片倉工業株式会社に対する公開買付けに対する意見の表明

株式会社鹿児島東インド会社のプレスリリース

株式会社鹿児島東インド会社(以下「当社」といいます。)は、本日現在、直接又はグループ会社と共同で片倉工業株式会社(証券コード:3001、以下「片倉工業」といいます。)の株式を3,899,631株保有しております。

片倉工業に関しては、2021年11月8日付で、片倉工業の取締役会長及び代表取締役社長が出資する株式会社かたくら(以下「買付者」といいます。)が1株2,150円(以下「本公開買付価格」といいます。)で公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施し、その後片倉工業を非公開化する旨が公表され、片倉工業においても、これに賛同するとともに、株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を公表しております。
当社は、本公開買付けに関して片倉工業が公表した内容及びその後の市場株価その他の市況等に鑑みても、本公開買付価格は、片倉工業の資産価値を十分に反映しておらず、十分な少数株主利益の保護が図られていないものと強く懸念しております。

まず、片倉工業が保有する不動産の時価を考慮した場合、本公開買付価格は著しく低廉であり、少数株主の利益に反するものです。
すなわち、片倉工業が2021年3月30日付で提出した第112期有価証券報告書において、賃貸等不動産の期末時価は127,791百万円とされております。これに対し、片倉工業の2021年9月30日時点の発行済株式総数(35,215,000株)から同日時点の自己株式数(1,907,422株)を控除した数である33,307,578株に、本公開買付価格である2,150円を乗じた額は、わずか71,611百万円となります。
もちろん片倉工業の時価ベースの資産価値相当額を正確に試算するためにはより詳細を分析する必要がありますが、当社といたしましては、上記にお示ししたように、本公開買付価格は、片倉工業の保有資産の時価を考慮したとき、ただちに理解するのが難しいほど低廉な価格で設定されている可能性が高いものと考えております。
本公開買付けの公表以降、片倉工業の市場株価は本公開買付価格を上回って推移しており、これは、多くの少数株主が本公開買付価格が非常に低廉であると認識していることの証左であると考えております。

また、当社は、本公開買付けは、片倉工業の中長期的な価値向上を期待する少数株主への配慮が不足しているものと考えております。買付者が中長期的に行うものとする片倉工業の経営改革の施策(不動産事業、医薬品事業、機械関連事業、繊維事業及びその他新規事業に関する各施策)の実行にあたって、同社を非公開化する必要性はありません。片倉工業の当期純利益や営業活動によるキャッシュ・フローは着実に増加しており、健全な利益体質を維持しています。また、片倉工業の主要資産であるコクーンシティーへの投資も一段落しており、今後純資産の増加も見込まれています。買付者からは各施策の実行にあたり中長期的な損益の悪影響のリスクがあるとの説明がなされておりますが、当社としては、当該説明はリスクばかりが過度に強調されたものであり、片倉工業を非公開化する理由にはならないものと考えております。むしろ、当社は、少数株主においても、片倉工業の中長期的な企業価値向上を支援し、その果実を享受する機会が提供されるべきものと考えております。この点からも、本公開買付けは、片倉工業による中長期的な企業価値の向上を支援するため株式を保有する少数株主の利益への配慮が欠けているのではないかと懸念しております。

加えて、買付者は本公開買付けに係る決済に要する資金を、約890億円を限度とした借入によって賄うとのことですが、その借入の返済原資は片倉工業が今後中長期的に生み出すキャッシュ・フローとなることが想定されます。その結果、現在の片倉工業が持つ健全な財務体質が、実質的には約890億円もの多額の借入を背負う脆弱な財務体質へと変換され、借入の返済ばかりに追われて、本来片倉工業が行うべき企業価値の増大に向けた前向きな投資に資金が回らない可能性が生じることを懸念しております。

そのほか、本公開買付けが成立した場合には、買付者が片倉工業の株式のすべてを取得することが予定されており、一見すると株主構成が安定化するように見受けられますが、買付者自身の株主構成は、最終的には片倉工業の現経営陣・社員からなるとのことであり、経営陣・社員の構成は将来的な入れ替わりが想定されることを考えると、長期的に見れば不安定な株主構成が続くものと想定されます。また、ガバナンスの観点からも、経営陣・社員のみが株主となることで、本来株主が果たすべき適切なガバナンス効果が効き難い構造となることが懸念されます。

以上により、当社は、片倉工業の中長期の価値向上を期待する少数株主が本公開買付けによって非常に低廉な価格で排除されることを防ぐため、片倉工業の上場維持が検討されるべきと考えておりますので、本プレスリリースをもって、片倉工業の他の少数株主の皆様にも、当社の見解をお知らせいたします。
片倉工業の株主の皆様におかれましては、上記の現状を前提に、当社を含む少数株主の皆様に十分な検討期間を確保するためにも、本公開買付けへの応募をお控えいただくべきであると考えており、併せてお知らせいたします。また、当社は、必要に応じ、当社と同様の意向を有する株主様を募ることも検討するとともに、片倉工業の株式を追加で取得することも検討しております。

なお、誤解の無いように申し添えますと、現経営陣・社員の皆様が推進されようとしている経営改革に対しては全面的に支持をしております。

以上

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