全国のドライバーに「2021年あおり運転実態調査」を実施

チューリッヒ保険会社のプレスリリース

チューリッヒ保険会社(東京都中野区、日本における代表者および最高経営責任者:西浦 正親)は、今年で4年目となる、全国のドライバー2,230人を対象とした「あおり運転実態調査」を行いました。

近年あおり運転の事故、事件に関する報道が増え、昨年には厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法が成立しましたが、依然としてドライバーの半数があおり運転をされたことがあると回答しています。また、7割強のドライバーがあおり運転に遭わないよう意識して運転しており、安全運転、あおり運転防止への関心の高さがうかがえます。さらに、ドライブレコーダーの普及によりあおり運転の防止を期待するドライバーも多く、現状ではドライブレコーダーを利用していない方の利用意向も高いことが分かりました。

本調査では、専門家の見解も交え、あおり運転の実態と、あおり運転に遭わないための工夫やあおり運転に遭ってしまった場合の対処法などを公開します。当社は今後もドライバーの皆さまが安全にカーライフを楽しめるよう情報発信を続けてまいります。

【調査結果要約】 
1. あおり運転をされた経験があるドライバーは5割。あおり運転を受けないよう、以前よりも意識して
  運転しているドライバーは7割強。
2. 2020年6月末施行のあおり運転の厳罰化により、「危険運転が減少すると思う」ドライバーは64.7%。
  減少しない理由として、「危険な運転をする人の心理や行動は変わらないと思う」が昨年から引き続き最多に。
3. 約半数がドライブレコーダーを利用。利用していないドライバーの約7割が
 「購入したいがコストがかかるため」と回答し、ドライブレコーダーの利用意向は高い。
4. あおり運転被害、「車体を接近させる挑発行為」が昨年に引き続き1位。
  被害を受けた際は「やり過ごす」対応をとったドライバーが多い傾向に。
5. あおり運転をされたきっかけの第1位は「追い越しをした」。
 「スピードが遅かった」、「車線変更をした」と続き、昨年1位の「制限速度で走っていた」は5位へ。
6. 被害にあわないための工夫、上位は昨年に引き続き「周りを気遣い、刺激しない」運転。

【調査概要】
調査タイトル: あおり運転に関する調査
調査方法: インターネットリサーチ
調査期間: 2021年7月16日~7月20日
調査対象: 1週間に1回以上運転している全国のドライバー2,230人

【出典について】
本調査内容を転載される場合は、出典がチューリッヒ保険会社であることを明記くださいますよう、お願いいたします。

1.  あおり運転をされた経験があるドライバーは5割。
  あおり運転を受けないよう、以前よりも意識して運転しているドライバーは7割強。

あおり運転をされた経験があるドライバーは、5割。76.4%のドライバーが、あおり運転を受けないよう注意して運転をしており、安全運転、あおり運転防止に対する意識の高さがうかがえます。

 

2.  2020年6月末施行のあおり運転の厳罰化により、「危険運転が減少すると思う」ドライバーは64.7%。
   減少しない理由として、「危険な運転をする人の心理や行動は変わらないと思う」が昨年から引き続き最多に。

近年、悪質なあおり運転に起因する事件、事故が多発し、社会問題となっており、2020年6月には、あおり運転の厳罰化を盛り込んだ「改正道路交通法」が衆院本会議で可決、成立し、同年6月末に施行となりました。

あおり運転の厳罰化を盛り込んだ改正道路交通法により、「危険運転が減少すると思う」と回答したドライバーは64.7%と昨年の76.9%と比較して12.2ポイント減少。危険運転が減少しないと答えた理由として「危険な運転をする人の心理や行動は変わらないと思う」が67.3%と昨年に引き続き最も多い結果となりました。

【九州大学 志堂寺教授の見解】
昨年の調査では、多くのドライバーが厳罰化の効果を予測し期待していました。施行後、1年経ちどうだったかと言うと、テレビや新聞などのメディアでは危険運転についての多くの報道があり、動画投稿サイトにも動画がアップされ続けています。このため、危険運転は今も行われている、厳罰化にはなったけれども期待していたほどには減ってはいないようだという印象を持つドライバーが増えたようです。一般的には、法改正により厳罰化されると抑止効果が出てきます。しかし、厳罰化では行動が改まらないドライバーが一定数は残りますので、用心して運転されたほうがよいでしょう。

