JCBのプレスリリース
株式会社インテージ(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:檜垣 歩、以下:インテージ)、株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下、ナウキャスト)、株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下、JCB)は、3社の資産やノウハウ・スキルを活かした、オルタナティブデータ(※1)領域における新たな分析・統計サービスの共同研究開発に関する契約(以下:「本契約」)を締結しました。
日本においても、一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会が発足するなど、オルタナティブデータ活用が注目されていますが、データの信頼性やカバレッジ、深度等を兼ね備えたサービスは少なく、サービス利用者にとって必ずしも満足のいくものではない状況です。
また、行政の現場では、EBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)の動きが本格化し、政策立案機能の高度化が期待される中で、既存のマクロ統計の限界と政策課題に対応したエビデンスデータの活用が必要とされています。
消費者ニーズの多様化に加え、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によって消費行動は大きく変容しており、従来統計やマーケティング・リサーチではインサイトが捕捉し切れないという課題が浮き彫りになっています。
こういった課題認識の下、インテージ、ナウキャスト、JCBの3社は、それぞれの強みを活かすとともに、各々のサービスではリーチし切れない領域を補完し合うような、新たな分析・統計サービスの開発について、協議を進めてまいりました。
2.本契約の内容
本契約では、個人識別ができない状態に加工した統計情報を活用して、SCI®(全国消費者パネル調査)/SCI Payment(※2)とJCB消費NOW(※3)を統計的に有意な形で結合することにより、個人の匿名性を担保したうえで、日本初の「マクロ消費動向からミクロ消費実態までを一気通貫で可視化する分析・統計サービス」を開発することを第一目的としております。このことにより、サービス利用者(お客様)は、全体消費や業種業態別消費等のマクロ動向と、その内訳である消費実態の把握が可能になることに加え、「なぜ」の部分まで踏み込んだリサーチと組み合わせることで、インサイトにリーチすることが可能となります。
<サービスイメージ> マクロ⇔ミクロを一気通貫で可視化
<利用者タイプ別の提供価値>
3.今後の展開
本契約を通じて、インテージ、ナウキャスト、JCBは、想定サービス利用者の顕在・潜在ニーズを汲み取りながら、2021年度中のサービスローンチを目標に、研究開発を進めます。
さらには、3社の資産やノウハウ・スキルの掛け合わせによるシナジーを追求し、消費者を理解する新しいリサーチ手法の開発やテストマーケティング、セールスプロモーションを実現するマーケティング・プラットフォームの構想を描き、官民を問わず幅広いお客様への「新たな価値提供」を模索し続けます。このような活動を通じて、日本ならではのデータ活用社会の実現を目指してまいります。
4. 本取り組みに関する有識者からのコメント
◯東京大学大学院経済学研究科 教授、株式会社ナウキャスト 創業者・技術顧問 渡辺努 氏
民間のデータを活用する動きは、コロナの影響もあって急速に拡大しており、消費者にとって、企業にとって、さらには政府や日銀などポリシーメーカーにとって、非常に良い動きと思います。ポストコロナでもこの動きは変わりません。
そうした中で、今回の取り組みの特徴は、インテージとJCBという2つの企業がそれぞれ蓄積してきたデータを掛け合わせるところにあります。これにより消費の様子をよりつぶさに観察できます。今回の取り組みの先には、2つのデータの統合も視野に入ってきます。
もちろん、複数の企業が持つ素性の異なるデータの統合には、技術的な難所があります。しかし、今回スタートする、ナウキャストも含めた3社による共同の研究開発体制で、データ統合の最初の事例実現に向けて大きく前進することを期待しています。
※1【オルタナティブデータとは】
主に金融領域で伝統的に使われてきた財務情報や経済統計のようなデータ(Traditional Data)に対して、これまで利活用の進んでいなかったデータのことをオルタナティブデータ(Alternative Data)と呼びます。
経済ニュース、SNS投稿、Webサイトのログ、POSデータ、位置情報データなどのビックデータがAI技術の向上により利活用が進んでいます。
※2【SCI®とは】https://www.intage.co.jp/service/platform/sci/
全国15歳~79歳の男女52,500人の消費者から、継続的に収集している日々の買い物データです。
消費者の顔を詳細に捉え、消費者を起点としたブランドマーケティングや店頭マーケティングにご活用いただけます。
【SCI Paymentとは】https://www.intage.co.jp/service/platform/sci/scipayment/
SCI Paymentは、SCIで聴取している日々の買い物データに加えて、買い物ごとの決済手段情報を提供するサービスです。
決済手段市場における生活者動向の把握など、データにもとづくマーケティング施策立案や施策の効果検証をサポートします。
※3【JCB消費NOWとは】https://www.jcbconsumptionnow.com/
日本発唯一の国際カードブランド運営会社であるJCBと最先端のオルタナティブデータ解析ノウハウを持つナウキャストが共同開発した、消費活動の“今”を知るための新しい指標です。日本各地のJCBグループカード会員から、約100万会員を無作為抽出することにより、属性(居住地・年代・性別)に偏りが少ないサンプルを元に、指数算出をしています。個人情報保護のため、匿名加工情報(個人識別ができない状態に加工した統計情報)を活用しており、統計情報を用いた指数算出より詳細な分析が可能です。
<企業紹介>
■株式会社インテージ https://www.intage.co.jp/
インテージは、「Create Consumer-centric Values ~ お客様企業のマーケティングに寄り添い、共に生活者の幸せを実現する」を事業ビジョンとして掲げ、さまざまな業界のお客様企業のマーケティングに寄り添うパートナーとして、共に生活者の幸せに貢献することを目指しています。生活者の暮らしや想いを理解するための情報基盤をもって、お客様企業が保有するデータをアクティベーション(活用価値を拡張)することで、生活者視点に立ったマーケティングの実現を支援してまいります。
■株式会社ナウキャスト https://nowcast.co.jp/
日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。
■株式会社ジェーシービー https://www.global.jcb/ja/
1961年に設立され、日本発唯一の国際カードブランドを運営する企業として、JCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2021年3月末現在)
プレスリリースPDF版はこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d11361-20210707-5428.pdf