ソニー生命保険株式会社のプレスリリース
このたび、ソニー生命保険株式会社(代表取締役社長 萩本友男)は、2019 年1 月12 日~1 月16 日の5 日間、大学生までの子どもがいる20 歳以上の男女に対し、今年で6 回目(※)となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000 名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※2014 年~2016 年は「子どもの教育資金と学資保険に関する調査」として発表
- 学力と教育費 親の6 割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」と感じる
- 親の7 割弱が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」と考える
- 教育費が家計を圧迫 親の6 割半が「教育費の負担が重い」と感じる
- 「幼保無償化」今年10 月から始まる 未就学児の親の8 割半が「政府の掲げる教育無償化に賛成」
- 「夫婦間で教育方針が一致」既婚者の8 割強
- 「子どもの教育のことが原因で夫婦喧嘩をよくする」既婚者の2 割強
- 「子どもの学校生活に不安を感じる」未就学児の親の6 割半
- 「子どものネット・SNS 利用に不安を感じる」未就学児の親の7 割超
- 親の大半が子どもの進学や就活を不安視する傾向 「子どもの受験・進学に不安を感じる」母親の8 割
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7 割強
- 教育資金に不安を感じる三大理由 「必要額が不明」「収入の維持・増加に自信なし」「消費税増税」
- 小学生から社会人になるまでに教育資金はいくら必要? 平均予想金額は1,339 万円、上昇傾向一服
【子育て・教育に関する支出の実態】
- 学校外教育費年々増加 平均支出金額は15,170 円/月、中高生の平均は21,020 円/月
- 小学生の親の3 割半が「子どもの携帯・スマホ料金」に支出
- 子どものおこづかいの平均月額 小学生1,807 円 中高生5,333 円
- 子どもの進学費用のための準備 平均支出額は17,474 円/月 昨年より2,037 円増加
【大学等のための教育資金準備・学生生活にかかる費用に関する意識】
- 大学等への進学のための教育資金 親の5 割が「学資保険」で準備
- 「多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」親の8 割半
- 「多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」親の6 割、グローバル志向が多数派に
- 「子どもには自宅から通える学校を選択させたい」母親の6 割
- 「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」親の5 割半、「学業に専念してほしい」は少数派
【プログラミング教育に関する意識】
- 親の7 割弱が「プログラミング教育の導入」に対して期待
- 「プログラミング教育でIT 機器に触れる時間が増えることは良いことだと思う」親の7 割半が肯定
- 「プログラミング教育は論理的な思考力を養うために役立つと思う」親の7 割が教育効果を期待
- 「プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備を行っている」小学生の親の3 割弱
- 小学生の3 割が「子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミング」を体験済み
【子どもに目指してほしい理想の大人・就いてほしい職業ランキング2019】
- 子どもに目指してほしい“理想の大人”は「イチローさん」「大谷翔平さん」、歴史上の人物では「坂本龍馬」
- 子どもに将来就いてほしい職業 「公務員」がダントツ、女子の親では医療関係が人気
◆アンケート調査結果◆(抜粋)
- 学力と教育費 親の6 割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」と感じる
- 親の7 割弱が「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」と考える
はじめに、大学生までの子どもがいる20歳以上の男女1,000 名(全回答者)に、子どもの教育や教育費についての項目を提示し、自身の考えがどの程度あてはまるか聞きました。
まず、≪子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる≫では「あてはまる(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は64.0%となりました。子どもの学力・学歴はかけられる教育費次第だと考える親が多いようです。 (図1)
次に、≪早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ≫では「あてはまる(計)」は67.9%となり、子どもが幼いうちから物事を考える力を育てたり、子どもの才能を伸ばしたりする教育を重要だと考える親が多いことがわかりました。 (図2)