3.  約半数がドライブレコーダーを利用。
    利用していないドライバーの約7割が「購入したいがコストがかかるため」と回答し、ドライブレコーダーの利用意向は高い。

ドライブレコーダーの利用について聞いたところ、49.9%と約半数がドライブレコーダーを取り付けていることが分かりました。ドライブレコーダーを利用している理由は「事故発生時に自分が不利にならないようにするため(84%)」が最も多く、ドライブレコーダーを取り付けていない理由は「購入したいがコストがかかるため(67%)」が最も多く、全体的にドライブレコーダーの利用意向は高いことが分かりました。

また、ドライブレコーダーの普及であおり運転が減少すると思いますかという問いには73%のドライバーが減少すると思うと回答。ドライブレコーダー普及への期待が明らかになる結果となりました。

【九州大学 志堂寺教授の見解】
あおり運転をされたときや交通事故に遭ったときに、自分の運転に問題がなかったことを示すために、映像記録型のドライブレコーダーを車に取り付けるドライバーが増えています。自分に落ち度がないのに責任を被せられるようなことがないようにというドライバーの気持ちの表れだろうと思います。危険な運転をするドライバーは「警察に捕まらなければ大丈夫」、「バレなければ大丈夫」という気持ちを持っていますので、ドライブレコーダーを装着した車が増えれば、「あおり運転のような危険な運転をすれば、後々、自分の運転の様子が映像資料として警察に届けられたり、動画投稿サイトにあげられてしまうかもしれない」と思い、危険な運転行為をすることを思いとどまるという抑止効果が期待できます。さらにドライブレコーダーは、記録された映像を使って家族や同僚とお互いに運転ぶりをチェックし安全運転に役立てるといった、別の使い方もできます。

4.  あおり運転被害、「車体を接近させる挑発行為」が昨年に引き続き1位。
    被害を受けた際は「やり過ごす」対応をとったドライバーが多い傾向に。

あおり運転に遭遇した時に受けた被害について聞いたところ、1位は「あなたの自動車に激しく接近し、もっと速く走るように挑発してきた」(76.5%)、2位は「車体を接近させて、幅寄せされた」(25.3%)となり、前年とほぼ同様の結果に。

また、あおり運転を受けたときにとった対処法は昨年2位の「何もしなかった」が38.3%で1位へ、昨年43.8%で1位だった「道を譲った」は36.0%で2位となった。3位は昨年同様「他の道に逃げた(14.5%)」と、前年に引き続き「やり過ごす」対応をとったドライバーが目立つ結果となりました。

【九州大学 志堂寺教授の見解】
「何もしなかった」と「道を譲った」という2つの対処方法が他の対処方法と比べてかなり多いことは、前回、前々回の調査と同じでした。あおり運転をされたときの状況はさまざまだと思いますので、必要な対処や、取ることができる具体的な対処もさまざまとなります。あおってきた相手は興奮していることが多いため、相手を刺激しないように対処することが重要です。落ち着いて対処する必要がありますが、あおられると自分がパニックになってしまう可能性があります。あおられた場面をいくつか想定して、自分ならどのような対処をするかを何度かシミュレーションしておくとよいと思います。ドライブレコーダーをつけるなどの事前対応をしておけば、気持ちに少し余裕が出るかもしれません。

5.  あおり運転をされたきっかけの第1位は「追い越しをした」。
 「スピードが遅かった」、「車線変更をした」と続き、昨年1位の「制限速度で走っていた」は5位へ。

あおり運転を受けたことがあるドライバーにあおり運転をされたきっかけと考えられる運転行動を聞いたところ、1位は「追い越しをした(25.6%)」。「スピードが遅かった(21.4%)」、「車線変更をした(15.4%)」と続き、昨年17.2%で1位の「制限速度で走っていた」は5位へ。順位の入れ替わりはあったものの、あおり運転のきっかけと考えられる上位4つの運転行動はスピードや進路変更にまつわる行為と感じているドライバーが多くみられました。

