世界の銀行の約8割がハイブリッドクラウド導入の初期段階にとどまる

日本IBMのプレスリリース

金融機関のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するため、IBMおよびBanking Industry Architecture Network(BIAN https://bian.org/ )は、ITインフラの成功事例を特定・検討するための複数年にわたる共同研究に着手するにあたり、銀行の成功を左右するものは何か、銀行の収益性においてテクノロジーがどのような役割を果たしているかなどを調査したレポート「銀行力の強化に欠かせない基盤( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/foundations-banking-excellence )」日本語版を本日公開しました。本調査は、日本の銀行(14%)を含む世界58カ国にわたる銀行の協力のもと、2,000人の銀行のCIOおよびCTOを対象として実施しました。

主な調査結果
本調査で、79%の銀行がハイブリッドクラウド導入の初期段階であること、また優れた財務パフォーマンスを達成した金融機関は、データ・ファブリックやAIファクトリーなどのITアーキテクチャー・モデルを優先していることが明らかになりました。
具体的には、財務状況が健全な銀行の特徴として、以下の要となる6つのテーマを実践していることが挙げられます。

  1. パートナーとのエコシステムを活用して、イノベーションの加速と効率化を図る
  2. エンドツーエンドの徹底したデジタル化により、複雑な業務フローを合理化・自動化して、イノベーションを促進する
  3. 広範なネットワークでデータをいつでもやり取りできるデータファブリック構築する
  4. AIファクトリー展開し、データを活かすデータ環境に作り変える
  5. 特定のオペレーションをエンド・ツー・エンドで担当する規模チームを組織する
  6. 開発プロセスの初期段階からモニタリングを始め、データやユーザーからのフィードバックを取得し、実装とメンテナンスの準備をする

これら6つのテーマは、業務運用を包括的に捉えている銀行がDXにおいてのみならず、財務パフォーマンスに関しても成果を出していることを強調しており、これには、ハイブリッドクラウドなどのテクノロジーをビジネス価値創造の変革手段として活用することや、データからより多くの洞察を引き出すためにAIを活用することが含まれます。中でもハイブリッドクラウド戦略は特に重要です。最近の調査「IBM Transformation Index: State of Cloud( https://www.ibm.com/downloads/cas/6V96WAXK )」では、対象となった金融サービス企業の71%が、確固としたハイブリッドクラウド戦略なしではデジタル変革によるメリットを十分に引き出すことは難しいと考えていることが明らかになりました。

本レポートでは、ビジネス価値に与える潜在的な経済効果は、クラウドと各種の変革手段を組み合わせた場合に、クラウドを単体で利用した場合と比べて20倍も大きくなること、また成功している銀行は、多くの場合、社内および企業間の枠を超えたコラボレーションとイノベーションを優先していることを調査結果から明らかにした上で、これらを実践し、成功している3つの銀行のケースを紹介しています。

成功のためのアクション:エクスポネンシャル・テクノロジー(指数関数的に発展する技術)活用したビジネス機会創出(本レポートからの要約)
エクスポネンシャル・テクノロジーは、業務の効率化、競争優位の獲得、リスクの管理、そして財務上の成果を達成するための基礎となっています。これらの成果を得るために、各銀行は要となる6つのテーマを次の3つの主要分野で実行することが推奨されます。

  1. 外部に門戸を開放:顧客やパートナーのエコシステムとの連携を通して、社外からの参加とイノベーションを受け入れことが重要になります。
  2. 銀行運営の効率化:ビジネスプロセス、専門性の高い業務、アプリケーションをデジタル化することが求められます。
  3. 技術的インフラストラクチャーのモダナイゼーション:ハイブリッドクラウドを導入初期の段階から進化させることが必要不可欠です。ここではコアレス・バンキングのアプローチが本領を発揮し、銀行は新しいテクノロジーの導入に伴う多くの課題を克服しながら、システムの将来性を確保することができるようになります。

調査方法
IBM Institute for Business Value(IBV)( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja )は BIAN および Oxford Economics 社と共同で、世界58 カ国の銀行の CIO および CTO 2,000 人を対象に調査・分析を行った。調査データは、調査対象となった金融機関の 2018 年、2019 年および 2020 年の財務報告書に掲載されている ROE や CIR など財務指標で補完されている。
本調査の詳細は、以下のURLよりご覧いただけます。
https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/foundations-banking-excellence
また、IBM の銀行と金融サービス向けテクノロジー・ソリューションに関しては、以下のURLをご参照ください。
https://www.ibm.com/jp-ja/industries/banking-financial-markets

IBM Institute for Business Valueについて
IBM Institute for Business Value(IBV)( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja )は、20年以上にわたってIBMのソート・リーダーシップ・シンクタンクとしての役割を担い、ビジネス・リーダーの意思決定を支援するため、研究と技術に裏付けられた戦略的洞察を提供しています。IBVは、ビジネスやテクノロジー、社会が交差する特異な立ち位置にあり、毎年、何千もの経営層、消費者、専門家を対象に調査、インタビューおよび意見交換を行い、そこから信頼性の高い、刺激的で実行可能な知見をまとめています。IBVが発行するニュースレターは、ibm.com/ibv( https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value )よりお申し込みいただけます。また、Twitter(@IBMIBV https://twitter.com/IBMIBV )や、LinkedIn(linkedin.com/showcase/ibm-institute-for-business-value https://www.linkedin.com/showcase/ibm-institute-for-business-value )をフォローいただくと、定期的に情報を入手することができます。

当報道資料は、2022年10月7日(現地時間)にIBM Corporationが発表したプレスリリースの抄訳の一部をもとにしています。原文は以下のURLを参照ください。
https://newsroom.ibm.com/Nearly-80-of-Banks-Globally-Remain-in-Nascent-Stages-of-Their-Hybrid-Cloud-Adoption

IBM、IBM ロゴ、ibm.comは、世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corp.の商標です。他の製品名およびサービス名等は、それぞれIBMまたは各社の商標である場合があります。現時点での IBM の商標リストについては、https://www.ibm.com/legal/copytrade.shtml (US)をご覧ください。
 

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