他方、≪スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい≫では「あてはまる(計)」は40.6%と半数以下となりました。子どもの将来や様々な能力開発などのために、習い事を重視する親が多い実情が明らかになりました。 (図3)
図1-3
- 「夫婦間で教育方針が一致」既婚者の8 割強
- 「子どもの教育のことが原因で夫婦喧嘩をよくする」既婚者の2 割強
続いて、配偶者がいる人(943 名)に、夫婦間の教育方針について聞きました。
まず、夫婦間で教育方針は、一致しているか、異なっているかを聞いたところ、「一致している(計)」は82.0%、「異なっている(計)」は18.0%となりました。子どもの教育に関して、基本的な考えや価値観が一致している夫婦が多いようです。 (図6)
次に、子どもの教育のことで夫婦喧嘩をするかどうかでは、「よくする(計)」は 22.3%、「全くしない計)」は77.7%となりました。
夫婦間の教育方針一致状況別に「よくする(計)」をみると、教育方針が一致している人では19.7%でしたが、教育方針が異なっている人では34.1%と高くなりました。教育に対する基本的な考えや価値観が異なる場合、子どもの教育のことで両者の感情がヒートアップし、夫婦喧嘩につながらないように気遣いが必要なようです。 (図7)
図6-7
- ◆子どもの学校生活に不安を感じる」未就学児の親の6 割半
- 「子どものネット・SNS 利用に不安を感じる」未就学児の親の7 割超
子どもの将来について、親はどのようなことに不安を感じているのでしょうか。全回答者(1,000 名)に、子どもの将来に関する項目を提示して、どの程度不安を感じるか聞きました。
まず、子どもの生活面についてみると、不安を感じている親の割合(「不安を感じる(計)」、「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は、≪学校生活≫では55.2%となりました。
子どもの就学段階別に不安を感じている親の割合をみると、未就学児の親では64.5%、小学生の親では62.5%、中高生の親では53.6%、大学生等の親では40.5%となりました。 (図8)
また、≪インターネットや SNS の利用≫では、不安を感じている親の割合は65.3%となりました。インターネットやSNS を安全に使えるか不安という親は多いようです。
子どもの就学段階別に不安を感じている親の割合をみると、未就学児の親や小学生の親で高く、未就学児の親では72.6%、小学生の親では74.6%と7 割を超えました。 (図9)
図8-9
- 親の大半が子どもの進学や就活を不安視する傾向 「子どもの受験・進学に不安を感じる」母親の8 割
次に、進路に関する項目についてみると、≪受験・進学≫(対象:子どもが高校生までの親 748 名)では、不安を感じている親の割合は75.8%、≪就職活動≫では68.7%となりました。
父母別に不安を感じている親の割合をみると、≪受験・進学≫では父親は71.9%、母親は79.7%となり、≪就職活動≫では父親は65.8%、母親は71.6%と、どちらにおいても母親のほうが不安に感じている割合は高くなりました。父親より母親のほうが子どもの進路に不安を感じているようです。
また、子どもの性別で分けて不安を感じている親の割合をみると、≪受験・進学≫では男子の親は80.2%、女子の親は71.4%となり、≪就職活動≫では男子の親は74.4%、女子の親では63.0%と、どちらも男子の親のほうが不安に感じている割合は高くなりました。 (図10)(図11)
図10-11
- 「子どもの教育資金に不安を感じる」親の7 割強
- 教育資金に不安を感じる三大理由 「必要額が不明」「収入の維持・増加に自信なし」「消費税増税」
≪教育資金≫についてみると、「非常に不安を感じる」が 26.8%、「やや不安を感じる」が45.8%で、不安を感じている親の割合(「不安を感じる(計)」)は72.6%となりました。受験・進学や就活など子どもの将来に備えるため、必要な教育資金を用意することができるか、不安を感じている親は多いようです。 (図12)
それでは、どのようなことが、教育資金に対する不安につながっているのでしょうか。
教育資金に不安を感じている人(726 名)に、子どもの教育資金に不安を感じる理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」が58.4%で最も多く、「収入の維持や増加に自信がない」が37.7%、「消費税10%への増税」が33.7%で続きました。必要な教育資金は子どもの進路や社会情勢などによって大きく変動するため、必要額を事前に計算することができず、不安に感じている親が多いようです。また、今年の10 月に予定されている消費税増税を不安の理由に挙げた親も少なくありませんでした。
子どもの就学段階別にみると、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」は就学段階が進むにつれ低くなり、未就学児の親では70.5%でしたが、大学生等の親では35.7%と未就学児の親の半分程度の割合となりました。 (図13)
図12-13
- 小学生の親の3 割半が「子どもの携帯・スマホ料金」に支出
- 子どものおこづかいの平均月額 小学生1,807 円 中高生5,333 円
