日本証券業協会のプレスリリース

日本証券業協会、(株)日本取引所グループ、(一社)資産運用業協会は、証券投資を“未来に備える選択肢”として捉え、社会と自分の未来について考える場として、「未来を考えるCAMP」を2日間にわたり実施しています。初日となる本日の『未来を考えるCAMP~みんなで「社会」の未来を考える~』では、大学生15名と証券会社代表者13名、さらにゲストとしてタレントのユージさんが登壇しました。
開会挨拶には、主催者代表の日本証券業協会 会長 日比野 隆司が登壇し、「社会や経済が大きく変化する今、未来を担う若い世代からは、日本の社会が解決すべき課題や目指すべき未来についてどのようなビジョンが見えているのか。そして、証券業界はそうしたビジョンの実現に向けた次世代の挑戦をどのようにサポートし、社会の発展・成長につなげていくことができるのか。未来への希望が持てるコミュニケーションとなることを私自身も期待しています。」と述べ、本会が大学生と証券業界が未来の社会のあり方について意見を交わし、ともに未来を創造するきっかけとなることへの期待を寄せました。日比野の挨拶に続き、ゲストのユージさん、証券会社代表者13名が登壇しました。
本会では、大学生たちが身近な社会課題を起点に“叶えたい未来の日本”を発表。それぞれの発表に対し、証券会社代表者からは共感した点や、証券業界・証券会社がどのように応援できるかについて意見やアドバイスが贈られ、思い描く未来の実現のために若者が今からできることや、未来をひらく選択肢として証券投資が持つ可能性について意見を交わしました。
■大学生が描く「未来の日本」に証券業界がエール。
対話を通じて見えた未来への展望
大学生の発表では、『あなたが、叶えたい「未来の日本」は?』をテーマに、人口減少による地域・地方の衰退対策や、少子高齢化が進む日本での学生の成長とスキル向上のための施策、災害大国である日本ならではの産業育成といった、現在の社会への課題意識やより良い社会に向けたアイデアが次々と紹介されました。未来への想いを語る大学生たちの姿に、各証券会社代表者からは多くの共感が寄せられました。また、大学生だからこそ見える意外な視点や発想に対し「人口が減少するから地方が衰退するのは仕方がない、という“諦め”自体を課題と捉え、ポジティブな希望に変えていく発想が素晴らしい」といった声が上がるなど、若い世代ならではの着眼点に感心する様子も見られました。
また、大学生が感じている身近な社会課題の解決に向けて、「証券業界・証券会社がどのように応援できるのか」という観点から、「投資の本質は、応援したいと思うところへお金を動かすこと」「証券会社はお金の循環を支え、資金や市場とのつながりを通じて挑戦を後押しできる」といったコメントが寄せられ、大学生の提案に対し証券業界から後押しがありました。
質疑応答では、「こうした未来を実現していくために、私たち若い世代がこれから意識し、行動するべきことは何でしょうか」という大学生からの質問が寄せられました。これに対し、山和証券 代表取締役社長 山口氏は「ぜひ『実現したい未来に投資をする』という視点を持ってほしいと思います。証券投資に限らず、『自分という最大の資本』に投資をすることにも注力してほしいです。若いからこそ、いろいろ学び、経験し、積極的に挑戦してほしいと思います。そして余力があれば、より良い社会に向けて挑戦している企業や仲間に投資をしてみることも期待しています。」と回答しました。こうした対話を通じて、参加した大学生たちは、未来の日本を支える若い世代として、証券業界からの期待やエールを受け取りました。
さらに、投資・お金に関する知識を積極的に発信するユージさんからは、大学生の提案に対して「若い方々が今のアイデアを使ってどうにかできないかと考えることに意味があると思います。今は世界ともつながれる時代で、場所に限られず大きなアクションを起こすことができるはずです。期待しています!」といった期待とともに、応援の言葉が贈られました。大学生と証券業界が互いの視点を共有することで、若い世代が思い描く未来に対し、社会を支える証券業界・証券会社の役割や投資という選択肢の可能性がより明確になり、未来をともに考える場となりました。
■各大学の発表内容
①明治大学
【プレゼン概要】
「人口減少=地域・地方の衰退」という社会課題に着目。人口減少傾向の国内で、これからも地域が魅力を保っていくためには、人と資金と技術が巡り、価値が循環する持続可能な地域社会を創ることであるというビジョンを掲げ、「知恵・時間の投資」、「資金の投資」、「技術の投資」の3軸で実現に向けた策を提案。

