「Go Toトラベル」期間中の9月前半、「旅行」や「航空旅客」「鉄道旅客」消費が回復~9月前半の国内消費指数「JCB消費NOW」ハイライト~

株式会社Finatextホールディングスのプレスリリース

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用し、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」の9月前半(9月1日~9月15日)の速報値を更新しました。ナウキャストによる分析概要を公開します。

なお、9月前半については、以下2点の特殊要因があることにご留意ください。

①   連休(カレンダー)要因
2018年は9月15日からと22日からそれぞれ三日間、2019年は9月14日からと21日からそれぞれ三日間の連休があり、9月前半と後半に連休が分散した。対して2020年の9月は、前半は土日を除き連休がなく、後半に連休(四連休)が集中した。 

②2019年消費増税前駆け込み要因
2019年消費増税前の9月は小売・サービス業ともに駆け込み需要があったため、2020年9月前半の数値が実体よりも弱く見える可能性がある。

■9月前半・参考系列(注)ハイライト【ナウキャスト分析】

  • 1)「サービス総合」が回復する一方、日並びや昨年の増税などの影響等もあり「小売総合」が下落し、「全総合」は足踏みがつづく。

8月後半から9月前半にかけて、新型コロナウイルス新規感染者数(陽性確認者数)の増加ペースが落ち着いたことで、「サービス総合」は2か月ぶりに減少幅を縮小し、回復の兆しをみせた。一方で、「小売総合」が大きく落ち込み、「全総合」は8月前半に続き下落。消費の回復は足踏みの状態が続いている。

なお、9月前半の「小売総合」の落ち込みは、上述した①連休要因や②増税前駆け込み要因によって大幅に下落していることが考えられるため、今後動向を注視していく必要があると考えている。

※新規感染者数は、各期間中の日次合計値(全国)
参照元:厚生労働省・オープンデータ「陽性者数」https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html

 

  • 2)「旅行」が大幅に回復し、「交通」も「航空旅客」「鉄道旅客」ともに回復傾向に。「宿泊」「娯楽」は連休要因で足踏み続く。

「Go To トラベル」キャンペーン期間中、休日日数や日並びの影響はあるものの、「旅行」は緩やかな回復傾向にあり、コロナの感染拡大が落ち着いた9月前半も下げ幅を縮小した。「交通」でも、新規感染者数の減少とともに、「航空旅客」「鉄道旅客」が回復の動きがみられる。「宿泊」「娯楽」は、連休要因により回復で足踏みの状態が続いている。

  • 3)「EC」「コンテンツ配信」のデジタル消費は伸び幅が縮小するも、10%以上の高い伸び率を維持。

「EC」「コンテンツ配信」は、新規感染者数の増加が落ち着いた8月後半以降いずれも上昇幅の縮小が続いているが、依然として10%以上の強い伸びが続いており、消費者がデジタル消費を続けている傾向がうかがえる。

 

  • 4)「家電」や「家具」の耐久財消費は消費増税前の駆け込み影響で下落。ただし「家具」は消費者数増。

家電などを含む「機械器具小売業」や「家具」などの耐久財消費は、どちらも一人当たりの金額の減少が主要因となり大きく下落した形となったが、これは昨年が増税前の駆け込み需要の影響を大きく受け昨年の一人当たりの消費金額が多いためであり、今回の数値は実体よりも弱く見えていることが考えられる。

興味深いのは、そのような下落圧力の影響を受けながらも「家具」の消費者数は増えている点であり、今後も動向を注視する必要がある。

■ご参考

  • 1)「外出の自粛率」との比較

ドコモの携帯電話、約7800万台の基地局情報から推定されたリアルタイム人口分布(https://mobaku.jp/)を利用して作成された外出自粛の度合いを示す「外出の自粛率」(Stay-at-Home指標)との比較。「JCB消費NOW」のサービス支出と外出自粛の度合いの間に緊密な相関があることを示しています。

 

出所:国立情報学研究所・総合研究大学院大学 水野研究室 http://research.nii.ac.jp/~mizuno/ の「COVID-19特設サイト:外出の自粛率の見える化

各種データにご関心をお持ちの場合は、プレスリリースに記載のお問い合わせ先までご連絡ください。

データが見えづらい場合はpdfファイルをダウンロードしてご覧ください。
https://prtimes.jp/a/?f=d12138-20201002-1497.pdf

■「JCB消費NOW」 1か月間無料トライアルはこちら
https://www.jcbconsumptionnow.com/member/register
・お問合せ先
「JCB消費NOW」運営事務局
TEL:03-6272-5550

