大阪信用金庫のプレスリリース
総合では、売上DIが-53.6(前回比+5.8ポイント)、収益DIが-51.1(前回比+9.1ポイント)となり2期連続の上昇となりました。売上DIは、小売業が16.5ポイント、運輸業が15.9ポイント、卸売業が13.6ポイント上昇しましたが、飲食業では0.6ポイントに止まりました。
2021年1-3月期は、売上DIが3.9ポイント、収益DIが7.3ポイント下落すると予想しています。中でも小売業、卸売業、サービス業では売上DIがそれぞれ13.2ポイント、12.1ポイント、7.9ポイント更に下落すると予想し、需要の回復や年末商戦で持ち直した企業もありますが、第3波の感染再拡大を受け、先行きに大きな不安を抱えています。
●設備投資限界?:「予定あり」3期連続減少
設備投資は、総合では「実施中」10.8%(前回比△0.6ポイント)、「予定あり」9.7%(前回比△0.7ポイント)で合計20.5%(前回比△1.3ポイント)となりました。特に「予定あり」は、6月期から3期連続減少(△1.4ポイント)しています。
「実施中」+「予定あり」は、建設業、卸売業ではそれぞれ21.5%、19.1%と前回から増加しましたが、製造業や小売業、サービス業では減少し、飲食業は8.3%(「実施中」ゼロ)まで落ち込みました。資金調達方法は、「全て自己資金」が45.4%を占め、小規模な設備投資が中心です。設備投資内容は、「機械等の新設・増設」や「事務所、店舗、工場等の新設・増設」が多く、ウィズ・コロナ時代を見据えた前向きな設備投資も見られます。
●ウイルスに翻弄される事業:「売上停滞減少」73.1%
経営上の問題点は、総合では「売上停滞減少」が73.1%(前回比△4.5ポイント)となり、依然、最重要課題となっています。特に製造業、飲食業ではそれぞれ84.7%、83.3%と高く、新型コロナウイルスに翻弄され苦戦が続いています。運輸業では「人手不足」、不動産業では「競争激化」が最大の問題点となるなど、業種間でバラツキが見られました。
●業績と「人材」確保のジレンマ:賞与「支給する」66.8%
冬季賞与は、66.8%(前回比+0.6%)の企業が支給しますが、支給金額は「10万円未満」が15.8%(前回比+7.9ポイント)、「20~30万円未満」が25.4%(前回比△7.9ポイント)、「10~20万円未満」が27.9%(前回比△1.6ポイント)となり、支給金額は減少しています。
飲食業や製造業は、売上DIがそれぞれ-75.7、-60.7と厳しい状況が続いていますが支給する企業は増えており、人材確保や流出防止のため、やむを得ず支給に踏み切っていると思われます。
景気動向調査 定例調査の詳細は、
https://www.osaka-shinkin.co.jp/pdf/report/202101_teirei.pdf
を覧ください。
調査時点:2020年12月上旬
対象期間:2020年10~12月期(実績) 2021年1~3月期(見通し)
対象企業:当金庫お取引先1,734社(大阪府内、尼崎市)
回答企業数:743社(回答率42.8%)(新型コロナウイルス感染症対策のため郵送で回収)
調査方法:調査票郵送および聞き取り調査