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課題意識:「人口減少=地域・地方の衰退」による【機会の偏重】キャリアの選択肢の偏り、【構造的課題】単独自治体での循環難。
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目指すビジョン:関係人口と多様な投資(お金・人・技術)により、人口が減っても「地域の価値と賑わい」が循環し続ける社会。
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実現のための策:
≪関係人口プラットフォーム≫
オンラインや副業で知恵や時間を投資する、関係人口のプラットフォームを構築。
都市部の学生・若者が地方企業の新規事業開発にプロジェクト単位で参画。≪地域型インパクトファンド≫
地元の小口投資で支えていく地域型インパクトファンドを組成。
全国の個人が1口から地域ビジネスを応援し、成長と体験リターンを分かち合う。
≪スマート生活圏の維持≫
AI交通や遠隔医療等を活用し、人口減少下でも高品質な生活圏を維持。
自動運転・オンライン診療・教育で少人数でも住みやすい街をつくる。
<証券会社代表者コメント>
アイザワ証券 代表取締役社長 藍澤氏
人口が減少するから地方が衰退するのは仕方がないという「諦め」自体を課題と捉えた点に共感した。地域の金融機関や教育機関と連携し、地域活性化に取り組んできた経験も活かしながら、全国の応援資金が地方へ循環する社会づくりを、皆さんと一緒にお手伝いしていきたい。

SMBC日興証券
取締役社長CEO(代表取締役)吉岡氏
人口減少だからこそ、人や投資を新しい形で取り込み、スマートインフラも活用しながら成長の機会と捉える発想には大きな可能性がある。証券会社にとってお金の循環を支えることは重要なテーマであり、コミュニティの基盤となるアイデアも非常に興味深い。

岡三証券グループ
代表取締役兼副社長執行役員 池田氏
人口減少は避けられない課題だが、地域の価値や魅力までなくなるわけではない。今回の提案は、地域に資金を呼び込むだけでなく、地域の魅力を応援する人を増やす点が優れている。「投資の本質」は、応援したいと思うところへお金を動かし、共感や志を未来へつないでいくことにあると思う。

大熊本証券 代表取締役社長 出田氏
大企業と中小企業、大都市と地方都市の格差が広がる中、「ヒト・モノ・カネ」に加えてAIやDXなどの新しい技術を使いこなすことが、地方企業が大企業にキャッチアップする一つの要素になる。地方創生はこれからもなくならないテーマであり、ぜひその思いを持ち続けてほしい。

②早稲田大学
【プレゼン概要】
少子高齢化が進む日本において、学生の成長とスキル向上の機会損失という社会課題に着目。「アルバイトが時間の切り売りではなく、学びとキャリアへの挑戦に変わる未来」をビジョンに掲げ、プラットフォームを構築するという策を提案。

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課題意識:学生の貴重な時間が、キャリアに繋がりにくいアルバイトに消費されていること。
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目指すビジョン:アルバイトが時間の切り売りではなく、学びとキャリアへの挑戦に変わる未来。
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実現のための策:
≪若者の成長プラットフォームの構築≫
企業の実務と学生の関心を繋ぐマッチング基盤の構築、金融・証券を通じて若手育成に積極的な企業へ資金が集まる仕組みの構築、バイトで得たスキルや実績を可視化する仕組みの構築。
<証券会社代表者コメント>
東海東京証券 代表取締役社長 北川氏少子高齢化が日本の経済成長のマイナスにつながると言われる中、アルバイトを自らへの「投資の機会」と捉える発想に驚いた。さらに、そこで得た経験を可視化し、プラットフォームにのせるという考え方も印象的で、若い世代の自由な発想が未来の日本を明るくすると感じた。

野村ホールディングス
取締役兼代表執行役社長 グループ CEO奥田氏大学生のプレゼンのとおり、今の日本社会では、限りある学生時代に一生懸命取り組んだ経験が必ずしも将来に直結するわけではないこともある。キャリアをつくれるようなアルバイトやインターンといった経験が将来につながる仕組みをつくるとともに、企業や社会もその仕組みを積極的に受け入れるような土壌が必要だと感じた。

