「MONEX個人投資家サーベイ 2026年9月調査」

~「金利のある世界」で変わる個人投資家の株式投資行動について~

マネックス証券株式会社のプレスリリース

 マネックス証券株式会社(本社:東京都港区、取締役社長執行役員:清明祐子、以下「マネックス証券」)は、2026年9月4日から9月8日までインターネットを通じて、マネックス証券に口座をお持ちのお客様にアンケート(回答数576件)を実施しました。

 今回の調査では、定例項目である個人投資家の相場観やNISAの利用状況に加え、特集テーマとして、国内外で長期金利が高水準で推移するなか、個人投資家が金利環境の変化をどのように投資判断に取り入れているのかを調査しました。

【本調査のハイライト】

■「金利のある世界」で変わる個人投資家の株式投資行動

・金利上昇が投資判断に与える影響は限定的。

・約8割の投資家が長期金利を意識した日本株投資を行う。

■世界の株式市場の見通し

・日本、米国ともにDIはプラス圏範囲内のものの、前回調査より大きく下落。

・中国株DIは引き続きマイナス圏。

■注目テーマ

・日本のセクター別業況DIは金利上昇の恩恵を受けやすい「銀行」セクターが最多で、続いて「エネルギー資源」セクターが続く結果となった。

・米国のセクター別業況DIは前回に続いて「情報技術」が最多で、続いて「エネルギー」セクターが続いた。

・今後3か月の米ドル為替相場では、円安ドル高予想から円高予想へと見方が大きく転換。

A. 「金利のある世界」で変わる個人投資家の株式投資行動について

 日本の長期金利が30年ぶりに3%台へ上昇し、株式市場にも「金利のある世界」を前提とした投資判断の見直しが進んでいます。金利上昇は、企業の資金調達コストや株価の割高・割安の判断に影響を与える一方、銀行株や高配当株など一部の銘柄には追い風となる可能性もあります。そこで今回は、金利上昇局面における個人投資家の相場観と投資スタンスを調査しました。

(A-1)8割近くが長期金利を意識すると回答

 株式投資の判断において、日本の長期金利をどの程度重視しているかたずねたところ、「非常に重視している」が24.8%、「ある程度重視している」が52.8%となりました。両者を合わせると77.6%となり、約8割の個人投資家が株式投資を行ううえで長期金利を重視していることが分かりました。一方、「あまり重視していない」は18.4%、「まったく重視していない」は1.6%にとどまりました。

 長期金利をあまり重視していない、またはまったく重視していない投資家に、株式投資で意識している情報をたずねたところ(参照:グラフ2)、「企業の業績・決算動向」が最も多くなりました。   次いで「地政学リスク・国際情勢」「日本および海外の景気動向」「株価指数や市場全体の値動き」などが挙げられています。

金利を直接投資判断に利用しない投資家であっても、企業業績やマクロ経済環境などを通じて市場環境を判断していることがうかがえます。

(A-2)金利上昇局面では「借入金の多い企業」に警戒

 日本の長期金利が上昇する局面で、投資を控えたい、または慎重に判断したい企業の特徴をたずねたところ、最も多かったのは「借入金や有利子負債が多い企業」で、回答者の約6割にあたる344人が選択しました。

次いで「利益やキャッシュフローが赤字の企業」が252人、「設備投資の負担が大きい企業」が191人、「住宅・不動産需要の影響を受けやすい企業」が167人となりました。

金利が上昇すると、借入金の金利負担が増加し、企業の利益やキャッシュフローを圧迫する可能性があります。このため個人投資家も、株価の割高・割安だけではなく、企業の財務状況や資金繰りへの影響を意識していると考えられます。

(A-3)銘柄選びでも「有利子負債」「キャッシュフロー」に注目

 PER、PBR、ROE、ROIC、売上高・利益成長率、配当利回りなどの一般的な投資指標以外で、金利上昇時に重視したい情報をたずねたところ、「有利子負債の金額・負債比率」が253人と最も多くなりました。

 続いて「キャッシュフロー推移」が184人、「支払利息」が107人となっています。

金利上昇局面では、単に借入金の金額を見るだけではなく、企業が事業によって十分なキャッシュを生み出せているか、利払い負担を吸収できる財務体質を持っているかといった情報へのニーズが高まっていることが分かりました。