※「JCB 消費 NOW」は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用してJCB とナウキャストが算出した、現金を含む国内の消費全体を捉えた消費動向指数となります。クレジットカード決済情報そのものではございません。
※グラフ等引用される際は、出所:JCB/ナウキャスト「JCB消費NOW」と必ず記載ください。データをご活用される場合は、ナウキャストもしくはJCBにご連絡ください。
※1月後半と9月前半の比較においては、各期の前年比変化率の差異を見ているので、季節性による変化は含まれておりません。
※「EC」項目はオンライン消費のみ。「EC」以外の「業種別消費指数」はオフライン消費とオンライン消費どちらも含んでいます。※JCB消費NOWはJCBグループのカード会員様のうち、無作為に抽出した約100万人分の決済データを活用して作成しています。国内会員に絞っているためインバウンド消費を含みません。

■「JCB消費NOW」について

https://www.jcbconsumptionnow.com/
「JCB消費NOW」は、プライバシーを保護した形で加工したJCBカードの取引データを活用して、 “現金も含めた国内消費全体の実勢”を捉える消費指数を提供するサービスです。財やサービスの消費動向を示す総合消費指数や総合消費をマクロ・ミクロに分類した業種別消費指数など合計49種の指数を提供しています。性別・地域・年代といった属性別のデータも備えており、多面的に消費動向を分析することが可能です。また、データを集計して約2週間で配信するため政府等が公表する既存の消費統計と比べて速報性が大幅に向上しています。現在、国や地方行政機関をはじめ、企業のマーケティング部門、証券会社・投資銀行等の金融機関、経営コンサルティング会社、報道機関等、多岐にわたるお客様に、経済を捉える指標としてご活用いただいております。

(参考例)
・経済産業省「産業構造成長戦略部会」基礎資料(2020年5月1日)
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/seicho_senryaku/pdf/003_03_00.pdf
・首相官邸「未来投資会議資料」(2020年5月14日)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai38/siryou1.pdf 
・日本銀行「経済・物価情勢の展望」(2020年7月16日)
https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2007b.pdf
・内閣府「地域経済動向」(2020年9月7日)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/chiiki/2020/0907chiiki/gaikyou.pdf

・内閣府「月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料」(2020年9月24日)
https://www5.cao.go.jp/keizai3/getsurei/2020/09kaigi.pdf

※個人情報保護法および関連法を順守し、クレジットカードのデータはJCBにて特定の個人を識別できない・元の情報に復元できない状態に匿名加工処理を行い、ナウキャストが消費指数(統計)を作成することで、JCBカード会員皆様の個人情報・プライバシーを保護しています。※「JCB消費NOW」は、クレジットカードの取引等のデータから、現金支出を含めた国内の個人消費全体を分析するため、外れ値処理や新規入会者のバイアス除去、クレジットカードの支払いが多くなりがちな業種の補正処理などの統計化処理を行っています。

・業種別指数一覧

(注)「JCB消費NOW:参考系列」について
クレジットカードの取引等のデータから“現金も含めた消費全体の実勢”を捉える「JCB消費NOW」では、クレジットカード固有の事象を要因とした数値の偏りを防ぐため、通常、カード利用者数の増減影響を除いた形で分析し、指数を提供しています。

しかし、新型コロナの消費への影響は、商業施設や店、テーマパークの休業・休園、旅行の中止などにより、「交通」「娯楽」「宿泊」「旅行」などのレジャー関連業種、サービス業種においては、消費者の数そのものが減少していることが予想されます。そうした側面を考慮し、現在、通常とは違う「消費者の増減効果」を織り込んだ分析手法を用いた「参考系列データ」を全項目(総合、業種別)で算出しております。

※前提としてナウキャスト技術顧問・東京大学大学院経済学研究科教授の渡辺努が、通常配信系列(本系列)と参考系列の違い、及び有用性について、レポートを執筆いたしました。下記リンクよりご覧ください。
https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/jcbconsumptionnow.com/News/20200401_Nowcast_Watanabe.pdf

■株式会社ナウキャストについて

http://www.nowcast.co.jp/
ナウキャストは日本のオルタナティブデータのリーディングカンパニーであり、ビッグデータ解析により、「消費者物価指数などの経済統計のリアルタイム化」、「企業の経営戦略の見える化」を行う東京大学発のFintechベンチャー企業です。東京大学経済学研究科渡辺努研究室における『東大日次物価指数(現:日経CPINow)』プロジェクトを前身として2015年2月に設立されました。現在POSデータ、クレジットカードデータなどのオルタナティブデータサービスを幅広く展開し、国内外250社以上の金融機関、シンクタンク、政府、政府系金融機関、海外ヘッジファンド等の資産運用、経済調査業務を支援しております。

・オルタナティブデータとは
https://www.nowcast.co.jp/concept/alternativedata

 

■株式会社ジェーシービーについて

https://www.global.jcb/ja/
1961年に設立し、日本で唯一の国際カードブランドを運営する企業としてJCBカードを利用できる加盟店ネットワークを展開するとともに、アジアを中心に国内外のパートナー企業とJCBカードの発行を拡大しています。また、総合決済サービス企業の実現を目指し、お客様やパートナー企業の皆様の期待にお応えする様々な事業を展開しています。国内外で1億4千万人以上の方にJCBカードをご利用いただいています。(2020年3月末現在)

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