株式会社ストラテジックキャピタルが蝶理株式会社(東証一部:コード8014)への株主提案及び同提案に関する特集サイトのリニューアルを公表

株式会社ストラテジックキャピタルのプレスリリース

弊社は、INTERTRUST TRUSTEES (CAYMAN) LIMITED SOLELY IN ITS CAPACITY AS TRUSTEE OF JAPAN-UP(以下「ファンド」といいます。)と投資一任契約を締結しており、ファンド及び株式会社ストラテジックキャピタルは両社で蝶理株式会社(以下「当社」といいます。)の議決権を300個以上6か月前から引き続き保有しています。

ファンド及び弊社は、本年4月16日に、当社に対し、来る6月開催予定の当社の定時株主総会について株主提案権を行使する書面を発送し、同月17日に当社への株主提案に係る書面の到達を本日確認しましたので、本件を公表いたします。株主提案の内容及び提案の理由のそれぞれの概要は以下の通りです。
詳細な説明は、https://toray-can-increase-the-value-of-chori.com/、又は株式会社ストラテジックキャピタルのホームページ右上の特設サイトリンク(https://stracap.jp/)をご参照ください。

[1]提案する議題の内容
1.社外取締役選任に係る定款変更の件
現行の定款の第20条に以下の③を新設するとともに、定款の最後尾に施行期日に係る附則を設ける。
第20条(取締役の員数)
③当会社の取締役(監査等委員である取締役を含む)の過半数は、会社法第2条第15号に規定する社外取締役に該当し、かつ、現在又は過去において次のいずれにも該当しない者とする。
(ア)当会社又は当会社の親会社、子会社若しくは兄弟会社(当会社の親会社と同一の会社を親会社とする会社をいう)の役職員並びに当該役職員の配偶者及び3親等以内の親族
(イ)関連会社(当会社と議決権比率 10%以上の支配又は被支配の関係にある法人をいい、(ア)に該当する会社を除く。)、当会社の主要な取引先、当会社が保有する政策保有株式の発行会社若しくは当会社から金銭その他の財産を得ているコンサルタント会社、会計事務所又は法律事務所の役職員
(ウ)当会社から金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家又は法律専門家
(エ)当会社と議決権比率10%以上の支配関係にある個人並びにその配偶者及び3親等以内の親族

附則第2条(取締役の員数に関する経過措置)
第20条③は、当会社の第73回定時株主総会日の翌日から施行する。なお、本附則は当該規定の施行後、これを削除する。 

2.取締役会の実効性評価に係る定款変更の件
現行の定款の第4章に以下の条文を新設する。条数については、現行定款の第33条から第39条までを1条ずつ繰り下げる。
第33条(取締役会の実効性評価)
当会社は、毎年1回、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行い、その結果を当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンス報告書に開示するものとする。なお、少なくとも3年に1回は、外部の第三者機関が関与する取締役会の実効性に関する分析・評価を実施するものとする。

3.剰余金の処分に係る定款変更の件
現行定款の第40条を削除する。条数については、前記2.の提案が可決されなかった場合には、現行定款の第41条を第40条に、現行定款の第42条を第41条にそれぞれ繰り上げる。なお、本議案(剰余金の処分に係る定款変更の件)は、次の議案(剰余金の処分の件)に先立ち決議されるものとし、株主総会において承認可決された時点でその効力を生じるものとする。

4.剰余金の処分の件
(1)配当財産の種類
金銭
(2)配当財産の割り当てに関する事項及びその総額
上記3.の議案(剰余金の処分に係る定款変更の件)が承認可決されることを条件に、第73期の期末剰余金の配当として、普通株式1株当たり、2020年3月期の連結上の1株当たり当期純利益の金額から中間配当金31円を控除した金額(ただし、小数点第一位以下を切り捨てた金額)を配当する。なお、この場合の配当総額は、上記の1株当たりの配当金額に当社の第73回定時株主総会の議決権の基準日現在の配当の対象となる株式数を乗じた額となる。
(3)剰余金の配当が効力を生じる日
当社の第73回定時株主総会の開催日の翌日

