美術館向け専用商品「ART PROTECT」の開発 ~文化・芸術活動支援を通じたWellbeingな社会の実現~

損害保険ジャパン株式会社のプレスリリース

損害保険ジャパン株式会社(取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)は、文化・芸術活動を通じて損保ジャパンのブランドスローガンである「Innovation for Wellbeing」の実現にむけた一環として、新たに3つの取組みを開始します。

1.背景・経緯
 損保ジャパンは、戦前から陶芸家・北大路魯山人や画家・東郷青児など数多くの芸術家への支援に始まり、1976年の美術館の開館、ゴッホの《ひまわり》の購入・展示、人形劇場「ひまわりホール」(損保ジャパン名古屋ビル)の運営などを通じて、文化・芸術活動を継続的に支援するとともに文化・芸術を身近に感じる機会の提供に取り組んできました。
 文化庁の「多様なニーズに対応した美術館・博物館のマネジメント改革のためのガイドライン※1」によると、美術館は、文化芸術資材の収集、保管、展示、調査研究、教育普及等といった従来の役割・機能を前提としつつ、あらゆる人々が地域社会における質の高い心豊かな生活が享受できる文化芸術に関する取組みが行われるよう、関連分野と緊密に連携しながら総合的に推進することが求められています。
 一方で「持続的な博物館経営に関する調査※2」によると、2015年の博物館1館あたりの公費はピーク時である1993年の約3分の1と大幅に減少しており、厳しい経営状況が続いています。
 損保ジャパンでは、このような美術館・博物館を取り巻く環境をふまえて、Wellbeingな社会の実現のために「Innovation for Wellbeing」の一環として、2022年10月から新たに3つの取組みを開始することにしました。

2.取組内容
(1)美術館向け専用商品「ART PROTECTの提供
 これまで美術館の収蔵作品に対する保険は、美術館の厳しい経営状況もあり加入が進んでいませんでした。しかしながら、平成28年の熊本地震では被災した動産文化財3.7万点が文化財レスキュー事業で救出され、令和元年の東日本台風では美術館収蔵庫の浸水により約22.9万点の収蔵作品が浸水するなど、地震・水害等に起因する大規模損害が発生しており、美術館が単独の修復予算で運営を続けることは困難であることが浮き彫りになりました。
 損保ジャパンは、「美術作品は1点もの。大切な作品を守るための保険」をコンセプトに、美術館にとって合理的な保険料と地震危険も補償する充実した補償内容であり、作品の評価額算出が不要でご加入いただける、国内初(当社調べ)の美術館向けの専用保険「ART PROTECT」を開発しました。全国約1,100館の美術館(登録博物館・博物館相当施設のみの数字)の収蔵作品を守り、あらゆる人々の鑑賞機会を守ることに貢献していきます。
 ① 補償内容
  収蔵作品に対して、経済的な損失ではなく、修復費用のみに補償を限定する一方で、美術館内に限らず美術館外への輸送中(貸出中は除きます)の事故、地震・水災・火災に起因する事故、自館での常設展における展示作業中の事故も補償します。
 ② オーダーメイド型商品
  収蔵作品リスト(評価額不要)やファシリティレポート※3等をご提出いただき、美術館ごとにオーダーメイドで保険設計をします。

<イメージ図>

(2)ローンアグリーメント相談による展覧会の開催支援サービス提供
 海外から美術品を借り受けて行う展覧会は年間約200展以上あり、国民の鑑賞機会の拡大と海外の文化・芸術の学びに寄与しています。通常、海外から美術品を借り受ける際は、借用先との間でローンアグリーメント(貸出契約書)の締結が必要となります。借用先ごとに書式が異なるため、1つ1つのローンアグリーメントの精査が必要ですが、展覧会特有の保険に関する専門的な内容を多く含んでいるため、美術館の学芸員にとっては理解するのが難解なケースもありました。
 さらに、学芸業務と事務管理業務の兼務の増加により、学芸員が学芸業務に専念できずに、事務・管理業務を行う必要が出てきており、より一層、ローンアグリーメント上の保険に関する内容の確認は、海外の美術品を借用する際の支障となっていました。
 損保ジャパンは、Wellbeingな社会の実現のため美術館の学芸員の負担軽減および海外からのさらなる美術品借用につながる「ローンアグリーメント相談による展覧会の開催支援サービス」の提供を開始します。
<サービス内容>
 ・ローンアグリーメント無料相談受付※4
 ・ローンアグリーメントに即した保険見積および証券見本の作成支援
 ・対象先:地方自治体との包括連携協定等に基づく地方美術館
<イメージ図>

3)SOMPO美術館による美術品の貸し出しを通じた地方美術展開催支援
 SOMPO美術財団では、約330点の絵画をはじめ約620点の美術作品を収蔵しており、これまでも、個別の展覧会において作品の貸出を行ってきました。今後、より多くの方に鑑賞いただく機会を提供することを目的に、東郷青児の収蔵作品の貸出をパッケージ化し、全国の美術館が借りやすい仕組みを提供します。

今後の展開ついて
 損保ジャパンは、「”安心・安全・健康のテーマパーク”により、あらゆる人が自分らしい人生を健康で豊かに楽しむことのできる社会を実現する」という「SOMPOのパーパス」実現に向けて、新たな価値創造を加速していくとともに、今後も「Innovation for Wellbeing」の実現に向け、地域の文化振興に貢献していきます。

※1 「多様なニーズに対応した美術館・博物館のマネジメント改革のためのガイドライン」
 URL:https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shien/pdf/r1389426_01.pdf
※2 「持続的な博物館経営に関する調査」
 URL:https://www.mizuho-rt.co.jp/publication/mhri/sl_info/working_papers/pdf/report20190401.pdf

※3 ファシリティレポート
 施設の状況報告書

※4 保険に関する事項に限ります。

以上

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。