日本証券金融株式会社の2023年1月25日付「純投資株式の損益計上区分について」に関する誤りについて

株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース

詳細は特設ウェブサイト(https://stracap.jp/proposal-for-JSF-from-sc-2022/)をご覧ください。

株式会社ストラテジックキャピタル及び同社が運用するファンド(以下「SC」という。)は、日本証券金融株式会社(以下「日証金」という。)の株式を約5.0%保有しています。

SCは日証金に対して2023年1月20日付「責任追及等の訴え提起請求書」において、日証金における不適切な会計処理を指摘し、不適切な会計処理によって日証金の役員に対して過剰に支払われた報酬について返還する訴えを提起するよう、日証金の監査委員会に求めていました。
これに対して、日証金は2023年1月25日付「純投資株式の損益計上区分について」(以下「日証金主張」という。)において、そもそもSCの指摘した不適切な会計処理など存在しないとの日証金執行部の主張を開示しました。しかし、日証金の主張は会計基準を無視した荒唐無稽なものであるため、SCはこれに対する見解を公表いたします。

                         記

意見表明を行った人物について>
日証金の監査を行っているのは東陽監査法人であるが、日証金執行部の主張に対し意見表明を行ったのは、東陽監査法人ではなく、監査法人において上場企業の会計監査業務に従事した経験を持たない人物である。
SCとしては、日証金執行部が会計処理の妥当性を主張するのであれば、東陽監査法人の見解を明らかにした上で行うべきであると考える。

日証金主張に記載された結論について
【日証金】「その他有価証券」として分類されている有価証券であっても、主たる営業活動として売買が行われている場合には、損益計算書上、営業損益として計上されることは会計基準上も適切。
SC主たる営業活動であるか否かにかかわらず、「その他有価証券」の売却損益を営業損益として計上することは認められない。「その他有価証券」の売却損益を営業外損益又は特別損益に計上すべきと記載した会計基準はあるが、営業損益として計上することを認めた会計基準は存在しない。
日証金主張に記載された根拠について
日証金が会計基準を無視した処理を行っていることは自明であるが、その他の日証金による明らかな事実誤認についてのみ補足を行う。

◆金融商品会計に関するQAQ68の記載内容について
【日証金】金融商品会計に関するQ&A Q68(以下「Q68」という。)では売買目的有価証券の売買損益について、「有価証券の売買を主たる事業としている場合には、営業損益の項目とし、それ以外の場合には営業外損益の構成項目として」と記載されており、有価証券の売買を主たる事業としているか否かで判断がなされていることから、その他有価証券の売買損益についても同様に当該売買が主たる営業活動といえるのであれば営業損益項目とすることが適切である。
SC引用箇所が誤っている上、鉤括弧の位置も誤って引用されている。正確にQ68を引用するのであれば、売買目的有価証券の売買損益は、有価証券売買を主たる事業・・・構成項目として」である。日証金はQ68を根拠に「その他有価証券」の売却損益を営業損益に計上すべきと主張を展開しているが、引用箇所はそもそも日証金が保有していない「売買目的有価証券」の売却損益を営業損益又は営業外損益のどちらに計上すべきかについて記載された箇所である。

【日証金】Q68のその他有価証券の売買損益に係る記載は金融取引を主業務としない一般的な事業会社を想定しているものと考えられる。
SC日証金自ら引用したQ68の冒頭には「売買目的有価証券の売買損益は、有価証券の売買を主たる事業としている場合・・・」と記載されており、有価証券の売買を主たる事業とする会社も対象となっていることは自明である。そもそも金融商品会計及び金融商品会計に関するQ&Aは全業種を対象としたものである。

◆日証金において「その他有価証券」の売買は主たる営業活動であるか否か
【日証金】証券金融業を主たる事業として営んでいるほか、定款にも記載があることから営業活動には有価証券の売買も含まれ、会計上、「その他有価証券」に位置付けられる純投資目的で保有する株式であっても、その売買は主たる営業活動として行われる。
SCそもそも日証金において株式の売買が主たる営業活動であるかは疑いの余地が残る。日証金の有価証券報告書〉第一部企業情報〉第1企業の概況〉3事業の内容の項には、有価証券の売買について一切の記載が無い。加えて、日証金は証券金融業務の他、金商法156条の27及び証券金融会社に関する内閣府令第1条の4に規定される兼業業務を行うことが認められているが、いずれにも有価証券の売買を兼業業務として認める旨の記載がなされていない。すなわち、日証金が行う有価証券の売買はその他の業務に付随した業務でしかなく、主たる営業活動と主張する根拠に欠けている。

本リリースの監修について
本リリースに含まれる会計に関連したSCの見解については、上場企業の会計監査業務に従事した豊富な経験を持つ公認会計士2名(大手監査法人において約8年の大手上場企業を対象とした会計監査業務に従事した経験を有する会計士及び準大手監査法人において約15年の上場企業を含む法人を対象とした会計監査業務に従事した経験を有する会計士によって構成されています。なお、各監査法人の前身となった監査法人における経験を合算して記載しています。)の監修を受け、その記載内容が正当である旨の確認を受けております。なお、2名の会計士はSCから本リリースの監修依頼を受けるまでの間、SC及びSC役職員と一切の取引関係はありませんでした。

                                                 以上
     

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