ページか上場企業の年収ランキングでご確認ください。

ランキングを読むときの3つの注意

  1. 平均は1つの数字:有報の平均年間給与は全従業員を均した平均で、社内の最高・最低・中央値は開示されません。同じ業種でも企業ごとの差は大きいので、業種の中だけでなく企業ごとの推移も合わせて見るのがおすすめです
  2. 単体・持株会社のクセ:数値は提出会社(単体)のもの。持株会社(ホールディングス)は本社の少人数だけが対象になり、グループ全体より高くも低くも出ます。少人数の偏りを抑えた主要企業ランキング(従業員50人以上)も用意しています
  3. 「高い業種=良い」ではない:労働時間・職種構成・地域なども年収を左右します。働き方の面は業種別の女性管理職比率・男性育休・男女賃金差の比較も参考になります

いくらの会社が多いのかを知りたいときは年収帯から探す、業種の中の順位を見たいときは業種から探すが便利です。集計方法の詳細はデータについてをご覧ください。