5月17日 公開キャンペーンを開始 日鉄ソリューションズに株主提案

Asset Value Investors Limitedのプレスリリース

アセット・バリュー・インベスターズ・リミテッド(本社:ロンドン、CEO兼CIO:ジョー・バウエルンフロイント、以下、「AVI」)は本日、日本製鉄株式会社(以下、「日本製鉄」、東証プライム:証券コード5401)の子会社である日鉄ソリューションズ株式会社(以下、「日鉄ソリューションズ」、東証プライム:証券コード2327)の取締役会に対して、提出した株主提案に関する公開キャンペーンを開始しました。公開キャンペーンの内容は、特設ウェブサイト(http://www.assetvalueinvestors.com/ja/taking-ns-solutions-to-the-next-level/)をご覧ください。

 
日鉄ソリューションズと日本製鉄は親子上場の関係にあり、最高水準のガバナンスおよび一般株主に対する最大限の配慮が実現されておりません。具体的には、ITサービス業界における経験を持たない元日本製鉄役員が直近2年間で2名日鉄ソリューションズの社内取締役に就任するなど、ガバナンスにおける懸念が存在しております。

日鉄ソリューションズの取締役会は、金利約0.2%と資本コストを大幅に下回る金利で親会社の日本製鉄に902億円の資金を預け入れているほか、クライアントのリクルートHDの政策保有株式を中心とした投資有価証券を合計678億円保有するなど、限られた一部のステークホルダーに対する著しい経営資源の偏重をきたしており、資本効率の悪化につながっています。従業員の就業環境に対する対処が十分でない可能性も見受けられます。また、プライム市場への残留を前提とした場合、現在の親会社の保有比率が63.4%と流動比率制限に抵触しかねないことから、一般株主からの自社株買いを行うことが出来ません。

これらの親子上場に起因するガバナンスおよび資本規律の課題を背景に、日鉄ソリューションズは市場からの企業価値評価が、適正な水準を大幅にディスカウントされる結果を生んでいます。税引き後投資有価証券を考慮した企業価値/直近12か月営業利益倍率は約6.8倍であり、これは同業他社の平均13.3倍を半分近くも下回る低水準にあります。

こうした企業価値評価の低迷、資本効率の悪化にもかかわらず、この1年間、日鉄ソリューションズの現取締役会はほとんど全くと言ってよいほど、株主のために企業価値を最大化に向けた行動がなされていません。

このような状況に鑑みてAVIは、投資先企業を最も高い基準で維持する受託者責任を負っている主要な一般株主の一社として、日鉄ソリューションズの取締役会に、以下の4点を喫緊に取り組むべき施策として、4月21日に株主提案書を送付致しました。

現状のガバナンス、資本効率、並びに就業環境の改善に向けて直ちに実行するべき施策について:
①日鉄ソリューションズは、2022年6月開催予定の第42期定時株主総会終結の時から1年以内に、親会社である日本製鉄からディスカウントTOB等を通じて株式総数7,834千株取得し、親会社の議決権保有比率を約60%まで減少させるべく親会社との交渉を速やかに開始する。

②日鉄ソリューションズは、原則として特定投資株式を縮減していく⽅針とし、やむを得ない場合を除き、2023年3月1日までに、日鉄ソリューションズが特定投資株式として保有する株式の全てを適正対価にて売却又は処分するものとする。

③日鉄ソリューションズは、親会社又はその子会社もしくは関連会社に対する預け金を行わず、預け金が生じている場合、直ちに当該預け金を回収するものとする。

④セクシャルハラスメント、パワーハラスメント等、日鉄ソリューションズのコンプライアンスに関する事項に関する調査を実施するために「特別調査委員会」を設置する。本特別調査委員会は、日鉄ソリューションズ及び日鉄ソリューションズの取締役から独立した弁護士となる資格を有する委員により構成されるものとし、2022年9月1日までに、調査の結果について調査報告書、並びに改善案を対外的に開示する。

なお、これまでの対話において、日鉄ソリューションズ取締役会は、AVIの上記提言を無視し続けており、上記課題を解決することはできていません。

AVIのCEO ジョー・バウエルンフロイントは
「日鉄ソリューションズは、プライム上場企業としてあるべき最高水準のコーポレートガバナンス及び資本規律を実現し、不当な企業価値評価に対処するために、措置を講じる必要があります。また、支配株主である日本製鉄は、日鉄ソリューションズが全てのステークホルダーの利益のために経営されていることを担保する義務があり、また、日鉄ソリューションズの取締役会の責任を追及し、従業員の就業環境と過小評価された企業価値への対処を日鉄ソリューションズに要請することが可能です」と語っています。

以上

 
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AVIの概要
AVIは、ロンドンで設立された運用会社で、日本株に20年以上投資しています。1985年の設立以来35年以上にわたり、株式市場で、高い将来性のある優良企業への投資を行っています。AVIの投資チームは、企業価値の持続的な改善に資するべく、投資先企業の経営陣や取締役の皆様とのエンゲージメントを行っています。AVIは、AVIグローバル・オポチュニティーズ・トラスト(純資産額:約1,880億円(£1.2bn)、2022年3月31日現在)、AVIジャパン・オポチュニティーズ・トラスト(純資産額:約250 億円(£159.1mm)、2022年3月31日現在)およびAVIファミリー・ホールディング・カンパニーズ(純資産額:約19 億円(£12mm)、2022年3月31日現在)の3つの投資ファンドを運用しており、約780億円を日本株に投資しています。

https://prtimes.jp/a/?f=d55611-20220517-5c213799745ce20eb543acaeb547ade6.pdf

 

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