「日本証券金融株式会社の執行役に対する不当利得の返還を求める訴え提起の請求」及び「天下りの実態調査を求める株主提案に対する取締役会意見への反論について」

株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース

詳細は特設ウェブサイト(https://stracap.jp/proposal-for-JSF-from-sc-2022/)をご覧ください。

 弊社及び弊社と投資一任契約を締結するファンド(以下総称して「弊社」といいます。)は日本証券金融株式会社(以下「日証金」といいます。)の株主です。

執行役に対する不当利得の返還を求める訴え提起の請求
不適切な会計処理
 日証金は、金融商品取引法に従い、財務諸表等規則及び証券金融会社に関する内閣府令の定めるところにより事業報告書を作成・提出する義務を負います。そして、有価証券報告書にも同じ財務諸表を掲載しています。
 しかし、日証金は金融商品取引法及び内閣府令に反し、本来であれば営業外収益又は特別利益に計上すべき有価証券の売却益を営業収益に計上する等、長年に亘り不適切な会計処理を行っています。また、有価証券の売却益の中でも、その他有価証券に区分される株式の売却益約7億3900万円(2021年3月期)及び13億4400万円(2022年3月期)のほとんどは、株式会社日本取引所グループ株式の売却益であって、営業収益ではなく特別利益に計上すべきものでありました。
 従って、本来、特別利益に計上すべきであった投資有価証券の売却益が営業収益に計上された結果、適切な会計処理がなされた場合に比べて経常利益が不当に高い金額となっているものと考えられます。

執行役に対する過剰な報酬の支給
 日証金の執行役の役員賞与及び業績連動報酬(以下「業績連動報酬等」といいます。)は、同社の最終利益ではなく経常利益の金額を主な基準に算定されるところ、上記の不適切な会計処理によって、日証金の執行役に対して本来支給されるべき適正な額よりも高い金額の業績連動報酬等が支給されており、過剰に支給された業績連動報酬等については、法律上の根拠が欠けていることになります。
 なお、2022年3月期に執行役に対して支払われた業績連動報酬等の総額は約1億400万円となります。

不当利得返還訴訟の提起請求
 そこで、弊社は日証金の監査委員に対し、2023年1月18日付の書面により、各執行役に対して過剰に支払われた業績連動報酬等について、不当利得の返還を求める訴えを提起するよう請求し、同書面は同月19日に日証金に到達しました。

天下りの実態調査を求める株主提案に対する取締役会意見への反論
弊社による天下りの実態調査を求める株主提案
 弊社が日証金に対し開催を要請し、弊社が提案した議案が審議される臨時株主総会は、2月7日に開催されます。弊社が提案した議案は、日本銀行、財務省及び東京証券取引所から天下りを行った日証金の現任の役員4名について、役員候補となった経緯等を調査する調査者3名を選任することです。

日証金の取締役会意見と弊社の反論
取締役・執行役選任プロセスについて
日証金
昨年度から役員選任プロセスを改善しているため、過去の役員選任の経緯について調査する必要が無い。
弊社
仮に役員選任プロセスが昨年度から適切に改善されたとしても、社長を含む現役員が選任された経緯は依然として不透明であり、調査に反対する理由にはならない。

日証金
役員には公共的役割と証券・金融業務に関する知見が求められるが、証券・金融業務の重要性が高まっているため、社長の後継者候補には公共部門出身者を含めない。しかし、公共的役割の重要性には変化が無いため、執行役の候補には公共部門出身者を引き続き含め、人物本位で選任する。
弊社
日証金の株主価値向上に資する人物であれば、社長を含め出自を問わず選任するのが人物本位の役員選任であり、完全に破綻した主張である。このような主張は、日証金による上記「役員選任プロセスの改善」が、天下りへの批判を免れるための上辺だけのものに過ぎないことを示唆している。

実績・成果について
日証金
ROEは着実に上昇している上、株主総利回りも近年堅調に推移している。役員は就任後の成果をもって評価されるべきで、就任の経緯を問題とする必要がない。
弊社
上場企業の最低ラインはROE8%/PBR1倍が望まれるのに対して、日証金のROE4%/PBR0.6倍は成果として誇示できる水準ではない。

プライバシー保護について
日証金
過去の候補者についてのプライバシー情報等の守秘性の高い情報が調査を経て公表されれば、人材確保が困難となり企業価値の向上にとって障害となる。
弊社
非現実的な想定に基づく反論であり、守秘性の高いプライバシー情報が調査報告書に記載されることはない。

他社事例との比較について
日証金
他社では法令違反の疑いが調査者の選任理由だったが、日証金は役員選任プロセスにおいて法令違反等が無いことを確認しているため、調査の必要はない
弊社
東芝など、会社による調査結果と第三者機関による調査結果が異なる事例は散見され、日証金による調査結果は調査の必要性を否定しない。なお、会社法316条の調査は、法令違反の疑いがある場合に限られるものではない。

                                                 以上
 

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