また、子どもと同居している、子どもが高校生までの親(743 名)に、子どもの生活における支出のうち、こづかいや携帯・スマホの料金について聞きました。
まず、≪こづかい≫に支出している親の割合をみると、未就学児の親は16.5%、小学生の親は40.3%、中高生の親は75.7%でした。 (図18)
次に、子どもの≪携帯・スマホの通信・通話料金≫に支出している親の割合をみると、未就学児の親は16.9%、小学生の親は34.7%、中高生の親は80.2%でした。 (図19)
それでは、子どものこづかいへの支出は1 ヶ月あたりどのくらいなのでしょうか。支出している人の平均金額(月額平均)をみると、未就学児の親は601 円、小学生の親は1,807 円、中高生の親は5,333 円となりました。 (図20)
図18-20
- 子どもの進学費用のための準備 平均支出額は17,474 円/月 昨年より2,037 円増加
次に、子どもが高校生までの親、または予備校生・浪人生の親(計755 名)に対し、子どもの進学費用のための備えとして、月々いくらくらい支出をしているか聞いたところ、支出金額として「10,000 円~14,999 円」(18.9%)や「20,000 円~29,999 円」(18.4%)、「30,000 円以上」(20.1%)などに回答が集まり、1 ヶ月あたりの平均支出金額は17,474 円/月となりました。
過去の調査と比較してみると、「20,000 円~29,999 円」(2017 年13.8%→2018 年15.2%→2019 年18.4%)や「30,000 円以上」(2017 年9.9%→2018 年15.6%→2019 年20.1%)は年々上昇しており、平均支出金額をみると、2017 年12,513 円/月→2018 年15,437 円/月→2019 年17,474 円と、2 年前より4,961円、昨年より2,037 円/月の増加となりました。 (図21)
図21
- 大学等への進学のための教育資金 親の5 割が「学資保険」で準備
子どもの大学等への進学費用準備についてみてきましたが、どのような方法で準備している人が多いのでしょうか。
子どもが高校生までの親(748 名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(54.3%)と「学資保険」(50.8%)の2 つが多く、銀行預金と学資保険は、いずれも親の半数以上が利用していることがわかりました。 (図22)
続いて、大学生等の親(245 名)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(60.8%)が最も多く、「学資保険」(50.2%)が続きました。 (図23)
図22-23
- 「多少費用がかさんでも大学等へ進学させたい」親の8 割半
- 「多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたい」親の6 割、グローバル志向が多数派に
続いて、全回答者(1,000 名)に、子どもの大学等への進学に関する意識について、質問を行いました。
まず、子どもの大学等への進学費用について聞いたところ、「多少費用がかさんでも進学させたい(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は86.3%、「費用がかさむなら進学させなくてもよい(計)」は13.7%となりました。 (図24)
次に、大学等の入学金・授業料等の費用について聞いたところ、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい(計)」は77.4%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい(計)」は22.6%となりました。進路選択の際、費用よりも子どもの希望を重視している親が多いようです。 (図25)
また、海外留学や海外研修については、「多少費用がかさんでも経験させたい(計)」が59.8%、「費用がかさむなら経験させなくてもよい(計)」が40.2%で、子どもの海外経験のために出費を惜しまない親が多数派となりました。 (図26)
図24-26
- 「子どもには自宅から通える学校を選択させたい」母親の6 割
- 「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」親の5 割半、「学業に専念してほしい」は少数派
子どもの学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が45.6%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が54.4%で、自宅通学してほしいと考える親が多いことがわかりました。
父母別にみると、父親では「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が 51.4%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が48.6%と、子どもの一人暮らしや寮生活を容認する親が多数派でしたが、母親では「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい(計)」が39.8%、「自宅から通える学校を選択させたい(計)」が60.2%と、自宅から通える学校を選ばせたいと考える親が多数派となりました。 (図27)
