2020年ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査

チューリッヒ生命のプレスリリース

 昨今、フレックスや在宅勤務など新しい「働き方」が世間に浸透してきました。また、2019年4月から有給休暇5日間の取得が義務化されたことや、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、柔軟な働き方を可能にする新たな制度を導入した企業も増えています。
 チューリッヒ生命は、全国1,000人のビジネスパーソンを対象に、今年で4回目になるストレスについての調査を実施しました。現在ビジネスパーソンが抱えているストレス原因のほか、「働き方」に関する制度の導入とそれに伴うストレス、残業時間、有給休暇の取得などについて調査しました。

【調査結果サマリー】
・ポイント1 ビジネスパーソンのストレスの要因第1位は「収入(経済面)」!

 ビジネスパーソンが勤務先においてストレスを感じる1番の要因は「収入(経済面)」という結果になりました。
働き方改革による残業時間の減少や、新型コロナウイルス感染症の影響により収入(経済面)への不安が募ったことが伺えます。
 過去3年間の調査結果と比較すると、「上司との人間関係」は4年連続、「仕事の内容」は3年連続でTOP5に入る結果になり、これらが多くのビジネスパーソンの悩みになっていることがわかりました。

・ポイント2 「働き方」に関する制度を導入していた企業は3割に留まる!
 新型コロナウイルス感染症の発生前から、「フレックス」や「在宅勤務」、「再雇用」などの制度を導入していた企業は約3割に留まりました。導入された制度に対するストレスとしては「社内スケジュールが調整しづらいこと」や「収入が減ったこと」、「隠れ残業や仕事の持ち帰りがあること」などが挙げられました。
 一方、制度に対してストレスを感じていないという方も多く、年代別の結果では最もストレスを感じていないのは50代であることがわかりました。

・ポイント3 有給休暇を希望通りに取得できた人の割合は6割に対して取得日数が5日未満の人は3割も!
 今回の調査では、62.9%の方が「希望通りに有給休暇を取得することができた」と回答しました。しかし、100%取得をした人の割合は全体の23.8%に留まりました。2019年4月より有給休暇の5日間の取得が義務化されましたが、29.6%の人が取得日数5日未満という結果になりました。

【調査概要】
1.     調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
2.     調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~59歳の有職者を対象に実施
3.     有効回答数1,000人(20代・30代・40代・50代、男女:各125人)
4.     調査実施日2020年3月27日(金)〜2019年3月30日(月)
 

 勤務先においてストレスを感じる1番の要因を聞いたところ、最も多かったのは「収入(経済面)」(22.4%)でした。働き方改革による残業時間の削減や、それに伴う残業代減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた収入の減少や不安がストレスになっているのかもしれません。
 次いで多かったのは「仕事の内容」(21.4%)。ほかにも、「上司との人間関係」(14.6%)、「上司・部下以外の社内の人間関係」(14.4%)、「取引先等の社外の人間関係」(5.0%)など「人間関係」に関するストレスが多く見られました。
 

※ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査2017 (https://www.zurichlife.co.jp/aboutus/pressrelease/2017/20170525)
※ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査2018 (https://www.zurichlife.co.jp/aboutus/pressrelease/2018/20180516)
※ビジネスパーソンが抱えるストレスに関する調査2019 (https://www.zurichlife.co.jp/aboutus/pressrelease/2019/20190424_01)

 過去の3年間の調査結果と比較すると、「上司との人間関係」は4年連続、「仕事の内容」は3年連続でTOP5に入る結果になり、これらが多くのビジネスパーソンの悩みになっていることがわかりました。
 

 今回の調査では、34.4%がフレックスや在宅勤務といった「働き方」に関する制度が新型コロナウイウルス感染症の発生前から導入されていたことがわかりました。「働き方改革」という言葉は世間に浸透してきているものの、実際の制度の浸透にはもう少し時間がかかりそうです。
 

