株式会社ストラテジックキャピタルが株式会社ワキタへの株主提案及び同提案に関する特集サイトの開設を公表

株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース

この度、株式会社ストラテジックキャピタル(本社:東京都渋谷区、代表取締役:丸木 強)は、本年3月30日に、株式会社ワキタ(東証一部:コード8125)に対し、株主提案権を行使する書面を提出し、同提案に関する特集サイトを開設したことをお知らせします。

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタル(以下「提案株主」と総称します。)は株式会社ワキタ(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しております。

提案株主は、本年3月30日に、当社に対し、来る5月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月31日に当社への株主提案に係る書面の到達を確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は下記の通りです。

詳細な説明は、https://proposal-for-wakita-from-sc-2021.com/又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。

                         記

[1] 提案する議題の内容

1.目的の変更に係る定款変更の件
現行の定款の第2条(3)を、以下のとおり変更する。

現行定款
(目的)
第2条
(3)土地建物の売買・仲介および土地の造成建売並びに不動産の賃貸・管理。

変更案
(目的)
第2条
(3)土地建物の売買・仲介および土地の造成建売並びに不動産の管理。

付則
第1条 本定款の第2条(3)の変更は、令和4年2月末日を効力発生日とし、本条の規定は、同日をもって削除する。

2.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。

第7章 資本コストの開示及び株主との対話
(資本コストの開示)
第37条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。

3.株主との対話に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、上記の議案2の「資本コストの開示に係る定款変更の件」が可決されなかった場合は、条項数を適宜修正する。

第7章 資本コストの開示及び株主との対話
(株主との対話)
第38条 総株主の議決権の百分の三以上の議決権を保有する株主から当会社に対し、面談対象の取締役を指名して当会社の取締役との面談の要請がなされた場合は、二週間以内に、面談対象として指名された取締役が面談に応じるものとする。

4.政策保有目的で保有する株式の売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
なお、章番号と条数については、上記の議案2の「資本コストの開示に係る定款変更の件」と議案3の「株主との対話に係る定款変更の件」の両方又はいずれかが可決されなかった場合は、条項数を適宜修正する。

第8章 政策保有目的で保有する株式の売却
(保有株式の売却)
第39条 当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、政策保有目的で保有している株式は、第62期中に速やかに売却するものとする。

5.剰余金を処分する件

(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
50円から、第61回定時株主総会において可決された当社取締役会が提案した剰余金処分に係る議案(以下「会社側利益処分案」という。)に基づく普通株式1株当たり配当金額又は当社定款34条に基づいて第61回定時株主総会の開催日までに2021年3月期末の剰余金の処分(処分の予定を含む)として当社取締役会が決定した普通株式1株当たりの配当金額(以下「会社配当金額」という。)を控除した金額を、会社配当金額に加えて配当する。
第61期1株当たり当期純利益金額から小数点以下を切り捨てた金額(以下「実績EPS」という。)が50円と異なる場合は冒頭の50円を実績EPSに読み替える。
なお、配当総額は、当社の第61回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。

(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第61回定時株主総会の開催日の翌日
なお、本議案は、第61回定時株主総会に会社側利益処分案が提案された場合、同提案とは独立かつ同提案と両立するものとして、追加で提案するものである。

[2] 提案の理由

1.目的の変更に係る定款変更の件
当社は、不動産事業における賃貸用不動産として、2020年2月末現在で約566億円を保有している。提案株主の計算では、この不動産賃貸業のROIC(投下資本利益率)は2.5%、当社の加重平均資本コストは6.7%であり、ROICが加重平均資本コストを大きく下回っている。このことが、当社の株価が解散価値を大きく下回っていることの要因の一つとなっていると提案株主は判断しており、不動産賃貸業から直ちに撤退するべきであると考えられる。
そして、今期中に賃貸用不動産を売却した手取金は特別配当として来年度に株主に配分していただきたい。提案株主の計算では、以下のとおり、来年度には一株当たり994円の特別配当金を支払うことが可能となる。

{56,625百万円(賃貸等不動産時価)-16,380百万円(賃貸等不動産の時価と簿価の差額)×30.6%(実効税率)}/51,934,274株(発行済株式総数から自己株式を控除した株式数)=994円