子どもの学生時代のアルバイトについては、「アルバイトはせず学業に専念してほしい(計)」が44.9%、「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい(計)」が55.1%となり、子どもにアルバイトをしてほしいと希望する親が多いことが明らかになりました。 (図28)
図27-28
◆親の7 割弱が「プログラミング教育の導入」に対して期待
2020 年度から、小学校でのプログラミング教育が必修化され、2021 年度には中学校、2022 年度には高等学校での必修化が順次行われる予定となっています。
そこで、全回答者(1,000 名)に、子どものプログラミング教育に関する考えを聞きました。プログラミング教育の導入に対して期待と不安のどちらを感じるか聞いたところ、「期待を感じる(計)」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は66.9%、「不安を感じる(計)」は33.1%となりました。また、プログラミング教育で、子どもの将来に役立つ技術が身に付くと思うか聞いたところ、「身に付くと思う(計)」は65.1%、「身に付くと思わない(計)」は34.9%となりました。プログラミング教育に期待している親が多いようです。
(図29)(図30)
次に、自身の子どもを、将来、プログラミング技術を用いる仕事(IT 関連等)に就かせたいか聞いたところ、「就かせたいと思う(計)」は43.0%、「就かせたいと思わない(計)」は57.0%となりました。親の半数近くが、プログラミング技術を活かせるIT 関連等の職種に関心を寄せる実態が明らかになりました。 (図31)
図29-31
- 「プログラミング教育でIT 機器に触れる時間が増えることは良いことだと思う」親の7 割半が肯定
- 「プログラミング教育は論理的な思考力を養うために役立つと思う」親の7 割が教育効果を期待
プログラミング教育で、子どもがIT 機器に触れる時間が増えることについては、「良いことだと思う(計)」が
75.7%、「良いことだと思わない(計)」が24.3%で、多くの親が、子どもがIT 機器に触れる時間が増えること
に対して肯定的でした。 (図32)
また、プログラミング教育は、子どもの論理的な思考力を養うために役立つと思うか聞いたところ、「役立つと思う(計)」は69.1%、「役立つと思わない(計)」は30.9%となりました。 (図33)
図32-33
- 「プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備を行っている」小学生の親の3 割弱
- 小学生の3 割が「子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミング」を体験済み
続いて、小学生の親(248 名)に、子どものプログラミング教育に関する状況を聞きました。
近年、民間のプログラミング教室などで、子ども向けのプログラミング指導が行われるようになりましたが、プログラミング教育の必修化に備えて、家庭で準備(習い事、家庭学習など)を行っているか聞いたところ、「行っている(計)」は26.6%となりました。既に家庭で準備をしている親は少なくないようです。 (図34)
プログラミング教室などで使用される“Scratch(スクラッチ)”や“Viscuit(ビスケット)”などの子ども向けプログラミング言語は、自宅のパソコンやタブレットからも手軽に利用することができますが、自身の子どもが、子ども向けプログラミング言語を用いたプログラミングの体験をしたことがあるか聞いたところ、「ある(計)」は
29.8%となりました。 (図35)
また、プログラミングに必要な論理的な思考力を養うことが謳われた玩具やボードゲームなども、数多く販売されるようになりましたが、自身の子どもが、プログラミング的思考を養うための玩具やボードゲームなどで遊んだことがあるか聞いたところ、「ある(計)」は31.9%となりました。 (図36)
図34-36
- 子どもに将来就いてほしい職業 「公務員」がダントツ、女子の親では医療関係が人気
子どもに将来就いてほしい職業 「公務員」がダントツ、女子の親では医療関係が人気最後に、全回答者(1,000 名)に、自分の子どもに就いてほしい職業を聞きました。
男子の親では、「公務員」(88 件)がダントツとなり、以下、2 位「会社員」(29 件)、3 位「医師」(27件)と続きました。
選んだ理由をみると、1 位の公務員では「安定しているから」とのコメントが圧倒的多数でした。2 位の会社員では「普通がいいので」というコメントが多くみられました。3 位の医師では「社会に貢献できるから」などの理由が挙げられました。 (図39)
女子の親では、1 位「公務員」(68 件)、2 位「看護師」(28 件)、3 位「医師」(21 件)となり、こちらも公務員がトップとなりました。また、4 位には「薬剤師」(20 件)がランクインしており、医療関係の仕事に就いてほしいと考える親も多いようです。
選んだ理由をみると、1 位の公務員では「仕事と生活を両立しやすいから」、2 位の看護師では「命の大切さを学べるから」、3 位の医師では「医療を通して、人助けをしてほしいから」といった理由が挙げられました。
(図40)
図39-40
以上