アブダビ証券取引所(ADX)、外国人投資家に向け取り組み加速

ADMOのプレスリリース

アブダビ証券取引所(ADX)は、2020年6月30日までの上半期の業績を報告しました。報告書では、COVID-19規制の緩和が続く中、資本市場の発展を通じてアブダビ経済を支え、成長と海外投資のための強力なプラットフォームを構築している同取引所の取り組みに焦点を当てています。

  • ADX上場企業2社が外国人所有権の上限を40%に、さらに2社は49%に引き上げ、総額AED63億相当の株を外国人投資家に開放
  • ADX上場企業の80%にあたる55社が外国人投資家に開放
  • 世界の資産運用会社の上位25社は、すべてADXに登録済
  • 新規投資家1,723人(機関投資家226名、個人・リテール投資家1,497名)のうち、半数以上(53%)がUAE以外の国籍保有者
  • 2020年上半期、ADXの投資家番号を取得した非UAE国籍者数が前年同期比25%増
  • 2020年6月30日時点の株式時価総額はAED5,000億近く。2020年7月1日時点でADパワー社とのTAQA取引完了を受け、20%以上上昇しAED6,070億
  • デジタルへの取り組みを加速し、様々な新しいツールを投資家に対し提供することでCOVID-19対応に尽力
  • 域内の取引所では初となる包括的なCSR報告書を発行

 

 

ADX 最高経営責任者、カリーファ・アル・マンスーリ(Khaleefa Al Mansouri)のコメント
「アブダビ首長国が COVID-19 の危機から脱出し、 長期的な成長軌道を再開できるようにアブダビ全体が一丸となって協力し合いました。 ADXは上場企業をはじめとするステークホルダーと緊密に連携して、 経済の重要な柱である強固で近代的、 かつ国際的な資本市場を構築してきました。 世界と同じパンデミックという課題を抱えながらも、 ADX は市場の流動性を高め、より多くの投資家からのアクセスがしやすくなるという重要な戦略的目標を着実に達成していることを実証しています」。

2020年上半期、ADXはより多くの外国人投資家を誘致し、多様な国内投資家層を開拓することで世界有数の国際的な取引所になるという野望の達成に向けて大きく前進しました。4社が外国人投資家の保有限度額を引き上げました: Methaq Takaful Insurance Company(ADX: METHAQ)とAbu Dhabi Islamic Bank(ADX: ADIB)の両社は保有制限を25%から40%に、Wahat Al Zaweya Holding(ADX: WAZ)とAgthia Group(ADX: AGTHIA)の両社が0%から49%に引き上げました。これにより、2019年末以降4つの業種(銀行、保険、不動産開発、食品メーカー)の株、総額AED63億相当が外国人投資家に開放されたことになります。現在ではADX上場企業数の80%、55社の株が外国人投資家に開放されています。

また、2020年7月1日、Abu Dhabi National Energy Company(ADX: TAQA)は、Abu Dhabi Powerの一部のエネルギー・水資産との合併を完了しました。この取引はAED1,000億以上となり、記事執筆時点でADXの時価総額は20%増のAED6,070億となりました。これにより、TAQAはADXの中でも最大規模の企業となりました。

外国人投資コミュニティからの関心の高まりも見られ、2019年上半期と比較して非UAE国籍者のADXへの投資登録者数が25%増加しましたが、これは、ADXの投資機会に対する認識レベルの高まりを示しています。外国人投資家の国別の割合が最も高かったのは英国で、AED52億株を取引し、次いで米国(AED41億株)、ルクセンブルク(AED12億株)の順となりました。1,723人の新規投資家が取引を行い、そのうち 1,497 名(87%)がリテールコミュニティからのものであったことから、ADXは幅広い投資家の関心を集め、市場の流動性をさらに高めることに成功したと言えます。

期間中の総取引額(売買)はAED407億(2019年上半期AED547億)、売買された株式数は142億株(2019年上半期:146億株)、2020年6月30日時点の時価総額はAED4,946億(2019年6月30日:AED5,199億)となりました。前年同期比での減少はCOVID-19の状況を考慮すると避けられないものであり、世界中の他の取引所も同様でした。さらに、ADXはパンデミックに迅速かつ積極的に対応し、取引所が適切に機能するために最先端の事業継続システムを導入することで、すべてのステークホルダーに支援を提供しました。