5.資本コストの開示に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
章番号と条数については、前記2.及び3.の提案がいずれも可決された場合のものを記載していることから、いずれかが否決された場合は適宜修正する。
第8章 資本コスト
(資本コストの開示)
第43条 当会社は、当会社が東京証券取引所に提出するコーポレートガバナンスに関する報告書(以下「CG報告書」という。)において、CG報告書提出日から遡る1か月以内において当会社が把握する加重平均資本コストを、その算定根拠とともに開示するものとする。

6.政策保有株式売却に係る定款変更の件
現行の定款に以下の章及び条文を新設する。
章番号と条数については、前記2.3.及び5.の提案がいずれも可決された場合のものを記載していることから、いずれかが否決された場合は適宜修正する。
第9章 政策保有株式
(政策保有株式の売却)
第44条 当会社が、本条を追加する定款変更の効力発生日現在、純投資目的以外の目的で保有している上場株式は、第74期から第76期までの3期中に、速やかに売却するものとする。

[2]提案の理由
1.社外取締役選任に係る定款変更の件
当社は、東レ株式会社(以下「東レ」という。)に過半の議決権を保有されており、いわゆる親子上場の状態となっている。当社の少数株主は潜在的に東レの株主と利益相反となるリスクに晒されており、株主提案にて示されている取締役は、真に独立した社外取締役であり、少数株主の利益を代弁する役割が強く期待される。2020年4月1日現在の当社の取締役の人数は7名、社外取締役の人数は3名であり、東京証券取引所の定めに基づく独立役員は、社外取締役3名のうち2名と公表しているが、当該独立役員2名のうち1名は当社の元社員であり、形式的には東京証券取引所の定めを満たすとしても、実質的に独立性があるとは考えられない。さらに、当該独立役員の2名とも、当社の取締役会の決定に従って提案株主との面談要請を断り続けており、少数株主の利益のために活動する意欲は全く見受けられない。
上場子会社のガバナンス改善策については、本年1月以降、東京証券取引所における研究会において、上場子会社における独立社外取締役の在り方等が議論されているところである。
この方向性に対応し、また、当社の少数株主の利益保護を図るため、当社取締役会の過半数の取締役が真に独立した社外取締役となることを提案する。

2.取締役会評価に係る定款変更の件
株式会社東京証券取引所の定めるコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」という。)の「原則4-11 取締役会・監査役会の実効性確保のための前提条件」は、「取締役会は、取締役会全体としての実効性に関する分析・評価を行うことなどにより、その機能の向上を図るべきである」と定め、さらにその補充原則として「4-11③ 取締役会は、毎年、各取締役の自己評価なども参考にしつつ、取締役会全体の実効性について分析・評価を行い、その結果の概要を開示すべきである」と定めている。
当社が昨年6月18日に東京証券取引所に提出したCG報告書によれば、「2018年度に係る(略)実効性評価の手続きは、取締役全員を対象として、取締役会の議題、取締役会の構成、取締役会の運営、取締役会を支える体制に関するアンケートを実施し、個々の意見を収集しました。2019年5月の取締役会において、アンケート結果を基に、取締役会全体の実効性についての評価・分析を行いました。この結果、取締役会は社外取締役も含め適切に構成され、自由な発言を通じて建設的な議論・意見交換などが実施され、全般的に適切に運営されており、実効性が確保されていることが確認されました。一方で、代表取締役の後継者育成計画の議論・監督、役員報酬の議論、経営陣幹部の選任・解任の議論、取締役へのトレーニングの機会提供について、議論を深めるべき等が主に挙がりました。これらの点につきましては、今後も継続的にその改善・充実を図っていく考えです。」と記載されている。これは、2018年11月27日付のCG報告書における1年前の記載と実質的に全く同じ内容である。
取締役会の実効性評価を、その構成メンバーである取締役が行えば、評価のさじ加減が甘くなるおそれもあり、自己評価のみでは、客観的で信頼性の高い適切な分析・評価ができるとは考えがたい。また、取締役及び監査役に対するアンケートも、毎年実施されることでマンネリ化してしまうとの懸念も指摘されている。上記のようなCG報告書の記載を見れば、当社は既にそのような事態に陥っている可能性もある。
このような観点から、少なくとも3年に1回は第三者機関が関与する取締役会の実効性評価を義務付けるものである。

