マーケットレポート「インドネシア中央銀行が追加利下げを実施」

三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社のプレスリリース

◆新型ウイルス感染問題への対応
インドネシア中央銀行(以下、中銀)は2月20日、政策金利を0.25%引き下げ、4.75%としました。利下げは2019年10月以来、4カ月ぶり。2019年7月の利下げ転換以降、累計の下げ幅は1.25%となりました。

中銀総裁は会見で「新型コロナウイルス感染の拡大による世界経済への悪影響を勘案し、予防的な措置を取るもの」と説明しました。

2月はタイ、フィリピンが利下げを実施、シンガポールも先行きの金融緩和強化を示唆しており、金融市場ではインドネシアも今会合で追加利下げに踏み切るとの見方が強まっていました。

◆インドネシア経済は低迷が続く
インドネシアは米中貿易摩擦や資源価格下落を背景に輸出の低迷が続いており、2019年10-12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比+4.97%と3年ぶりの低水準となりました。中銀は、内需は底堅いと見るものの、自動車販売台数は前年割れが続くなど、個人消費は今一つ勢いが感じられない状況です。

中銀は2020年の成長率予想を従来の「5.1~5.5%」から「5.0~5.4%」に引き下げました。

 
◆通貨ルピアはもみ合い推移へ
インドネシア経済は商品市況低迷の影響は受けざるを得ないものの、タイやマレーシアと比べると中国経済への依存度は低いと見られます。

また、物価の伸びは低位で安定した推移が続いているほか、インドネシア国内ではウイルス感染者は確認されていません。さらなる利下げ観測はくすぶりそうですが、当面通貨ルピアはもみ合い推移が続きそうです。

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