松井証券 代表取締役社長執行役員 和里田氏労働を自己成長の場にするという発想が素晴らしい。若い方々は、金融商品への投資だけでなく「自分磨きへの投資」をすることで、将来より大きなリターンを得られるのではないか。投資対象は必ずしも金融商品だけではなく、何かに投資し、それが成長して豊かさを得ることが投資の本質だと思う。

明和證券 代表取締役社長 小林氏
中小企業にとって新入社員の早期戦力化は大きな課題であり、アルバイトを自己成長の場と捉え、学びやキャリアへの挑戦の機会とする視点に深く共感した。学生時代の貴重な時間が、実践的なスキルや金融リテラシーを身につける場となれば、企業や社会全体の生産性向上にもつながる。

③ 東京女子大学
【プレゼン概要】
災害大国、日本における防災産業に着目。災害大国だからこそできる多様な支援を行う防災産業をつくることをビジョンに掲げ、当事者の声・投資・テクノロジーの3軸で実現に向けた策を提案。

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課題意識:災害大国、日本における災害時のニーズの多様化。
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目指すビジョン:災害大国だからこそできる多様な支援を行う防災産業をつくる。
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実現のための策:
当事者の声・投資・テクノロジーの3軸により、誰もが安心して災害に備えられる防災商品やサービスを企業が提供する。それによって防災産業が日本の成長になり、日本の経済成長を後押し。
<証券会社代表者コメント>
HSBC証券 代表取締役社長 永原氏防災を不安や心配への「備え」にとどめず、日本の弱みを強みに変えて産業にしていくというアイデアに感銘を受けた。一人ひとり異なる災害時の影響に合わせてカスタマイズしていくために、テクノロジーも活用していくことが重要。産業を育てるための資金や市場とのつながりを、金融機関として支えていきたい。

大和証券グループ本社
代表執行役社長 CEO 荻野氏防災は喫緊の課題であり、災害を一つの現象として捉えるのではなく、被災したさまざまな人の立場に寄り添ったニーズを捉えることが不可欠。そうした「マーケットイン」の発想が織り込まれれば、防災産業を日本の強みにできる。当社グループとしてもサステナブルファイナンスなどを通じて金融面からサポートできる。

みずほ証券 代表取締役社長 浜本氏防災を「ピンチをチャンスに、弱みを強みに変える」発想として捉えた点が印象的だった。気候変動などにより世界各地で災害が起きる中、日本が防災を産業として打ち出せれば世界にもニーズがある。しっかりマネタイズできる仕組みにすることで、世界の投資家から資金を集めることもでき、証券会社としてその支援をしていきたい。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券
取締役社長兼CEO 関氏防災産業をつくることも含め、あらかじめできることを洗い出し、できる限り事前に準備しておくことが重要だと受け止めた。また、現場起点で「実際に何が起きているのか」という視点から取り組むという発想にも共感した。会社として、個人として、社会に対して、日常からどのような備えができるか改めて考えていきたい。

■若者と証券業界の視点が交差して見えた未来への展望
証券投資で広がる未来の選択肢
DAY1の締めくくりとして、主催者代表による総評が行われました。日本取引所グループ 取締役兼代表執行役グループCEO 山道 裕己は「「地方創生」、「アルバイトでの自己実現」、「防災の産業化」といった本日の3つのプレゼンはどれも非常に面白く、分かりやすい発表でした。今、日本のマーケットは世界中の投資家から注目を集め、2024年からのNISAの拡大によって日本の個人投資家層も厚みを増しています。一方、SNSなどを通じてさまざまな情報があふれる中、これから投資を考える際には、正確な知識と正しい情報に基づいて投資判断をしていただきたいです。」と述べました。

そして、イベントの最後には「未来の鐘セレモニー」を実施。これからの未来を担う大学生が思い描く未来に対し、証券業界が共感と期待を寄せ、その実現に向けてともに歩んでいく姿勢を象徴するものとして、資産運用業協会 会長 菱田 賀夫が、大学生が発表した3つの未来を願って3回「未来の鐘」を鳴らし、DAY1を締めくくりました。

