日本初、 “マンション敷地売却制度”と不動産証券化を活用し、ビル着工吉祥寺駅前の築50年旧耐震基準マンションを、オフィスビルに再開発

ケネディクス(KDX)のプレスリリース

​国内最大級の不動産アセットマネジメント会社である、ケネディクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮島大祐、以下「ケネディクス」)は、マンション建替え等の円滑化に関する法律(以下「マンション建替円滑化法」)に基づく「マンション敷地売却制度」と不動産証券化スキームを活用したオフィスビル開発(以下「本プロジェクト」)に2020年より取り組んでおり、この度、築50年が経過した吉祥寺駅前の旧耐震基準マンション(以下、「本件既存建物」)の解体が完了し、オフィスビル開発に着工したことをお知らせいたします。
本プロジェクトは、本件既存建物の区分買収にあたり、証券化スキームを活用しファンドを組成した国内初の取組みとなります。敷地売却にあたっては、投資家として富国生命保険相互会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:米山好映、以下「フコク生命」)を迎え、現在はオフィスビル開発に取り組んでいます。

◆本プロジェクトの背景
国土交通省によると※1、築40年超のマンションは2019年末現在の92万戸から10年後には約2.3倍の214万戸、20年後には約4.2倍の385万戸となるなど、今後、老朽化や管理組合の担い手不足が顕著な高経年マンションが急増すると見込まれています。老朽化を抑制し、周辺への危害等を防止するための維持管理の適正化や老朽化が進み維持修繕等が困難なマンションの再生に向けた取組の強化が喫緊の課題とされています。 このような高経年マンションへの対応策として、2002年にマンション建替円滑化法が制定され、2014
年の法改正ではマンション敷地売却制度が創設されました。マンション敷地売却制度を活用した建替えには高度な知見が必要であり、東京都における事例※
2は9件にとどまっています。
不動産証券化のパイオニアであるケネディクスは、このマンション敷地売却制度の活用に不動産証券化スキームを組み合わせることで、本プロジェクトを対象としたノンリコースローンを調達し費用の課題を解決するとともに投資家としてフコク生命を招聘し本プロジェクトを実現しました。
本プロジェクトの実現により、投資家への利益還元はもちろん、権利者や利用者、地域コミュニティなど様々なステークホルダーに対する価値提供を行い、今回の事例を広く啓発することで、老朽化マンションの建替え推進に貢献しています。

