株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース
この度、株式会社ストラテジックキャピタル(本社:東京都渋谷区、代表取締役:丸木 強)は、本年4月26日に、文化シヤッター株式会社(東証一部:コード5930)に対し、株主提案権を行使する書面を提出し、同提案に関する特集サイトを開設したことをお知らせします。
弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタル(以下「提案株主」と総称します。)は文化シヤッター株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。
提案株主は、本年4月26日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月27日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は下記の通りです。
詳細な説明は、https://proposal-for-bunkashutter-from-sc-2021.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。
記
[1] 提案する議題の内容1.剰余金処分の件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
100円から、第75期定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額、当社定款39条に基づいて第75期定時株主総会の開催日までに2021年3月期末の剰余金の処分(処分の予定を含む)として当社取締役会が決定した普通株式1株当たりの配当金額及び2021年3月期普通株式1株当たりの中間配当金額12.5円(これらを合計したものを以下「会社配当金額」という。)を控除した金額を、会社配当金額に加えて配当する。
第75期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が100円と異なる場合は冒頭の100円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、当社の第75期定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第75期定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第75期定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。
2.当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)廃止の件
2020年6月29日開催の当社第74期定時株主総会において承認された「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下「本買収防衛策」という。)を廃止する。
3.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
第8章 資本コスト
(資本コストの開示)
第43条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。
4.政策保有目的で保有する株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、上記の議案3の「資本コストの開示に係る定款変更の件」が可決されなかった場合は、条項数を適宜修正する。
第9章 政策保有目的で保有する株式の売却
(保有株式の売却)
第44条
当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、政策保有目的で保有している株式は、第76期中に速やかに売却するものとする。
1.剰余金処分の件
「[1] 1.剰余金処分の件」に記載の100円とは、2021年4月23日現在最新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、当期純利益全てを配当金とすることを企図した提案であるが、単に2021年3月期の配当として100円の配当金を求めているのではなく、後記のように、今後の中長期的な資本政策として、配当性向100%を継続的に採用していただくことに期待した提案である。
当社の自己資本比率は2020年3月末現在で46.4%、同年12月末では47.7%となっているが、これは、当社と同じくシャッターを中心に取り扱う総合建材メーカー大手2社と比較しても、最も高い水準を維持している一方、ROE(自己資本利益率)は最も低い水準に留まっている。さらに、当社は自己資本比率が高いのみならず、2020年3月末現在で、現預金約257億円、投資有価証券約89億円に対し、有利子負債は164億円(ただし、内100億円は転換社債型新株予約権付社債で当社普通株式に転換される可能性がある)に過ぎず、現金類似資産を高水準で保有している。そのため、提案株主は、当社が有利子負債を増やすこと、すなわちレバレッジを高めることにより、ROEを高め、株主価値を向上させる施策の実行を当社に対して要望している。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を積み上げてもレバレッジは低下することから、ROEは低下するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。そして、第75期だけではなく、それ以降も当社の資本政策として配当性向100%を採用することで、中長期的にも当社が自己資本を積み上げないことを明らかにしていただきたい。
なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。
2.当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)廃止の件
当社は、2008年6月27日開催の当社第62期定時株主総会において株主から承認を得た後、3年毎にそれぞれ継続することについて承認を得るという形で、本買収防衛策を継続採用しており、2020年6月29日に開催された当社第74期定時株主総会でもその継続が諮られたが、著しく低い62.54%の賛成比率しか得られない中、2023年6月開催予定の当社第77期定時株主総会終結の時まで本買収防衛策を延長した。ただし、当社第74期定時株主総会の招集通知(以下「前年招集通知」という。)によれば、本買収防衛策は、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会または当社取締役会において廃止する旨の決議が行われた場合には、その時点で廃止されるものとされる。
本買収防衛策の継続が諮られた議案に対する賛成比率は、2014年6月開催の第68期定時株主総会では74.35%、2017年6月開催の第71期定時株主総会では69.77%、そして2020年6月開催の第74期定時株主総会では62.54%と回を重ねるごとに減少しており、これは国内外機関投資家を含む多くの当社株主からの本買収防衛策に対する批判の高まりの表れである。
また、仮に、当社が買収されることが、当社の経営陣にとって潜在的な脅威として存在するならば、買収防衛策ではなく、買収されないよう株主価値を高めることが、株主にとっては望ましく本来のあるべき姿である。当社の株価は解散価値程度の評価という低い水準であり、また、当社の過去5年平均当期純利益を過去6年平均自己資本で除したROEの5年移動平均値は、4年間継続的に低下しているのであって、当社経営陣は中期的に株主価値を毀損している状態である。当社経営陣は、株主価値向上の努力を怠り、その保身のために買収防衛策を導入しているといわざるを得ない。
さらに、株主にとってのリターンは、株価の上昇と配当しかなく、当社が前年招集通知で述べる「株主共同の利益」を高めるためには、株価と配当を高めるほかないのである。当社が前年招集通知で述べる「公開会社として、株主、投資家の皆様による当社株式の自由な売買を認める以上、大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かのご判断は、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております」という考え方に則り、速やかに本買収防衛策を廃止するべきである。
3.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値程度の評価で推移している。これは、当社のROEが投資家の求める水準(株主資本コスト)を十分に上回っていないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」の「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」では、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
したがって、当社は株主資本コストと加重平均資本コストを開示し、さらに株主を含む投資家と対話を実施して、資本コストを正しく把握したうえで経営戦略や経営計画を策定するべきである。
4.政策保有目的で保有する株式の売却に係る定款変更の件
当社は、2020年3月末現在、貸借対照表計上額(単体)で85億87百万円となる58銘柄の政策保有株式を保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の保有目的は、「事業上の関係を勘案し、同社との良好な関係の維持、強化を図るため」と説明されているが、株式を保有することと、良好な関係が維持、強化されることの因果関係が理解できない。
また、当社の2020年3月末における政策保有株式の貸借対照表計上額(単体)は、2019年3月末から約17億円減少している。2020年3月期中の、株式数の増減による純増額約4億円を加算すると20億円超の時価の変動による影響が認められる。このような影響があることを鑑みるに、財務の健全性の観点からも、政策保有株式は保有すべきでない。
そして、当社は、現在保有する政策保有株式を2022年3月期中に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使うべきである。
なお、上記の会社数値は(単体)と記載がない限りは全て連結計算書類に基づいている。
以上