~AI ツールが進化し、単独で起業する人が増える中、成功する企業の共通点をハイライト~
ストライプジャパン株式会社のプレスリリース
プログラマブルな金融サービスを構築する Stripe (サンフランシスコ・ダブリン、共同創業者兼 CEO パトリック・コリソン) は、米国での法人設立を簡単かつ安全に支援するプラットフォーム Stripe Atlas (1) 上で分析された、スタートアップの新たな動向を発表しました。本分析によると、「ソロプレナー*」によって起業された企業数は、2026 年第 2 四半期に設立された C コーポレーション全体の 63% を占めており、過去最高水準となっていることが判明しました。
*ソロプレナー : 共同創業者を持たず、一人で起業するアントレプレナー

起業家が一人で会社を立ち上げるケースが増えるなか、平均的な企業とトップパフォーマーとの差は広がっています。Stripe Atlas を通じて法人化されたソロプレナー企業の 2025 年の数値を見ると、初年度 6 か月間の売上平均が中央値層では前年比 23% と減少していた一方で、上位 10% の企業の売上は 19% 増加しました。
4 年前、創業後 6 か月間の売上において上位 10% のソロプレナー企業は中央値層の約 34 倍を記録していたのに対して、2025 年にはその差が 61 倍にまで拡大しています。また、年間売上 10 万ドル (約 1,600 万円) を超えるソロプレナーの数は、2022 年に比べて 1.3 倍も増加しました。
AI ツールの進化により、一人でも製品の開発やリリース、顧客サポート、改善を行いやすくなった今、成功する企業とそうでない企業を分ける要因は何なのかという問いが生まれています。
そこで Stripe は、この問いを解明するため、2022 年または 2023 年にソロプレナーによって設立され、2 年分以上の売上データを持つ Atlas 上のスタートアップを分析しました。その中で、創業初期 2 年間の総売上に基づいて中央値層の 10% を定め、上位 10% のトップ層を比較し、高い成果を上げる創業者の特徴を分析しました。その結果、上位 10% のソロプレナー企業には以下の 5 つの共通点が見られました。
1. AI ネイティブな製品を開発

最も成功しているソロプレナーは、製品の中核に AI を据える「AI ネイティブ」な製品を開発しています。上位 10% は、中央値層に比べて約 2 倍の確率で AI ネイティブな製品を開発している傾向にありました。
34 社を一人で創業したソロプレナーであるマーク・ルー (Marc Lou) 氏は次のように述べています。
「次世代のソロプレナーは、過去の経歴や技術的なバックグラウンドによってではなく、『スピード』によって特徴づけられるでしょう。プログラミング言語などは用いず、ノーコードを活用して課題解決に取り組みます。そして AI を使って素早いスピードで世の中に製品を出荷し、SNS を活用して新たな流通経路を開拓していく人たちです。」
創業から 2 年時点で、AI ネイティブな製品を開発するソロプレナー企業の売上は、その他の約 2 倍でした。売上分布の 50 〜 95 パーセンタイルに位置する企業群では、一貫して AI ネイティブな製品を開発するスタートアップが高い売上を記録していました。
2. 創業時からグローバルに事業を展開

上位 10% のソロプレナー企業は、初月の時点で平均約 10 カ国で製品を販売していたのに対し、中央値層ではわずか 3 カ国に留まりました。この差は、創業からの時間の経過とともにさらに拡大しています。創業から 24 カ月後時点で、中央値層は約 6 カ国に留まる一方で、上位 10% のソロプレナーは平均して米国外の 40 の国々で事業展開を加速させています。
また上位 10% は、自国市場以外からの売上比率も大幅に高くなっていました。上位層では売上の 51% が海外市場から得ているのに対し、中央値層ではその割合が僅か 2% という結果でした。この差の大部分は創業者の所在地に起因しており、上位層の創業者は米国外に拠点を置く割合がやや高いことが判明しています。そのために米国市場に早期参入するケースが多く、特にソフトウェア業界において米国は最も大きな市場であることから、早期に米国市場へ参入することが成長の加速にもつながることが明らかになりました。
3. 企業向け(B2B)に製品を提供

上位 10% のソロプレナー企業は、中央値層に比べて約 30% もの高い確率で B2B 業態の企業を運営していました。
SaaS 企業やスタートアップ向けに、アフィリエイトプログラムの立ち上げ・管理・成果測定を一元化するアフィリエイト管理プラットフォーム Refindie を含む、4 社を一人で創業したソロプレナーであるポリーヌ・クラヴェロー (Pauline Clavelloux) 氏は次のように述べています。
「私は毎日ユーザーと対話し、複数の顧客が要望した機能だけを開発し、ニッチな市場で最高のサービスを創り上げることに集中した結果、広告を使わずに月間経常収益 1 万ユーロのビジネスを築き上げることができました。」
B2B のソロプレナーは、あらゆる指標で優れた成果を上げています。創業時から 24 カ月時点で、中央値層の B2B 企業は、同域の B2C 企業よりも 4 倍以上の売上を記録しており、この傾向は上位層でも同様に見られ、上位 10% の B2B 企業の売上は B2C の同等層と比べて約 2 倍にも達していました。一般的にこの差は、B2B 企業は資金調達を行いやすいためだと考えられていますが、自己資金のみで設立されたソロプレナー企業に限定しても、中央値層・上位層の双方で B2B 企業が高い売上を上げていました。
4. 早期段階から高い顧客維持率を維持

