ニューバーガー・バーマン ダイビル株式会社の株主総会に先立ち、議決権行使の方針を開示

ニューバーガー・バーマン株式会社のプレスリリース

2021年6月23日(東京)– グローバルにビジネスを展開する独立系資産運用会社であるニューバーガー・バーマン(以下、当社)は、グローバルで議決権行使の論理的根拠とその方針を事前に開示する取り組みを進めています。このたび、当社は、投資先の一社であるダイビル株式会社(証券コード:8806)が2021年6月24日に開催する第149期定時株主総会の第2号議案で提案された取締役6名選任の件に関し、代表取締役 社長執行役員の園部俊行氏(候補者番号1)の選任について、議決権の反対行使を開示することにいたしました。反対行使に至った背景および論理的根拠をご紹介いたします。

ダイビル株式会社 第149期定時株主総会
第2号議案:取締役6名選任の件のうち、園部俊行氏(候補者番号1)‐反対

 

ダイビル株式会社(以下、ダイビル)は、東京や大阪、札幌の都市部に大型オフィスビルや商業ビルを所有し、その賃貸や開発をはじめとする不動産分野の関連事業を展開しています。当社が、ダイビルの代表取締役 社長執行役員である園部俊行氏の選任に反対する理由は、同社の株主資本利益率(ROE)が5年平均で4.8%と継続的に低水準で推移しており、持続的な企業価値向上に向けた具体的な戦略が不透明でありながら、ROEを構成する収益率と資本効率の抜本的な改善策が不十分と判断するためです。

 

ダイビルは、大都市の中心部で好立地にある大型オフィスビルを保有しており、安定した賃貸事業の成長を目指してきました。今後、同社が賃貸収入を中長期的に拡大していくためには、継続的な不動産の取得と開発が不可欠と当社は考えています。しかし、ダイビルの不動産投資計画は前中期経営計画から大幅な未達が続いており、実施中の現中期経営計画においても、前中期経営計画と類似する投資計画の遅れが生じています。その結果として、中長期的に不動産収入が伸び悩むリスクが顕在化するなか、短期的には新型コロナウィルス感染拡大がもたらす賃料へのマイナスの影響も予想されるため、ROEを構成する収益率に関して持続的な改善が不透明な状況であると、当社は考えています。

 

さらに、ROEを構成するもう一つの重要な要素である資産効率に関しては、同社特有の構造的な課題が継続しています。ダイビルは、賃貸事業を展開する不動産の大部分を自社のバランスシートで保有しているため、同社の時価総額の3倍以上に相当する約5,800億円の賃貸等不動産資産が同社の資産効率を大きく圧迫しています。こうした状況を踏まえ、ダイビルは5月に開かれた決算説明会において、2022年を最終年度とする現中期経営計画の目標値を下方修正する可能性についても言及されています。

当社は、企業の長期的且つ持続的な成長には、効率的な資本の活用と企業経営における資本政策に関する開示が必要であると考えています。コーポレートガバナンス・コードもこの点を重視しており、取締役会等の責務として以下の基本原則を提唱しています。

 

【基本原則4】
上場会社の取締役会は、株主に対する受託者責任・説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上を促し、収益力・資本効率等の改善を図るべく、
(1)     企業戦略等の大きな方向性を示すこと
(2)     経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと
(3)     独立した客観的な立場から、経営陣(執行役及びいわゆる執行役員を含む)・取締役に対する実効性の高い監督を行うことをはじめとする役割・責務を適切に果たすべきである。
こうした役割・責務は、監査役会設置会社(その役割・責務の一部は監査役及び監査役会が担うこととなる)、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社など、いずれの機関設計を採用する場合にも、等しく適切に果たされるべきである。

 

当社は、ダイビルの経営陣に対して、上述の課題に関する建設的なエンゲージメントを継続してきました。特に、低収益率のまま放置されている資産効率の改善に関しては、問題提起にとどまらず、責任ある株主として、外部資本を活用した資産の効率的な運用や配当増額、自己株式の取得を含めた株主還元政策の見直しなど、対話を通じて改善を働きかけてきました。同社は、資本効率の改善策の一環として、2021年3月期に、同社史上初となる自社株買い(発行済株式総数のうち、1.7%相当分)および一株当たり11円50銭への増配を実施しています。当社は、これらの行動が同社経営陣の株主資本利益率や資本政策に対する意識改革につながることを期待したものの、今日に至るまで、長期的な企業価値向上に向けた抜本的な改善策は示されていません。したがって、同社の株主資本利益率の継続的な低水準と不透明な資本政策を黙認してきた園部氏の取締役選任に対して、反対の議決権を行使する判断を決定しました。

