『鉄鋼業界』は脱炭素への取り組みが加速

三井住友DSアセットマネジメント株式会社のプレスリリース

三井住友DSアセットマネジメント株式会社(代表取締役社長 兼 CEO:猿田隆)は、経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しております。このたび、マーケットレポート「『鉄鋼業界』は脱炭素への取り組みが加速」を2021年4月23日に発行いたしましたので、お知らせいたします。

<今日のキーワード>

菅首相が所信表明演説で2050年にカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを表明するなど政府は脱炭素社会の実現に踏み出しました。こうした中、CO2排出量の多い『鉄鋼業界』では、鉄鋼連盟が2050年にCO2排出量を実質ゼロとする目標を発表しました。『鉄鋼業界』は電炉の拡充によるCO2削減策等に加えて、抜本的な削減策として水素還元製鉄の技術開発を進めるなど脱炭素を加速しています。

【ポイント1】鉄連はCO2排出量実質ゼロを発表

■製鉄の基幹設備である高炉は石炭を原料としたコークスを使って鉄鉱石を還元して鉄を作るため、多くのCO2を排出します。国内でCO2排出量が製造業の約4割を占める『鉄鋼業界』はその削減が急務となっています。2月15日には鉄鋼連盟(鉄連)が2050年にCO2排出量を実質ゼロとする目標を発表しました。

■鉄鋼大手は脱炭素を進めており、鉄スクラップを溶かして再生するため、CO2排出量が高炉を大きく下回る電炉の拡充やCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)などに取り組んでいます。ただこれらの取り組みでは限界があり、鉄連が削減の切り札と期待する新技術がコークスを水素に置き換える水素還元製鉄です。

【ポイント2】鉄鋼大手は総力をあげて脱炭素に取り組む

■日本製鉄は3月5日、2050年カーボンニュートラルを目指すと発表しました。CCUSに加え克服すべき課題は多いものの水素還元製鉄にチャレンジし、複合的なアプローチでカーボンニュートラルを目指します。また同社は年間の粗鋼生産能力400万トンと高炉に匹敵する規模の電炉を30年までに国内の製鉄所に建設し、稼働させることも計画しています。

■神戸製鋼は鉄鉱石の一部を、すでに酸素を除去した「還元鉄」に代替する手法を確立しました。石炭を蒸し焼きにしたコークスを使って鉄鉱石から酸素を取り除くのに比べ天然ガスを使って作るため高炉内でCO2を発生させず、実証実験でCO2の2割削減に成功しました。

【今後の展開】水素還元製鉄の開発には官民挙げた取り組みが必要

■CO2の排出量の多い『鉄鋼業界』は他業態以上に脱炭素への取り組みが求められ、脱炭素への取り組みを加速しています。その成否が今後の競争力に直結するとみられています。2050年カーボンニュートラル実現に欠かせないのが水素を使い石炭を使わない水素還元製鉄です。ただ克服すべき課題は多く、全く新しい製法のため技術開発の難度が極めて高い上に、設備投資も巨額となります。このため水素還元製鉄の開発には『鉄鋼業界』をあげての取り組みと政府の支援など総力を結集した対応が求められます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

重要な注意事項
・当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
・当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
・当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
・当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
・当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
・当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
・当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

【三井住友DSアセットマネジメント株式会社について】
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。