上位 10% のソロプレナー企業は、中央値層よりも初月に獲得した顧客の定着率が大幅に高く、より早い段階でプロダクト・マーケット・フィット (PMF) を確立しています。上位 10% では初月に獲得した顧客の約 30% が翌月も利用を継続したのに対し、中央値層ではその割合が 8% に留まりました。
さらに創業から 6 カ月目までには、上位層のソロプレナーは離脱した顧客の再獲得も始めており、創業後 9 カ月目から顧客の再獲得開始している中央値層より約 3 カ月早いペースで進行していました。
この顧客維持率の差は B2B 業態で特に顕著となっており、ソロプレナーの B2B スタートアップでは、上位 10% の創業者が中央値層と比べて 6 倍のスピードで初月顧客を獲得していることが分かりました。
クラヴェロー (Clavelloux) 氏は次のように述べています。
「時間や資金を過度に投じる前に、有料ユーザーを設けてビジネスを検証するべきです。完璧さよりも前進することを重視し、製品をいち早くリリースするとともに、ユーザーに合わせて頻繁に改善していくことが重要です。」
初期の顧客維持率の優位性は、時間とともに大きな成果を生み出します。創業 2 年目になると、初月に獲得した顧客の支出額は上位 10% のスタートアップで当初の約 1.5 倍となる 47% の増加を示しており、中央値層の約 2 倍の伸び率となっていました。
上位層の創業者が高い顧客維持率を保っている理由の一つとして、継続課金モデルの採用が考えられます。Stripe のデータによると、上位 10% の B2B および B2C ソロプレナーは、中央値層と比べてそれぞれ 26 ポイント、20 ポイント高い割合で継続課金モデルを利用していました。
5. 複数創業者のスタートアップは時間とともに優位に立ちやすい一方、トップのソロプレナーはその差を縮めつつある
創業初期では、ソロプレナー企業の方が複数創業者がいるスタートアップよりも高い売上を上げていました。しかし創業後 24 カ月目になると状況が逆転し、上位 10% の複数創業者がいる企業は、上位 10% のソロプレナー企業よりも約 1.5 倍となる 53% もの高い売上を記録していました。
一方で、自己資金のみで設立された上位のスタートアップ同士を比較すると、その差はほぼなくなります。創業後 24 カ月目時点の売上を上位 1 % のスタートアップ同士で比べると、ソロプレナー企業の売上の差は、複数創業者がいる企業よりも僅か 5% 低いだけに留まりました。
AI マーケティングを支援するプラットフォーム Okara およびパキスタンのテック専門メディア TechJuice を単独で創業したソロプレナーであるファティマ・リズワン (Fatima Rizwan) 氏は次のように述べています。
「最も優れたソロプレナーは、非常に高い主体性と課題解決力を持っています。自ら開発し、文章を書き、製品を世の中に出すだけでなく、優秀な人材の採用、アドバイザーの活用、創業者コミュニティとのつながりを通じて、自分自身の能力を拡張する方法を理解しています。」
(1) Stripe Atlas について
-
設立と株式:米国での会社設立から EIN 取得、株式報酬設定、83 (b) の税務選択の申請をサポート
-
投資家対応の書類:スタートアップ向け大手法律事務所 Cooley と共に法務書類を整備
-
事業拡大リソース:パートナー特典 5 万 ドル (約 800 万円) 分、Stripe クレジット 2,500 ドル (約 40 万円) 分、SAFE による資金調達を行う機能が利用可能に
詳しくは Stripe blog をご覧ください。
日本円換算は一律 1 ドル = 160 円で計算しています。
#####
Stripe について
Stripe は、プログラマブルな金融サービスを構築する企業です。世界の何百万もの企業が Stripe を利用して、オンラインおよび対面での決済や組込型金融、収益モデルのカスタマイズを推進し、より収益性の高いビジネスを築いています。サンフランシスコとダブリンに本社を置く Stripe は、世界の GDP の 1.6% に相当する年間 1.9 兆 ドル (約 300 兆円) 以上の決済を処理しています。AI とステーブルコインにフォーカスを置いた事業拡大と研究開発への投資を通じて、Stripe はグローバル経済における最先端技術の普及に貢献しています。
詳しくは https://stripe.com/jp をご覧ください。

