株式会社ジェイ・ディー・パワー ジャパンのプレスリリース
本調査はカリフォルニア州、中央部、フロリダ州、大西洋側中部、ニューイングランド地方、ニューヨーク州、中央北部、北西部、南東部、南西部、テキサス州の11エリアに分け、自動車保険の満足度を聴取している。
セルフサービスのコミュニケーション・チャネルにおける課題がコロナ禍における保険料払い戻しの効果を相殺
自動車保険業界は、新型コロナウイルスの感染拡大以降に走行距離が大幅に減少したことを踏まえて、2020年に180億ドル以上の自動車保険料の払い戻しを行った。本調査によると、前例のない大規模な保険料の払い戻しにもかかわらず、過去4年間、向上し続けていた総合満足度は横ばいとなった。
2021年の調査の主なポイントは以下の通り:
総合満足度の停滞
本年調査の業界平均の総合満足度スコアは835ポイント(1,000ポイント満点)で前年から変わらなかった。前年からの向上が見られないのは2017年以来の傾向である。
保険会社の的外れなコミュニケーション
「保険証券・支払方法」「保険金支払」「顧客対応」「契約内容」「保険料」のうち、「保険料」は最も顧客満足度が低いファクターであるが、前年比で最大の改善が見られた。一方「顧客対応」ファクターが大幅に低下したため、総合満足度の向上には至らなかった。特にチャットとメール機能で構成される「アシスト付きオンラインチャネル」については1年前に比べて-12ポイント低下し、コンタクトセンター(-5ポイント)、ウェブサイト(-3ポイント)、地域代理店(-1ポイント)においても低下が見られた。
コロナ禍での保険料払い戻しに対する顧客の認識によりブランドの印象が改善
2021年3月時点で、自動車保険の契約者のうち、保険会社が保険料の払い戻しを行ったことを知っている顧客はわずか52%のみに止まった。このような取り組みを認識していた顧客の間では全体的なブランドの印象が大幅に改善し、それは契約更新の意思にも反映された。
コロナ禍でテレマティクスの成長を促進
テレマティクス技術を用いて契約者の運転パターンを追跡し、安全運転や走行距離に応じて割引を適用する「利用ベース保険(UBI)」を、自動車保険契約者の3分の1以上(34%)が試してみたいと回答した。現在、16%の契約者がすでにこの技術を使用していると回答したが、これは5年前の2倍の値であり、前年比では最大の増加となった。
保険料値上げの兆候があれば、すぐに乗り換え
自動車保険契約者の約半数(45%)が、200ドル以下の節約でも自動車保険を乗り換えると回答した。また、最近、保険料の値上げによって乗り換えをした顧客のうち、57%が200ドル以下の値上げによって乗り換えたと回答した。
J.D. パワー インシュアランス・インテリジェンス部門シニアコンサルタント、ロバート・ラジアックのコメント
「本調査から、保険会社は顧客のための行動をとっているものの、それを顧客に伝える効果的なコミュニケーションが図れていないことがわかった。コロナ禍で保険会社が払い戻した保険料は業界全体の保険料総額の約7%にも相当するものであったにもかかわらず、顧客の半数は自動車保険会社がこのような取り組みを行っていたことを認識していなかった。さらに、多くの顧客の保険会社との電話、ウェブサイト、チャットなどを通したコミュニケーションに対する満足度は、過去と比較し低下していることがわかった。」
エリア別顧客満足度ランキング首位ブランド
【カリフォルニア州】Wawanesa(ワワネサ)(853ポイント)(2年連続)
【中央部】Shelter(シェルター)(856ポイント)
【フロリダ州】State Farm (ステート・ファーム)(848ポイント)
【大西洋側中部】NJM Insurance Co. (NJM)(867ポイント)
【ニューイングランド地方】Amica Mutual(アミカ)(867ポイント、9年連続)
【ニューヨーク州】State Farm (ステート・ファーム)(859ポイント、2年連続)
【中央北部】Erie Insurance(エリー)(857ポイント)
【北西部】State Farm (ステート・ファーム)(844ポイント)
【南東部】Farm Bureau Insurance – Tennessee(テネシー・ファーム・ビューロー)(883ポイント、10年連続)
【南西部】American Family (アメリカンファミリー)(850ポイント)(2年連続)
【テキサス州】Texas Farm Bureau(テキサス・ファーム・ビューロー)(850ポイント、10年連続)
《 J.D. パワー 2021年米国自動車保険顧客満足度調査℠概要》
年に1回、自動車保険契約者を対象に、契約している自動車保険に対する満足度を聴取し明らかにする調査。
今年で22回目の実施となる。
■実施期間:2021年2月~3月
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:自動車保険契約者
■調査回答者数:38,938人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価を基に1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。総合満足度を構成するファクターはアルファベット順に、「保険証券・支払方法」、「保険金支払」、「顧客対応」、「契約内容」、「保険料」となっている。
*本報道資料は、現地時間 2021年6月 15日に米国で発表されたリリースを翻訳したものです。
原文リリースはこちら
https://www.jdpower.com/business/press-releases/2021-us-auto-insurance-study
*J.D. パワーが調査結果を公表する全ての調査は、J.D. パワーが第三者機関として自主企画し実施したものです。
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J.D. パワーについて:
J.D. パワー(本社:米国ミシガン州トロイ)は消費者のインサイト、アドバイザリーサービス、データ分析における国際的なマーケティングリサーチカンパニーです。50年以上にわたり、ビッグデータやAI、アルゴリズムモデリング機能を駆使し、消費者行動を捉え、世界を牽引する企業に、ブランドや製品との顧客の相互作用に関する鋭い業界インテリジェンスを提供するパイオニアです。