2.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を大きく下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
東京証券取引所の有価証券上場規程別添の「コーポレートガバナンス・コード」(以下「CGコード」という。)の「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」では、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。また、加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。
しかしながら、当社は、2020年6月1日付のコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)の原則5-2の説明において、当社のROEが株主資本コストを下回っていることを自認しているにもかかわらず、この株主資本コストについては開示していないのである。
したがって、当社は株主資本コストと加重平均資本コストを開示し、さらに株主を含む投資家と対話を実施して、資本コストを正しく把握したうえで経営戦略や経営計画を策定するべきである。

3.株主との対話に係る定款変更の件
CGコードの補充原則5-1①は、株主との面談の対応者について「合理的な範囲で、経営陣幹部または取締役(社外取締役を含む)が面談に臨むことを基本とすべきである」としている。そして、当社は、CG報告書においてCGコードの原則5-1を遵守すると開示している。
また、「責任ある機関投資家」の諸原則を定めたスチュワードシップ・コードの指針4-1の注17においては、機関投資家は独立社外取締役・監査役等との間で対話を行うことが奨励されており、機関投資家として、提案株主は、社外取締役や長年当社の取締役を務めている取締役会長との対話を望んでいる。
しかしながら、提案株主との株主価値向上のための議論を踏まえ、取締役会において株主価値向上の議論を主導していただくべく、提案株主が当社の4名の社外取締役と取締役を約52年間勤めた砥石取締役会長との面談を脇田社長に対して口頭及び文書にて申し入れたところ、IR担当の常務取締役小田氏が対応するとの理由のみで、提案株主が求めたいずれの取締役との面談も、常務取締役小田氏から文書により拒否されたのである。
このような当社の取締役による面談拒否は、CG報告書における「株主さまからの貴重なご意見を事業活動の展開に役立てたいと考えております」との宣言と相反するものであり、また、機関投資家としての提案株主が果たそうとするスチュワードシップ責任を阻害するものでもある。
そこで、当社の取締役に対し、株主から要望があった際には、指名を受けた取締役が当該株主と面談することを義務付けることとする。ただし、CGコードに「合理的な範囲で」と定められていることに鑑み、当社取締役が面談の義務を負う相手方となる株主は、3%以上の議決権を保有する者に限ることとしたものである。

4.政策保有目的で保有する株式の売却に係る定款変更の件
当社は、2020年2月末現在、貸借対照表計上額で27億34百万円となる36銘柄の政策保有株式を保有している。
当社の有価証券報告書によれば、政策保有株式の保有目的は、「営業活動における取引関係の維持・強化のため」と説明されているが、株式を保有することと、取引関係が維持・強化されることの因果関係が理解できない。
当社は、現在保有する政策保有株式を今期中に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使うべきである。

5.剰余金を処分する件
「[1] 5.剰余金を処分する件」に記載の50円とは、2021年3月30日現在最新の当社予想1株当たり当期純利益の金額である。本件は、当期純利益全てを配当金とすることを企図した提案であるが、単に2021年2月期の配当として50円の配当金を求めているのではなく、後記のように、今後の中長期的な資本政策として、配当性向100%を継続的に採用していただくことに期待した提案である。
当社の自己資本比率(連結ベース)は2020年2月末現在で約69%、同年11月末では約70%となっているが、これは、当社が土木・建設機械、荷役運搬機械等の販売及び賃貸等を生業としていることに鑑みれば、非常に高い数値である。この高い自己資本比率を反映して、新型コロナウィルスの影響が織り込まれていない2020年2月期までの3期平均のROEは4.3%と低水準である。さらに、当社は自己資本比率が高いのみならず、2020年2月末現在で、現預金約175億円、有価証券約71億円、投資有価証券約36億円、賃貸用不動産約566億円に対し、有利子負債は155億円に過ぎず、現金類似資産を異常なほど高水準で保有している。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を増加させてもROEは減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価の向上につながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。そして、第61期だけではなく、それ以降も当社の資本政策として配当性向100%を採用することで、中長期的にも当社が自己資本を積み上げないことを明らかにしていただきたい。
なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。
       

 

                                                 以上

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