 

ニューバーガー・バーマンは、今後もダイビルの長期的な企業価値向上に資する開示の改善を促すため、同社との対話を継続してまいります。

ニューバーガー・バーマンについて
ニューバーガー・バーマンは、1939年に創業された従業員が自社株式を保有するプライベート経営の独立系資産運用会社です。株式、債券、クオンツ、マルチアセット、プライベート・アセット、不動産等の多岐にわたる資産クラスを運用し、世界中の機関投資家、アドバイザー、個人投資家に運用サービスを提供しています。世界25カ国においてビジネスを展開し、2,300名を超える従業員を擁しています。また7年連続でPensions & Investmentsによる1,000人以上の従業員を対象とした調査で「働きやすい資産運用会社」の1位または2位に選出されています。2020年、ニューバーガー・バーマンは、PRIのリーダーズ・グループに選出されました。これは、PRIが環境、社会、ガバナンス(ESG)の実践において卓越した実績をあげている署名機関を選定するものであり、選出された機関はPRI 署名機関全体の1%未満です。また、PRIが実施する最新のアセスメント・レポートにおいて、ESGインテグレーションの取り組みに対し、全資産クラスで最高評価のA+を獲得しています。2021年3月末時点における運用資産残高は4,018億ドルです。詳細につきましては、当社のウェブサイトをご覧ください。www.nb.com/japan

 

<本件に関するお問い合わせ>
ニューバーガー・バーマン株式会社 : 代表電話: 03-5218-1930  メール: info.japan@nb.com

 

※当資料は、共同して株主としての議決権その他の権利を行使すること等を呼び掛けるものではございません。

 

当資料はニューバーガー・バーマン株式会社が情報提供を目的として作成したものであり、本資料の如何なる内容も、投資、法務、会計又は税務に関するアドバイスを目的としておらず、また個別の有価証券等の勧誘等を目的とするものでもありません。当資料は、作成時点において信頼できると思われる情報に基づき作成されていますが、かかる情報(第三者からの情報を含む)のいずれについてもその公正性、正確性、信頼性、完全性および妥当性について、明示または黙示を問わず表明または保証するものではありません。当資料に含まれる意見や見通しについては作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。当資料中の見通しや意見については、必ずしもニューバーガー・バーマンとしての統一見解ではない場合があることにご注意ください。当資料に記載する商品または運用戦略が、すべての投資家に適合するものではありません。また将来の市場環境の変動等により、運用方針が変更される場合があります。過去の実績は将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。個別銘柄または企業等はあくまで説明のための例示であり、特定銘柄の売買等の推奨、または価格等の上昇や下落を示唆するものではありません。金融商品取引契約に基づきお客さまが投資する、株式、公社債、組合持分、その他のオルタナティブ資産等(ファンドを通じて投資する場合を含みます)は、国内外の経済・政治情勢、金利、発行体の業績や財務状況等の影響を受けて価格が変動する(外貨建資産に投資する場合には、為替変動リスクもあります)ため、投資元本を割り込む可能性があります。またデリバティブ取引やレバレッジを用いた取引では取引の額が保証金等の額を上回る場合があり、当該取引により生じた損失の額が証拠金の額を上回る可能性があります。当該取引の額の保証金等の額に対する比率は、取引毎の具体的な条件に応じて決定されるため、予め算出することはできません。投資一任契約に係る業務については、1.4%(年率、税抜き)を上限として投資一任契約に基づく報酬を徴収します。この投資運用報酬とは別に、かかる戦略を投資信託等の組入れにより実施する場合には、別途当該投資信託等の中での運用報酬等の諸費用が徴収されます。具体的な水準は、運用戦略、運用資産額、投資スキーム等に基づく商品の内容及び成功報酬率の徴収の有無等により商品毎または契約毎に異なり、またその他の諸条件も踏まえ個別案件毎に異なりますので、詳細を表示することはできません。その他成功報酬がこれとは別に徴収されるものもあります。さらにその他の費用として、商品の種類、スキーム等により各種費用(経費、運営費用、ファイナンス・コスト、組成費用、取引手数料等)が発生しますが、これら諸費用は運用状況および資産規模等により変動しますので、その総額や上限等についてあらかじめ記載することができません。手数料等およびリスクについては、こちらもご確認ください。

ニューバーガー・バーマン株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2094号
加入協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会、一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会

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