消費増税、新型コロナウイルス感染拡大…1年で国内消費はどう変化したのか?

JCBのプレスリリース

株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、代表取締役会長兼執行役員社長:浜川 一郎、以下:JCB)と株式会社ナウキャスト(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:辻中 仁士、以下:ナウキャスト)は、現金も含むすべての消費動向を捉えた国内消費指数「JCB消費NOW」を提供しています。
消費増税や新型コロナウイルス感染症拡大を受け、2019年7月から2020年8月の約1年間で日本国内の消費動向はどのように変化したのか、ナウキャストによる分析・ハイライトを公開します。
業界環境や経済の先行きの不透明感が高まる中、消費動向を捉える一助としてご活用いただければ幸いです。

■分析・ハイライト

〇消費増税にともなう駆け込み需要は、耐久財・半耐久財中心に増税直前(9月後半)に発生 …1)
〇増税後、11カ月間「総合消費」は前年比マイナスの状態が続く …1)
〇コロナ禍において、全世代で消費行動のデジタルシフトが進行 …3)
〇コロナ禍において、女性は男性より「居酒屋」消費を控え「酒屋」消費が増える傾向 …3)
〇新型コロナ新規感染者数(陽性確認者数)の増減は、消費動向に影響を与える …下グラフ

<「JCB消費NOW」 2019年7月前半~2020年8月後半>

※「JCB消費NOW」本系列
※コロナ新規感染者数(全国)は、各期間中の日次合計値。
参照元:厚生労働省・オープンデータ「陽性者数」https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/open-data.html

1)増税直前の9月後半、耐久財・半耐久財中心に駆け込み需要の発生を確認。増税後、「総合消費」は11カ月前年比マイナスの状態が続く。
増税前、駆け込み需要は、増税直前の9月後半(9月15日~9月30日)に発生していたことが確認できた。小売業は、「医薬品・化粧品小売業」、「織物・衣服・身の回り品小売業(アパレル)」「自動車小売業」、「機械器具小売業(家電)」、家具などを含む「その他小売業」、「EC」など耐久財・半耐久財中心に駆け込み需要がみられ、サービス業は「交通」、「娯楽」、「旅行」などで駆け込み需要がみられた。「燃料小売業」は、一人当たりの消費金額は少ないが、消費した人の数は大幅に増加しており、ガソリンの駆け込み需要が起きていることが見て取れる。
一方、軽減税率対象の飲食料品を主に販売する「スーパー」や、キャッシュレス・ポイント還元事業が実施された「コンビニエンスストア」では目立つような駆け込み需要は発生していなかった。増税後、「総合消費」は低迷しており、前年比マイナスの状態が11カ月続いている。

※「JCB消費NOW」本系列

2)まとめ買いの傾向が強まった 2月後半、ドラッグストアなどの「医薬品・化粧品小売業」は消費者数が大幅増、「スーパー」は一人当たりの消費金額が大幅増。
2月後半、マスクやトイレットペーパーが品薄状態となり大きく影響を受けた「医薬品・化粧品小売業」は、消費者の数が大きく増え、一人当たりの消費金額も多くなった。特に働く世代である20代から40代前半の消費の伸びが目立つ。また、「スーパー」は消費者数の増加に加え、一人当たりの消費金額が大幅に増加。スーパーマーケットの伸び率は性別でみると、女性よりも男性のほうが高い傾向にあり、年齢別では、30代後半から40代前半の消費の伸びが目立つ。

※「JCB消費NOW」参考系列

※「JCB消費NOW」参考系列

3)コロナ感染拡大前(1月後半)と現在(8月後半)の消費動向の比較
3-1)外出自粛やリモートワークなどコロナによる生活様式の変化で消費に明暗。コロナ禍において、全世代で消費行動のデジタルシフトを確認。
① 消費者の人数・一人当たりの消費金額の双方とも減少したことを示す左下部には、「燃料小売業」「交通」「宿泊」「娯楽」「旅行」など外出の自粛に伴って消費が押し下げられた業種が集まった。
② 数も金額も増加したことを示す右上部付近には、「コンテンツ配信」や、「機械器具小売業(家電)」、「EC」、「電気・ガス・水道」など外出自粛やリモートワークの広がりで消費が押し上げられた業種が集まった。デジタル消費の「EC」や「コンテンツ配信」はコロナ前に比べて大きく消費が伸びたが、その伸び方は、「EC」は一人当たりの消費額が増加したことに対し、「コンテンツ配信」は利用人数が増えており、違いがある。
また、新型コロナウイルス感染拡大後の2020年6月~8月と、2019年6月~8月の「EC」を年齢別に比較すると、全世代で消費行動のデジタルシフトが起きていることが見て取れる。

 

 

※「JCB消費NOW」参考系列

3-2)ミクロ業種での変化
③ ミクロ業種でもECは右上(消費者の人数も金額も増加したことを示す)に集中している。特に家電を含む「EC(機械器具)」は、一人当たりの消費金額が大きく増加しており、消費が堅調であることがうかがえる。
④「スーパー」は消費者の人数が増加しているのに対して、「コンビニ」は消費者の人数・金額が減少している。スーパーでのまとめ買いへ消費が流れた住宅街のコンビニや、オフィス街・行楽地のコンビニの消費が減少していることが考えられる。
⑤「居酒屋」と「酒屋」をみると、外出を伴う「居酒屋」は厳しい状況が続いており、男性に比べて女性の消費の伸び率が弱い。一方で「酒屋」をみると、特に女性の消費の伸び率が男性よりも強くなっている。

※「JCB消費NOW」参考系列

プレスリリース詳細はこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d11361-20200915-7252.pdf

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。