株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース
各位
2019年4月22日
株式会社ストラテジックキャピタル
代表取締役 丸木強
極東貿易株式会社(東証一部:コード8093)への株主提案及び同提案に関する特集サイトの開設について
弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタルは極東貿易株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。
ファンド及び弊社は、本年4月18日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、本年4月19日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は以下の通りです。
詳細な説明は、https://proposal-for-kyokuto-from-sc.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。
記
1. 提案する議題の内容
① 資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第7章 資本コスト
(資本コストの開示)
第37条 当会社は、当会社が金融商品取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下
「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平
均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。
② 保有する株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、上記の議案1の「資本コストの開示に係る定款変更の件」が可決されなか
った場合は、第8章ではなく第7章、第38条ではなく第37条とする。
第8章 保有する株式の売却
(保有株式の売却)
第38条
1. 当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的で保有している株式は、第100期中に速やかに売却するものとする。
2. 当会社が、前項に規定する日現在、政策保有株式として保有している株式は、第100期から第102期までの3期中に速やかに売却するものとする。
③ 剰余金を処分する件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
188円から、第99回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案
(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額(以下「会社提案配当金額」
という。)を控除した金額を、会社提案配当金額に加えて配当する。
第99期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が
188円と異なる場合は冒頭の188円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、上記の普通株式1株当たりの配当金額に2019年3月31日現在の配当の対象とな
る株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
2019年6月に開催される第99回当社定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第99回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
2. 提案の理由
① 資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を大きく下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」(以下「コード」という。)において、「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである」として、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている(コードの「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」)。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
② 保有する株式の売却に係る定款変更の件
当社は、2018年3月末現在、貸借対照表計上額で15億67百万円となる3銘柄の政策保有株式を保有し、また、貸借対照表計上額で42億64百万円の株式を純投資目的で保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の株式発行企業は、当社の「仕入先であり(中略)国内外で協業体制を取って」いると説明されているが、株式を保有することと仕入れを行うなど協業体制を取ることがどう関係するのか理解できない。
さらに、当社の株主は、株式投資による利益ではなく、当社の本業での利益拡大に期待して当社の株式を保有しているのであって、純投資目的で保有する株式についても、当社がこれを保有する理由はない。
当社は、現在保有する政策保有株式及び純投資目的の株式を早期に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使うべきである。具体的には、純投資目的の株式は今期中に売却することとし、政策保有株式は売却に時間を要する可能性があることに鑑み、今期を含む今後3期以内に売却することとする。
③ 剰余金を処分する件
「提案する議題の内容③」に記載の188円とは、2019年4月15日現在最新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、会社提案の1株当たり配当金がいくらであっても、当期純利益全てを配当すること、つまり、配当性向100%を企図した提案である。
当社の自己資本比率は2018年3月末現在で44.4%、同年12月末では48.0%となっているが、これは、当社が商社を生業としていることに鑑みれば、非常に高い数値である。この高い自己資本比率を反映して、2018年3月期のROE(自己資本利益率)は6.6%と低い水準であり、2019年3月期も5.2%とさらに低い予想値となっている。さらに、当社は自己資本比率が高いのみならず、2018年12月末現在で、現預金約88億円、投資有価証券約82億円、有利子負債は約40億円と、現金類似資産も十分な水準で保有している。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を増加させてもROEは減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。
なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。
以上