 実際に導入された制度としては「フレックス・時短勤務」(25.2%)が最も多い結果になりました。次いで多かったのは「在宅勤務」(16.1%)。「定年制度廃止(再雇用)」(12.0%)、「育児や介護による離職者の再雇用」(9.5%)といった再雇用に関する制度が導入された企業も見られました。
 また、様々な制度が導入されているなか、過半数の52.0%は「何も導入されていない」ことが明らかになりました。
 

 新しく導入された制度に対するストレスとして最も多かったのは「社内スケジュールが調整しづらいこと」(20.3%)でした。フレックスや時短勤務の導入によって、スケジュール管理に影響が出ている企業も少なくないのかもしれません。
 2番目に多く挙げられたのは「収入が減ったこと」(17.7%)、3番目に多く挙げられたのは「隠れ残業や仕事の持ち帰りがあること」(16.6%)でした。
 一方、新しく導入された制度に対して、3人に1人(36.0%)がストレスを感じていないことがわかりました。
 

  新しく導入された制度に対するストレスを年代別に見てみると、最もストレスを感じていないのは50代、反対に最もストレスを感じているのは20代と、若い世代ほどストレスを感じていることがわかりました。
 「仕事ぶりの評価がされにくいこと」や「多様な働き方が認められていても上司や同僚に気を使うこと」へのストレスは20代が最も感じており、「収入が減ったこと」、「隠れ残業や仕事の持ち帰りがあること」、「勤務管理・業務管理が厳しくなったこと」へのストレスは30代が最も感じているようです。
 

 月の平均残業時間は「1時間未満」(41.1%)が最も多く、残業時間の上限である「原則45時間*」を超えている割合は4.1%であることがわかりました。
 また、ストレスを感じる残業時間は「1時間未満」(22.4%)が最も多く、時間に限らず「残業」自体にストレスを感じている方が多いのかもしれません。
*時間外労働の上限規制(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html
 

 2019年3月以前の1年間の月平均残業時間と比べて、2019年4月~2020年1月の月平均の残業時間が増えたか聞いたところ、67.6%が「変化なし(+2時間程度)」であることがわかりました。
 

 続いて、有給休暇に関する質問では23.8%が「付与されている有給を全て希望通りに取得できた(有給消化率100%)」と回答。一方、18.5%が「取得できなかった(病欠を除く)」と回答する結果になりました。
 

 有給休暇を取得できなかった理由について、最も多かったのは「取得できた日数で満足している」(22.4%)でした。
 次いで多かったのは「自分の職務を代行できる人がいないから」(22.2%)、「人員が常に足りていないから休めない」(19.6%)といった人手不足に関する悩みでした。
 

 有給休暇の付与日数と取得日数について聞いたところ、最も多い付与日数は「20日」(25.8%)、次いで多かったのは「10日」(15.5%)でした。一方で実際の取得日数は「0日」(14.5%)が最も多く、有給休暇自体は付与されているものの、取得できていない状況が伺えました。また、自由記述回答の中には「有給が付与されていない」、「有給制度自体が無いから」、「有給取得内容を審査される」など、取得したくてもできない意見が目立ちました。
 

 2019年4月~2020年3月で1番ストレスを感じた月は「2020年3月」(16.3%)と回答した方が最も多い結果になりました。年度末であることに加え、「新型コロナウイルス感染症」の影響がストレスにつながったと考えられます。
 

 今回の調査では、半数(50.0%)が会社の働き方に「新型コロナウイルス感染症」の影響があったと回答しました。
 また、新たに導入された制度として最も多かったのは「時差出勤が可能になった」(22.6%)で、そのほかにも「新たに在宅勤務制度が導入された」(19.2%)や「既存の在宅勤務制度の取得条件が緩和された」(14.6%)、「時短勤務が導入された」(12.6%)、「新たにフレックス制度が導入された」(7.2%)などが挙げられました。
 「緊急事態宣言」を受けて、今後さらに新たな「働き方」に関する制度を導入する企業もあると思います。不安な状況が続くなか、効率化だけでなく「ストレス」のケアにも重点を置く必要があるかもしれません。

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