【九州大学 志堂寺教授の見解】
私はあおり運転には2つのタイプがあると考えています。ひとつは衝動的にあおり運転をしてしまうタイプ(衝動型あおり運転)、もうひとつは邪魔な車を排除するためにあおり運転を道具として使うタイプ(道具型あおり運転)です。衝動型あおり運転では、追い越しや車線変更をされた時に、瞬間的にカッとなって、ついやってしまうあおり運転です。本当に急な割り込みだったか、無茶な追い越しだったかは関係ありません。そう感じたというところからあおり運転が始まります。一方、道具型あおり運転では、前を走る車が邪魔で追い越せない時に、追い越したいということを知らせる目的で行うあおり運転です。どちらにしても、あおり運転に巻き込まれるようなことは避けたいものです。そのためには周りの車、ドライバーをしっかりと見て、ドライバーがどう思っているかを考えた運転が大切です。

6. 被害にあわないための工夫、上位は昨年に引き続き「周りを気遣い、刺激しない」運転。

あおり運転を受けたことがあるドライバーに、あおり運転をされないように工夫していることを聞いたところ、昨年同様1位は「車間距離をしっかりとる(55.5%)」。「急な割り込みをしない(35.3%)」「ウィンカーは早めに出すようにしている(33.8%)」、「不用意にクラクションを鳴らさない(32.3%)」と続き、周りのドライバーを気遣い、刺激しない運転を心がけている人が目立ちました。

【九州大学 志堂寺教授の見解】
初回の調査から連続で、「車間距離をしっかりとる」が他よりもかなり大きな差をつけて1位となっています。十分な車間距離をとることで、急ブレーキなどの後続車に迷惑がかかるようなことをする必要がなくなります。さらに車間距離をとると時間にも気持ちにも余裕が出てくるので、車線変更といったこともゆっくりと確実に行えます。あおり運転を受ける危険性がかなり下がるだけでなく、追突事故も減らせると期待できますので、私としてもお勧めの運転方法です。車間の大きさを距離ではなく時間で把握することが推奨されています。前の車がある場所を通過してから自分の車がその場所に到着するまでの時間で測るという方法で、2秒ないしは3秒が目安となっています。「急な割り込みをしない」、「ウィンカーを早めに出す」といったことも周囲のドライバーに対する優しい配慮となり、あおられるような事態の発生を防ぐことが期待できます。
 

【志堂寺 和則 九州大学大学院システム情報科学研究院教授】
1962年生まれ。九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。九州大学助手、長崎大学講師、九州大学助教授、准教授を経て現在に至る。専門は、交通心理学、ヒューマンインタフェース。実車やドライビングシミュレータを用いたドライバーの運転行動の計測や運転適性の研究に従事。著書には、『交通心理学』(北大路書房)、『交通心理学入門』(企業開発センター)、『交通事故防止の人間科学』(ナカニシヤ出版)、『だまされる脳』(講談社)、『ヒューマンインタフェース』(コロナ社)、『レクチャー ヒューマンコンピュータインタラクション』(数理工学社)、『大切な親に、これなら「決心」させられる! 免許返納セラピー』(講談社 監修)などがある。

【あおり運転実態調査に関する過去のニュースリリース】
全国のドライバーに「2020年あおり運転実態調査」を実施
https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2020/0706/

全国のドライバーに「2019年あおり運転実態調査」を実施
https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2019/1018/

『全国のドライバー2,230人に「あおり運転」実態調査』を実施
https://www.zurich.co.jp/aboutus/news/release/2018/0907/

【チューリッヒ・インシュアランス・グループについて】
チューリッヒ・インシュアランス・グループは、グローバル市場および各国市場において幅広い商品ラインアップを揃える世界有数の保険グループです。スイスのチューリッヒ市を本拠に1872年に設立され、およそ55,000人の従業員を有し、世界215以上の国と地域で、個人、そして中小企業から大企業までのあらゆる規模の法人およびグローバル企業のお客さまに、損害保険および生命保険の商品・サービスを幅広く提供しています。持ち株会社であるチューリッヒ・インシュアランス・グループ社(銘柄コード:ZURN)はスイス証券取引所に上場しており、米国においては、米国預託証券プログラム(銘柄コード:ZURVY)のレベル1に分類され、OTCQXにて店頭取引されています。チューリッヒグループに関する詳しい情報はwww.zurich.comをご覧ください。

【会社概要】
社名: チューリッヒ保険会社
代表者: 日本における代表者および最高経営責任者:西浦 正親
本社所在地: 〒164-0003 東京都中野区東中野3-14-20
事業内容: 損害保険業

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