3.剰余金の処分に係る定款変更の件
現在、当社の剰余金の配当等は、取締役会の決議によって決定されることとなっている。これは、取締役会が剰余金の配当等について株主の利益に即した適切な決定を行うことを前提とした制度であるが、当社は十分に高い自己資本比率を維持できる自己資本を有し、かつ、現金および現金同等物ならびに投資有価証券等を豊富に保有しているにもかかわらず、その配当は数年にわたり当期純利益の20%前後にとどまり、後記のとおり今期も26%と低い水準にとどまることを公表していることから、株主の利益に即した適切な決定を行ってきたとはいえない。
当社の株主の利益のためには、剰余金配当等の決定権を株主総会に戻すべきである。

4.剰余金の処分の件
当社の2020年3月期第3四半期決算短信によれば、2019年12月31日現在の四半期連結貸借対照表上、関係会社短期借入金を除いた有利子負債は約21億円に過ぎない。一方、保有する現預金は約106億円である。さらに、当社は、2019年3月31日現在で、政策保有株式を含む投資有価証券約110億円を保有していたので、当社は既に十分な現金及び現金類似資産を保有していることになる。
上記の決算短信によれば、2019年12月31日現在で、当社の自己資本(連結)は565億63百万円(1株当たり約2303円)で自己資本比率は47.8%、そして、予想当期純利益(連結)は58億円(1株当たり236円)である。一方、当社が公表している1株当たり年間配当62円を前提とすると、配当性向は約26%となる。自己資本の大きさおよび予想当期純利益に鑑み、この予定配当金の額では、株主からみてその水準は十分なものではない。
このように配当を抑えてきた結果、かつては20%を超えていた自己資本利益率(ROE)は、2020年3月期には約10.5%となる見込みである。
当社は、これ以上会社内に資金を留保する必要はなく、また、これ以上自己資本を増加させてもROEは減少するだけである。余剰資金を株主に還元することが、株主価値を高め、ひいては株価を向上させることにつながるので、剰余金の配当を大幅に増額すべきである。
なお、今回提案する剰余金の処分案を実行しても、その配当総額は当期純利益の範囲内であることから、前期末の当社の自己資本及び現預金水準を大きく変えるものではなく、当社の財務状態は良好なままである。

5.資本コストの開示に係る定款変更の件
当社の株価は、解散価値を下回る状態が継続している。これは、当社のROE(自己資本利益率)が投資家の求める水準(株主資本コスト)に達していないということである。
CGコードの「原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表」において、「経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設備投資・研究開発投資・人材投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである」として、経営陣が自社の資本コストを的確に把握することを求めている。当社経営陣においても、当社の株主資本コストを踏まえた加重平均資本コストを的確に把握したうえで事業計画や資本政策等を立案・検証することが求められているというべきである。加重平均資本コストが開示されることにより、当社経営陣と株主を含む投資家との間で、共通の尺度に基づく対話も可能となる。このように資本コストを開示することによって、当社株式の市場における低い評価の改善を目指すことができると考える。

6.政策保有株式売却に係る定款変更の件
CGコードの「原則1-4.政策保有株式」においては、「政策保有株式の縮減に関する方針・考え方など、政策保有に関する方針を開示すべきである」と定められている。当社のCG報告書には「政策保有株式の保有意義等については、毎年個別銘柄毎に検証しており、その結果、保有意義等がないものに関しては売却等を検討し縮減を図っております。」と記載されている。しかし、提案株主が当社の取締役会議事録を閲覧しても、政策保有株式の保有意義等についてどのような議論がなされたのかは明らかにならなかった。そこで、政策保有株式の売却をさらに推進するべく、定款で3年以内に政策保有株式を売却する方針を定めるものである。
2019年3月31日現在で、当社単体が純投資目的以外の目的で保有している上場株式(政策保有株式)は、11銘柄、計約32億円に上る。さらに、当社連結では約70億円の上場株式を保有している。当社が現在保有する政策保有株式を早期に全て売却し、その売却代金を当社の株主価値向上のために使っていただきたい。

以上

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