その一例として、企業の年次株主総会(AGM)への遠隔電子投票サービスを導入し、導入費を無料にしたことが挙げられます。これは、COVID-19による市場の混乱を踏まえ、民間企業を支援するための付加価値の高いサービスが求められていることに対応したものです。この取り組みは、ADXの事業展開戦略に沿ったものであり、デジタルサービスを総合的に活用して顧客満足度の向上を実現するとともに、グローバルな事業環境を積極的に改善していきます。

2018年に初公開され、その後も新しい技術の進歩に対応するため継続的に更新されてきたSAHMI統合デジタル・プラットフォームは、投資家がモバイルデバイスを介して日常の取引を管理できる統合システムを提供することで、人とのやりとりを減らすことができるという点で、特に重要視されました。ADXは引き続きデジタルトランスフォーメーションを成長戦略の中心に据えており、下半期以降もこの分野でのさらなる進展が期待されます。

5月末、ADXはキャピタル・ファイナンス・インターナショナル(CFI)の選ぶ、2020年ベストトレーディング・イノベーション・エクセレンス賞のGCC賞を受賞しました。これは経済に大きく貢献し、すべてのステークホルダーに真の付加価値を提供している組織を表彰するもので、さまざまなデジタル商品の開発やイニシアチブを通じたイノベーションにおいてADXが主導的な役割を果たしてきたことを高く評価されたものです。

また、2020年6月21日、ADXは域内にある取引所としては初のESG(環境、社会、ガバナンス)レポートを公開しました。ESGレポートの公表は、上場企業もそれにならいADX同様の方針を採用することを奨励することで、ADXの透明性へのコミットメントを示しています。また、持続可能性に対する懸念が高まっていることから、上場企業のESGの取り組みの公開を求める投資家の要求にも応えています。

カリーファ・アル・マンスーリ(Khaleefa Al Mansouri)のコメント
「世界がいつ峠を越すかは予測できませんが、 アブダビと ADX の将来については楽観論を展開できる大きな根拠があります。 今年のこれまでの実績は、 投資家が上向いていく市場環境を利用していけるよう経済の健全な成長に不可欠な市場の開放性や流動性を高め、 商品の幅を広げた結果得られたもので、 世界のどの取引所にも劣らないものです。 私たちは、 洗練された革新的なデジタル・プラットフォーム上での ETF や REIT等を含む、 より高い透明性を持つ商品を期待しています。 したがって、 私たちは『投資家に選ばれる市場』となるという目標を達成する自信を持ち続けています。 これは10年間を通した目標で、 アブダビの経済多様化と持続可能な未来のための戦略的計画です 」。

アブダビ証券取引所について
アブダビ証券取引所(ADX)は、2000年の地方法第3号によって2000年11月15日に設立されました。同法の規定は、市場に自律した地位、独立した財務および経営の法人格を付与するものです。また、同法は、ADXにその機能を行使するために必要な監督権限及び執行権限を与えています。2020年3月17日、ADXは、2020年法律第8号に基づき、「公共事業体」から「公共合同会社PJSC」に変更されました。ADX は、アブダビの非石油経済の主要セクターにまたがる大企業の多様なポートフォリオを持つ地域最大級の持株会社である ADQ に属しています。ADXは、有価証券を取引するための市場です。株式会社が発行する株式、政府や企業が発行する債券、取引所取引されたファンド、UAE証券・商品庁(SCA)によって承認されたその他の金融商品を含みます。

ADXはアラブ地域で2番目に大きな市場であり、安定した財務パフォーマンスと多様な収入源を提供するという戦略は、UAEの「次の50年に向けて」というアジェンダの指針と一致しています。国家計画では、世界の持続可能な開発パラダイムへの移行に貢献する、持続可能で多様性のある高付加価値経済の構築を目指すUAEの戦略的開発スキームが示されています。

 

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