レベニュー·ベースド·ファイナンスプラットフォームを運営する株式会社Yoiiへの出資を決定

東大IPCのプレスリリース

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社は、東京大学関連ベンチャーで、「起業家の野心によりそう」をビジョンに掲げ、未来査定型資金調達プラットフォーム「Yoii Fuel」の開発と運営を行う株式会社Yoiiに対して5,100万円の出資を決定しました。今回の出資は、One Capital、インクルージョン・ジャパン、三菱UFJ信託銀行、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合、Plug and Play Japanとの共同投資となります。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長:大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営するオープンイノベーション推進1号投資事業有限責任組合(以下「AOI1号ファンド」)は、レベニュー·ベースド·ファイナンスプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営する株式会社Yoii(読み方「ヨイ」、以下「Yoii」、本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:宇野雅晴)に対して5,100万円の出資を行うことを決定しました。

今回Yoiiへの投資は、One Capital株式会社(本社:東京都港区、代表取締役CEO:浅田慎二)、インクルージョン·ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役:服部結花)、三菱UFJ信託銀行株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:長島巌)、農林中金イノベーション投資事業有限責任組合、Plug and Play Japan株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 :ヴィンセント・フィリップ)との共同出資となります。
 

デットでもエクイティでもない新たな資金調達「レベニュー·ベースド·ファイナンス」

スタートアップの資金調達は、エクイティファイナンス(株式による調達)によるものが主流です。しかし、エクイティファイナンスは希薄化が生じるため、慎重になる起業家も少なくありません。一方、デットファイナンスは起業家の個人保証や担保を求められるケースもあり、起業家にとっては敷居が高い側面もあります。  

Yoiiは、「挑戦しようとしているスタートアップに資金が行き渡っていない」「価値を見出されていないスタートアップが多すぎる」という課題を解決するために、柔軟な資金提供を行う方法として、レベニュー·ベースド·ファイナンス(以下、RBF)に着目し、金融×ブロックチェーンの経験を積んだ宇野雅晴氏(共同創業者)と大森亮氏(同左)が「起業家の野心によりそう」を目的として、レベニュー·ベースド·ファイナンスプラットフォーム「Yoii Fuel」の開発を行いました。
 

SaaS起業家に新しい資金調達手段を提供する「Yoii Fuel」

Allied Market Researchの調査(※)によると、世界のRBF市場規模は2019年に$901M(約901億円、1ドル=100円換算)に達しました。そこから急拡大を続け、27年には$42.3B(約4.2兆円)まで拡大すると予想されています。海外ではCapchase(累計調達額:約950億円)やClearco(累計調達額:約682億円)、pipe(累計調達額:約316億円)をはじめとするビッグプレイヤーが市場を牽引。エクイティやデットによる調達を補完する役割として、今後は国内でもRBFへの注目が高まっていくと考えられます。

RBFは、SaaSやD2Cをはじめとするサブスクリプション企業が将来債権を譲渡することで、「いま必要な成長資金」を確保できる資金調達手法です。希薄化が生じず、また個人保証や担保も不要で、柔軟かつスピーディーに資金調達が可能です。

Yoiiが運営するRBFプラットフォーム「Yoii Fuel」は、主にSaaS / D2C企業が利用しており、22年4月に正式版をリリースしました。これまで数十社のスタートアップに活用されています。freeeをはじめとする財務データと連携するだけで、売上実績から将来発生する売上を予測し、将来の売上を買い取る形で、いま必要な資金を提供しています。現在は主に広告宣伝費やブリッジファイナンスを目的とした資金調達手法として活用されています。

支払い方法は「固定型」で、売上の増減に関わらず毎月一定額の支払いが発生します。売上高が減少した月は、売上に対する支払いのインパクトが大きくなる一方、売上高が増加した場合はその逆となります。今回の資金調達により、毎月売上高が増加していくサブスクリプションビジネスを運営する企業や急成長中のスタートアップ等に、よりフィットしたサービスを目指します。

東大IPCは、国内のイノベーションプラットフォーム発展において、資金調達における多様な選択肢があることは極めて重要だと考え、欧米で市場が急拡大しているRBFにも注目していました。グローバルなスタートアップで経営経験を積んだ宇野雅晴氏と東京大学大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻修了の大森亮氏が共同創業したYoiiの開発力、そして三菱UFJ信託銀行株式会社など大手金融機関との提携期待を高く評価し、資金調達手法のイノベーションを通じて日本の幅広いスタートアップへ貢献すべく、Yoiiへの投資実行に至りました。

(※) Allied Market Research, Jan 2021
https://www.alliedmarketresearch.com/revenue-based-financing-market-A07537
 

Yoii 代表取締役CEO 宇野 雅晴 コメント

約1年ほど前に水本さんにお声かけいただき状況を共有させていただくなかで今回の出資に繋がりました。Deeptechと呼ばれる研究開発系のスタートアップに出資されることが多い東大IPCですが、お話させていただくとFintechに対する造詣も深いことが分かります。RBFの理解のために海外プレイヤーに直接インタビューして理解を深めるという実働の姿勢を素晴らしいと感じたことも記憶しています。

東大IPCとRBFを提供する弊社では、一見領域の重なりが薄く見えるかもしれませんが中長期のパートナーとして今後共に新しいものを生み出すことを画策しておりますのでご期待ください!
 

東京大学協創プラットフォーム開発 パートナー兼CIO 水本尚宏 コメント

社名が象徴しているように、東大IPCの活動目標はイノベーションプラットフォームを発展させることです。ベンチャーキャピタルはこの一翼を担っておりますが、投資対象は急成長かつ市場の大きいスタートアップに限られます。しかし、市場規模は小さいが社会的に重要なもの、社会実装に20年かかるもの等、イノベーションには様々な形があります。このため欧米で発展しているRBFに注目し、宇野さんにコンタクトしたことが今回の発表に繋がりました。Yoiiを通じ、同社サービスを利用する全てのスタートアップに貢献できれば幸いです。

 

日本のオープンイノベーション活動の発展寄与を目指すAOI1号ファンド

AOI1号ファンドは、東京大学周辺でのオープンイノベーション活動の推進を目的とし、「企業とアカデミアとの連携によるベンチャーの育成・投資」というコンセプトで2020年に組成されました。本ファンドでは、各業界のリーディングカンパニーと連携した新会社設立やカーブアウトベンチャー、および事業会社と連携したプレシード育成投資を通じ、新たな分野におけるオープンイノベーションの成功事例創出を目指します。

東大IPC は、今後も、東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展およびそれを通じた世界のイノベーションを加速するため、ベンチャーキャピタルやオープンイノベーションを推進する企業との様々な連携を通じ、アカデミアの生み出す学術・研究成果を活用するベンチャーの創出、育成および投資を進めていきます。

【株式会社Yoiiについて】
社 名  株式会社Yoii
本 社  東京都渋谷区松濤1丁目
資本金  307,691,850円
代表者  代表取締役CEO 宇野 雅晴
URL         https://yoii.jp/
 

【東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について】
概 要  東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設 立  2016年1月
株 主  国立大学法人東京大学(100%)
所在地  東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者  代表取締役社長 大泉克彦
URL      https://www.utokyo-ipc.co.jp/

 

 

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