東京センチュリー株式会社のプレスリリース
東京センチュリー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:野上誠)は、千葉県印旛郡酒々井町で里山保全活動(以下、「里山バンク」)の実証実験を行っている株式会社椿ファーム(本社:千葉県富里市、代表取締役:椿雄次、以下「椿ファーム」)と里山バンクに関する将来的な協業を行うことについて、基本合意いたしましたので、お知らせいたします。
今後とも、パートナー企業との共創による金融・サービスを提供することにより、環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献してまいります。
椿ファームの千葉県印旛郡酒々井町の里山バンク
椿ファームは、東京都市大学環境学部環境創生学科の田中章教授(以下、田中教授)が、日本での導入を提唱する「日本版生物多様性オフセット・バンキング」である「里山バンキング」の実証実験を、千葉県印旛郡酒々井町で田中教授と共同で進めております。
里山バンキングとは、里山バンクでの環境保全活動のプラス面および開発などの経済活動によるマイナス面を、市場原理を用いてトレードオフすることでマイナス影響を相殺(オフセット)する仕組みです(※)。カーボンオフセットからさらに踏み込んだ、国際社会で通用する「生物多様性オフセット」の実現を視野に入れたものであり、CO2削減のみならず、日本の生物多様性の基盤である里山生態系の実質的な保全等を企業、行政、NGO、市民の地域連携によって推進する新しい取り組みです。
当社は、規制に縛られない自由な経営環境のもと、国内外のパートナー企業との共創による「金融×サービス×事業」を融合したビジネスモデルを展開しております。近年、脱炭素社会の実現に向けた動きが加速する中、太陽光発電事業をはじめとするCO2削減に貢献する再生可能エネルギー事業に積極的に取り組んでおります。
当社にとっては、生物多様性保全という初めての分野への参画となりますが、CO2削減に寄与するだけでなく、里山復元・保全活動を通して地域再生や持続可能な資源利用などSDGsに貢献する社会的意義の高い取り組みであるものと考えております。
今後とも、パートナー企業との共創による金融・サービスを提供することにより、環境に配慮した循環型経済社会の実現に貢献してまいります。
(※)里山バンク・里山バンキング
東京都市大学の田中章教授が提唱する、地域経済を活性化しつつ地域の生物多様性保全を実現する新しい仕組み。「里山バンク」とは、流域を基本とするまとまった面積の里山空間(里海、里地を含む二次的生態系)を確保し、生物多様性保全の効果を生物学的に定量評価しながら、生物多様性保全活動を推進するエリアおよびその主体を示す。
開発事業などの経済活動による避けられない生物多様性に対するマイナス影響を、市場原理を用いて里山バンクの保全効果とトレードオフすることで相殺(ノーネットロス)しようとする国際社会に通用する生物多様性保全の仕組み。
「里山バンキング」は、これまでコストとしか認識されてこなかった日本の生物多様性保全活動(自然保護活動、生態系保全活動、里山保全活動、希少生物種保全活動など)を推進する強力なエンジンとなるだけではなく、流域としての連続性のある広い空間を確保し保全することが可能になるため土砂流出などの防災的観点からも高い効果が期待できる。
また、里山バンキングは、各地域が美しい自然景観や貴重な生態系等の地域資源を活用しながら自立分散型の社会を形成し、地域の特性に応じた資源を補完し支え合うことにより地域の活力が最大限に発揮されることを目指すという、わが国の環境基本計画の柱となる「地域循環共生圏」を促進する仕組みとなりうる取組み。
【本件に関するお問い合わせ先】
東京センチュリー 広報IR部
tel 03-5209-6710