大阪信用金庫のプレスリリース
- 「同一労働同一賃金」への対応について
◎「同一労働同一賃金」遅れる対応:3月までに完了46.6%
「同一労働同一賃金」について、7割が内容をほぼ理解し、中小企業の認知度は高いと思われます。しかし、非正規社員が在籍する企業(今後採用を含む)では、3月までに完了したのは46.6%に止まりました。新型コロナウイルス感染症による影響は1年以上に及び、売上の確保が最優先ということもあり、「同一労働同一賃金」への対応は遅れていると思われます。対応が遅れた企業の37.0%は、2022年以降に完了すると考えています。
◎懸念される収益圧迫:人件費上昇4割
「同一労働同一賃金」に対応することにより、人件費は「大きく上昇する」が3.4%、「ある程度上昇する」が35.7%となり、4割が上昇すると考えています。新型コロナウイルス感染症による影響で安定した売上確保が困難な現在、収益に及ぼす影響が懸念されます。
- 「デジタル化」への対応について
◎コロナが加速させるデジタル化:オンライン活用6割
デジタル化について、「すでに取り組んでいる」は26.7%、「今後、取り組む」は22.3%となり、約半数がデジタル化に前向きに取り組んでいます。取組内容は、商談時間やコストを削減し、生産性向上を図る取り組みが多く、6割を超える企業がデジタル化の効果を実感しています。
◎渇望される知識・人材:知識不足62.2%
デジタル化における課題は、「知識不足」が62.2%、「人材不足」が29.0%となり、ITソリューションやノウハウなどの知識不足が最大の課題となっています。デジタル化への取り組みは今後も加速すると考えられ、従業員の教育訓練や新たな人材の確保が必要と思われます。
中小企業では、デジタル化により業務の効率化とコスト削減を図り、同一労働同一賃金による人件費の上昇など経営環境の変化に対応するとともに、新たな価値を生み出すビジネスモデルへと発展させていくことが望まれます。
景気動向調査 特別調査の詳細は
https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202106_tokubetsu_press
をご覧ください。
◇ 調査時点:2021年6月上旬 回答企業数:769社(回答率44.5%)
調査方法:調査票郵送による調査(新型コロナウイルス感染症対策のため返信用封筒で回収)