「パーミッションレス型ステーブルコイン」の健全な導入・普及に向けたワーキンググループの設置について

三菱UFJ信託銀行株式会社のプレスリリース

三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長: 長島 巌、以下 三菱UFJ信託銀行)が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」(略称DCC、会員企業数158社)は、本邦における「パーミッションレス型ステーブルコイン*1(以下、パーミッションレスSC)」の導入・普及を目的とした「パーミッションレス型ステーブルコイン・ワーキンググループ(WG)」を設置し、検討を開始しますのでお知らせします。
*1 ブロックチェーン(BC)等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、法定通貨と価値の連動等を目指す決済手段(資金決済法における「電子決済手段」)のうち、特定の管理者の許可なく誰でもネットワークにアクセスできるBC上で発行されるものの総称

1.解決したい課題
 例えば、“Web3”上の取引において、以下のような課題を認識しています。
①NFT*2販売の支払対価として「銀行振込」や「クレジットカード」を前提とすると、NFT発行前にオフチェーン(BC外)で都度着金確認を行う等の負荷が生じ、また日本以外のグローバルなNFTマーケットプレイスへの出品ができない
②オンチェーン(BC上)での自動処理や、グローバルなNFTマーケットプレイスへの出品を目的に暗号資産を用いると、受領対価について価格のボラティリティを抱えることになる
③海外発行ステーブルコインはリスクオフ資産として幅広く利用されているが、現状は日本国内での取り扱いがないために海外暗号資産取引所へ顧客および資産が流出してしまっている
④暗号資産交換業におけるカバー取引のために海外発行ステーブルコインが用いられている
⑤投資会社のWeb3企業への出資形態として、海外発行のパーミッションレス型ステーブルコインが用いられることが国際的な主流となっている

 NFTや暗号資産の大宗はパーミッションレス型BCで発行・流通しているため、前述のようなニーズを満たすためには、「パーミッションレス型BC」上での「スマートコントラクトを用いた自動処理」が可能で、「価格が安定的」な、パーミッションレスSCの存在が不可欠といえます。

*2    BC等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、一意で代替不可能なデータの総称

2.「パーミッションレスSCWG」の概要
 パーミッションレスSCについては、ネットワークアクセスに許可が必要なパーミッションドBCと異なり、パーミッションレス型BCが内在するリスク特性を踏まえたスキーム面・技術面の工夫が必要です。
 あわせて、2023年に施行予定の改正資金決済法を見据えながら、民間事業者の声を1つにまとめ、関係当局の皆さまと適切かつ迅速にコミュニケーションを取りながら進めていくことも重要です。
 そこでDCCでは、関係当局・協会のオブザーブの下、金融機関、取引所/PTS*3、証券会社、暗号資産交換業者、ソフトウェア会社及び法律事務所等の計42組織とWGを設置することとしました。

*3    証券取引所を介さず有価証券を売買できる私設取引システム(Proprietary Trading System)

3.今後の予定
 本WGでは、以下の取り組みを予定しています。
①2022年内を目途に、国内発行および海外発行パーミッションレスSC導入に必要なスキーム案および機能を公表2023年初より、上記スキーム案のうち国内規制に照らして独自実装を施す必要がある場合には、SCの発行・管理基盤である「Progmat Coin(プログマコイン)」を用いて適切なパーミッションレスSCを発行するための、業務・システムの設計、合意形成、及び社会実装の開始 (マルチチェーン対応)

<「パーミッションレス型ステーブルコインWG」参加者>

 

想定参加者 補足
事務局 三菱UFJ信託銀行株式会社
金融機関 ・以下の5行/社。(五十音順)
①   株式会社三井住友銀行
②   三井住友信託銀行株式会社
③   三菱UFJ信託銀行株式会社その他金融機関2行/社
デジタル証券PTS ・以下の9社。(五十音順)
①    株式会社SBI証券
②    岡三デジタル証券準備株式会社
③    KDX証券設立準備株式会社
④    大和証券株式会社
⑤    東海東京フィナンシャルホールディングス株式会社
⑥    みずほ証券株式会社
⑦    三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
⑧    株式会社LayerXその他証券会社1社
証券会社
(デジタル証券専業
証券会社設立予定者含む)
・以下の9社。(五十音順)
①    株式会社SBI証券
②    岡三デジタル証券準備株式会社
③    KDX証券設立準備株式会社
④    大和証券株式会社
⑤    東海東京フィナンシャルホールディングス株式会社
⑥    みずほ証券株式会社
⑦    三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
⑧    株式会社LayerXその他証券会社1社
暗号資産交換業者 ・以下の10社。(五十音順)
①    SBI VC トレード株式会社
②    FXcoin株式会社
③    株式会社カイカエクスチェンジ
④    コインチェック株式会社
⑤    Coinbase株式会社
⑥    株式会社DMM Bitcoin
⑦    BTCボックス株式会社
⑧    ビットバンク株式会社
⑨    株式会社bitFlyer楽天ウォレット株式会社
技術協力者 ・以下の5社。(五十音順)
①    SBI R3 Japan株式会社
②    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
③    株式会社Datachain
④    株式会社野村総合研究所その他技術協力者1社
法律事務所 ・以下の4事務所。(五十音順)
①    渥美坂井法律事務所・外国法共同事業
②    アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業
③    弁護士法人 片岡総合法律事務所森・濵田松本法律事務所)
関連協会 一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(ステーブルコイン部会)
オブザーバー  ・以下の6組織。(五十音順)
①    経済産業省
②    一般社団法人新経済連盟
③    一般社団法人日本暗号資産取引業協会
④    一般社団法人日本STO協会
⑤    一般社団法人Fintech協会日本証券金融株式会社

 

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