損害保険ジャパン株式会社のプレスリリース
損害保険ジャパン株式会社
SOMPOリスクマネジメント株式会社
【国内初】「ビジネスと人権」に関する企業向けソリューションの提供 ~人権デュー・ディリジェンスに関するサービス・保険の展開~
損害保険ジャパン株式会社(代表取締役社長:白川 儀一、以下「損保ジャパン」)とSOMPOリスクマネジメント株式会社(代表取締役社長:桜井 淳一、以下「SOMPOリスク」)および株式会社オウルズコンサルティンググループ(代表取締役CEO:羽生田 慶介、以下「オウルズ」)は人権リスクに関する各種サービスに係る業務提携契約を締結いたしましたのでお知らせします。
本業務提携契約の下、SOMPOリスクとオウルズは、企業の人権デュー・ディリジェンス対応を支援する各種サービスの提供で連携いたします。また、損保ジャパンは、国内初となる人権侵害被害者を救済するための費用を補償する保険を提供いたします。
1.背景
2011年に国連人権理事会で「ビジネスと人権に関する指導原則」が承認されたことや、2015年に国連において「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されたこと、また、同年に英国で強制労働等の現代の奴隷制を防止する法律「現代奴隷法」が制定されるなど、法制化や人権侵害排除に向けた取組みが世界中で進められています。
国内においては、2020年に「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020~2025)」が策定され、2022年3月には「サプライチェーンから人権侵害を排除する人権デュー・ディリジェンスの企業向け指針」策定に向けて、産官学有識者で構成される検討会が経済産業省内に設置されました。
全ての企業がセクハラやパワハラ等のハラスメントや不当な差別の防止に努め、人権を尊重する仕組みを構築することが求められ、特にグローバル・サプライチェーンに携わる企業の場合、事業を行う国内法はもとより、国際的な基準にも準拠した事業展開を行い、強制労働や児童労働等に加担することなく、人権尊重の責任を果たしながら事業活動を行うことが強く求められています。
一方で、2021年11月に経済産業省が集計結果を公表した「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査※1」では、上場企業の人権リスクに対する取組みが進んでいないことが判明しています。
※1 「日本企業のサプライチェーンにおける人権に関する取組状況のアンケート調査」の概要
・調査期間 :2021年9月3日~10月14日
・調査対象 :2021年8月末時点での東証一部・二部上場企業等
・対象企業数:対象企業数2786社 / 回答企業数:回答企業数760社
・人権デュー・ディリジェンスを実施していると回答した企業数:392社(対象企業の14%・回答企業の52%)
2.経緯
SOMPOグループは、SOMPOのパーパス実現への取組みの一環として、リスクマネジメント事業を担うSOMPOリスクによる人権デュー・ディリジェンスのための人権に関する課題の洗い出しや人権方針の策定、人権影響評価支援、対策・改善アドバイザリー支援といったサービスを提供しています。
オウルズは、戦略コンサルティングの豊富な経験や政府機関、NPO・NGOとのネットワークを生かし、官民のルール形成や人権・サステナビリティ分野をはじめとする社会課題解決型コンサルティングに注力するプロフェッショナル・ファームです。労働・人権分野の国際認証「SA8000」の基礎監査人コースを修了したコンサルタントを多数擁し、国際ローファームとも連携しながら、人権デュー・ディリジェンスをはじめとする企業の「ビジネスと人権」への取り組みを広く支援しています。
今後、人権に関する社会課題や大きく変化する社会情勢をそれぞれが協力し合うことで的確に捉え、社会にソリューションを提供していくことを目的とし、業務提携の合意に至りました。
3.取組内容
損保ジャパンは全国にある拠点において、日々、お客さまに各種ご提案を行っています。今般、サプライチェーンに関する人権の課題においても他のリスクと同様にお客さまの窓口となり、ご要望に合致した情報提供・提案を行います。
また、SOMPOリスクとオウルズは連携し、お客さまのご要望に応じて、人権デュー・ディリジェンス実施支援等の「ビジネスと人権」に関する各種サービスを提供していきます。
オウルズは、人権デュー・ディリジェンスに加え、サプライチェーン上の人権課題への対応に向けて必要となる経営陣との対話や啓蒙、マテリアリティ特定を含む経営戦略・サステナビリティ戦略の策定などのサービスにも強みを持ちます。あわせて、同社の特徴であるNPO・NGOとのネットワークや、アジアのローファームとの連携等の強みを活かし、SOMPOリスクと連携してお客さまの人権を尊重する経営の実践を支援していきます。
さらに、損保ジャパンでは、お客さまによる人権を尊重する経営の実践後に、不測の人権侵害事案(強制労働、児童労働)が国内外のサプライチェーン上で発生してしまった場合に、当該事案における被害者の早期の救済を行うためにかかる費用を補償する保険を提供します。具体的な補償内容は、人権問題の原因等調査費用、弁護士相談費用、被害者救済コンサルティング費用、その他被害者救済のために必要な費用等です。
<提携の概要図>
4.今後について
損保ジャパン、SOMPOリスク、オウルズは、本提携に基づき、ビジネスと人権に関する課題の世界各国の潮流やコーポレートガバナンス・コード、各業界団体の動向を鑑み、全てのお客さまに対し寄り添うことのできるソリューションの検討を継続して行っていきます。また、あらゆる企業において広く人権を尊重する経営を実践していただけるよう、セミナー等を通し周知活動を行っていく予定です。
【参考情報】
〇オウルズについて
(1)会社名 :株式会社オウルズコンサルティンググループ
(2)事業内容 :経営・戦略コンサルティング、政策・渉外アドバイザリー、
ソーシャルセクター(NPO・NGO等)支援、
各種セミナー・研修・講演の開催 等
(3)設立年月 :2020年5月
(4)本社所在地:東京都港区元麻布3-1-6
(5)代表者 :代表取締役CEO 羽生田 慶介
(6)URL :https://www.owls-cg.com/ 以上