◆ 本プロジェクトの概要
本プロジェクトは、マンション建替円滑化法に基づく敷地売却制度を活用することで吉祥寺駅前に所在する築50年の旧耐震基準のマンションを解体し、新たにオフィスビルに建て替える再開発プロジェクトです。
<ケネディクスの役割>
① 区分買収のためのファンド組成
本プロジェクトに紐づくノンリコースローンの調達等を実施し区分買収のためのファンドを組成。本件既存建物は築50年を経た旧耐震基準の物件であり危険性もあることから、既存区分所有者様に丁寧に説明を行い、関係者とともに区分所有権を取得するなど関係者一丸となってプロジェクトを進めました。
② マンション敷地売却決議の可決
マンション建替円滑化法は、当初は老朽化したマンションの建替えを円滑に行うことを目的として制定されました。しかし、そのような物件の中にはマンションとしての建替えが最適解とはならない案件もみられます。本件既存建物についても吉祥寺駅前に所在しており、マンションへの建替えも検討されたもののオフィスビル素地としての活用が最適であるという判断から、マンション敷地売却決議を経て敷地を売却しました。なお敷地売却にあたっては、ケネディクスにて買主となる投資家を探索したところ、フコク生命を招聘することができました。
③ オフィスビルへの建替え
オフィスビルへの建替えにあたり、ケネディクスはフコク生命より引き続きプロジェクトマネージャーとして各種業務を受託しています。2022年10月現在、既存建物の解体が完了し、オフィスビル開発プロジェクトが着工致しました。
本オフィスビルは、安心で持続可能な社会の実現に向けた環境配慮型賃貸オフィスビルとして開発されます。詳細については、フコク生命の下記リリースをご参照ください。
2022年10月13日「東京都武蔵野市吉祥寺南町で環境配慮型賃貸オフィスビル開発に着手」https://www.fukoku-life.co.jp/about/news/index.html
◆マンション敷地売却制度の概要
老朽化が進み維持修繕が困難なマンションの再生の円滑化のため2014年に施行された法制度です。本制度の活用により円滑に改修や建替え等を行うことが可能となります。本来であれば民法の規定に則り全員の承認が必要な敷地売却を、耐震性が不足しているマンションについては建替えと同じ4/5以上の同意により実施することができます。この制度を活用することにより、敷地売却後は、新たなマンションへの建替えのみならず、オフィスや商業など立地に適した用途への再生が可能となることから、周辺環境に応じて土地評価を最大化する手法を選択し、資産評価額の最大化を図ることができます。
制度詳細:「国土交通省 マンション建替え等・改修について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000050.html
◆ 本プロジェクトの意義
不動産ファンドは、ファンドに関わるすべての方に利益やメリットをもたらすことができる仕組みです。不動産の売主が抱える様々な要望や課題を解決するとともに、それぞれの不動産が持つ性質に応じた緻密な運用によって不動産の価値を高めます。その結果、投資家への利益を還元するだけでなく、魅力を増した不動産で利用者にも高い満足度を提供することができます。
本プロジェクトにおいては、投資家様への利益還元はもとより、本件既存建物の問題解決を通じて権利者様や地域コミュニティといった様々なステークホルダーに貢献することができました。引き続き、ケネディクスは不動産の限りなき可能性を切り拓いてまいります。
※1 国土交通省「マンション建替円滑化法の改正概要」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001404906.pdf
※2 東京都マンションポータルサイト「マンション建替法に基づく建替え・敷地売却事業事例一覧」 https://www.mansion-tokyo.metro.tokyo.lg.jp/tatekae/35jirei-list.html
◆ 担当部のコメント
ケネディクス・インベストメント・パートナーズ株式会社 情報開発部 沼田・秋山
「多くの権利者との協議をまとめる必要がある事業ではスケジュール管理と権利調整に係る費用の見立ての難しさがあり、プロジェクト毎にファンドを活用して資金調達を行うことは非常に難易度が高くなります。本事業では敷地売却制度を活用することでスケジュール管理と権利調整に係る費用の見立てを逆算的に行うことができ、証券化スキームを活用したプロジェクトを円滑に進めることができたと思います。フコク生命様に本件の潜在的な価値と敷地売却制度を活用する社会的意義について早い段階で判断いただいたことが本プロジェクトの大きな推進力となったことは言うまでもありません。本件のように繁華性の高い駅前の一等地に存する老朽化した物件が全国に多数あり、本件で得た知見と経験を活かし、地域コミュニティ含めたすべてのステークホルダーに貢献できるよう努めていきます。いつでもご相談お待ちしております。」
<本事業に関するお問い合わせ>
ケネディクス・インベストメント・パートナーズ株式会社 情報開発部 担当:秋山
TEL:03-5157-6126
E-mail:tatsuya_akiyama@kenedix-ip.com

◆ ケネディクス株式会社 概要
代表者 :代表取締役社長 宮島大祐
設立 :1995年4月
所在地 :〒100-0011東京都千代田区内幸町二丁目1番6号
事業内容:アセットマネジメント事業、不動産関連事業、不動産投資事業 等
URL :https://www.kenedix.com/
ケネディクスは、1995年に設立され、1999年に不動産アセットマネジメント事業に本格参入し、事業を展開してきました。不動産私募ファンドの運用から始まった当社のアセットマネジメント事業は、複数のJ-REITの運用にも幅を広げ、現在では長期コアファンドも含めその領域を拡大し、2.5兆円を超える受託資産残高(AUM)を有しています。また、近年ではクラウドファンディングや不動産セキュリティ・トークンといった技術革新により生まれる新たな領域に対しても積極的な取組みを進めております。

 

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