「あの会社の年収は高い?」を調べると、求人サイト・口コミサイト・まとめ記事で数字がバラバラ——そんな経験はないでしょうか。年収白書が掲載する平均年収は、有価証券報告書(有報)の「平均年間給与」という一次情報に統一しています。この記事では、その数字の正しい読み方を整理します。
平均年収=有報の「平均年間給与」
上場企業は毎年、金融庁のEDINETに有価証券報告書を提出します。その「従業員の状況」に記載されるのが平均年間給与で、賞与・基準外賃金を含む、提出会社(単体)の従業員の平均です。年収白書はこの数字をそのまま掲載し、推計や口コミは一切混ぜていません。だから全上場企業の年収ランキングも、同じ条件で横並び比較できます。
口コミ・求人の数字と何が違う?
- 口コミサイト:投稿者の自己申告。職種や年代に偏りがあり、母集団が不明
- 求人票:募集時の想定額(モデル年収)。実際の支給平均とは別物
- 有報の平均年間給与:全従業員を対象にした実績の平均。会社が公的に開示した確定値
つまり年収白書の数字は「その会社が実際に払った給与の平均」です。一方で、次に挙げる限界も理解しておくと、誤読を避けられます。
わからないこと(数字の限界)
- 社内のばらつきは見えない:有報が出すのは平均1つだけ。最高・最低・中央値といった社内分布は開示されていません。20代と50代、総合職と一般職を均した1つの数字です
- 連結ではなく単体:持株会社(ホールディングス)では本社少数の数値になり、グループ全体の実態と離れることがあります。各企業ページではこの点に注記を表示しています
- 職種別ではない:エンジニア・営業など職種ごとの年収はわかりません
社内の分布が見えない代わりに、年収白書では業種内での位置づけ(同業他社の中で何位か、業種の最高・中央値・最低)を各企業ページに用意しています。「トヨタ自動車は輸送用機器の中で何位か」のように、会社間の比較で実力感をつかめます。
使いこなしのヒント
- 気になる会社は社名・証券コードで検索。推移チャートで年収が伸びているかも確認できます
- 業界水準を知りたいときは業種から探す。例えば情報・通信業や銀行業で水準が大きく違います
- 「いくらもらえる会社が多いのか」は年収帯から探すが便利です
数字の出どころと限界を押さえれば、年収データはぐっと使いやすくなります。年収白書は有報の一次情報だけで、上場企業の平均年収をフェアに比較できる場所を目指しています。データの詳しい集計方法はデータについてをご覧ください。