(A-4)金利が上昇しても、すぐに保有株を売却する投資家は限定的

 日本の長期金利が今後さらに上昇した場合、保有株式についてどのような対応を取る可能性があるかたずねたところ、「企業業績を確認したうえで保有を継続する」が223人と最も多くなりました。

次いで「金利だけを理由に売買しない」が181人、「売却せず、配当を受け取りながら保有する」が156人となりました。

 一方、「有利子負債の多い銘柄を売却する」は58人、「日本株の保有比率を下げる」は21人、「PERの高い銘柄を売却する」は16人にとどまっています。

長期金利の上昇は多くの投資家が意識しているものの、金利上昇そのものを理由として一律に株式を売却する投資家の割合は限定的で、企業業績や財務状況を確認しながら個別に判断する投資姿勢が強いことが分かりました。

 また、「株価が下落した銘柄を買い増す」との回答も95人あり、金利上昇による株価下落を投資機会と捉える投資家も一定数いるようです。

B.     米金利が依然として高水準中の投資判断

 米国においても長期金利は高い水準で推移しています。2026年9月4日時点の米10年国債利回りは4.78%、30年国債利回りは5.24%となっており、企業の資金調達コストや株式のバリュエーションへの影響が引き続き意識される状況です。

 こうした金利環境のなか、米国株に投資する個人投資家は、金利動向をどの程度投資判断に反映しているのでしょうか。今回の調査では、米国株の投資状況や、金利が高い局面での銘柄選びについても調査しました。

(B-1)米国株投資について

 現在米国株投資を行っているかをたずねたところ、約4割の方が投資を行っていると回答いただきました。また、「米国株に興味はあるが投資を行っていない」とご回答いただいた方は25.3%であり、今年末に予定されている米国株の23時間取引開始により、日本時間の日中でも米国株へ投資しやすい環境が整うことで、今後米国株への関心が高まるのかが注目されます。

(B-2)米国株では金利を意識しつつも、投資方針を維持

 現在米国株に投資している方に、米国の長期金利が高い水準で推移する場合の投資行動をたずねたところ、「米国株への投資判断は変えない」が83人で最も多く、「金利にかかわらず業績成長を重視する」が74人で続きました。

 そのほか、「利益やキャッシュフローが安定した企業を選ぶ」が54人、「大型テクノロジー株を中心に選ぶ」が46人となりました。

 米国株投資においても金利への警戒感はあるものの、金利水準だけで投資判断を大きく変えるというより、企業の業績成長やキャッシュフローを重視する投資家が多いことがうかがえます。

(B-3)米国株の投資判断では金利への関心が為替を上回る

 続いて、米国株への投資判断で米国金利とドル円相場のどちらを重視するかたずねたところ、「米国の金利動向を重視する」「どちらかといえば米国の金利動向を重視する」の合計は46.1%でした。

 一方、「ドル円相場を重視する」「どちらかといえばドル円相場を重視する」の合計は21.5%となり、今回の回答者では為替よりも米国の金利環境を意識している投資家が多い結果となりました。

C.     NISA口座の利用状況について

(C-1)NISA利用者の7割近くが成長投資枠とつみたて投資枠の両方を利用

 NISA口座の開設状況と利用状況をたずねました。前回に引き続き9割近くの個人投資家がNISA口座での投資を行っており、そのうち8割近くが成長投資枠とつみたて投資枠の両方を利用して投資していることが分かりました。

(C-2) 成長投資枠銘柄の保有方針は引き続き長期保有

 成長投資枠で保有する銘柄の保有方針については、「10年以上保有する方針」が41.5%、「1~10年程度保有する方針」が35.6%となりました。

 両者を合わせると77.1%となり、NISAの成長投資枠を利用する投資家の多くが、前回に引き続き中長期での株式保有を想定していることがうかがえます。

(C-3)成長投資枠は200万以上の利用者が半数を越える

 2026年の成長投資枠について、「これから投資する予定の金額」と「すでに投資した金額」の合計をったずねたところ、「200万円以上」と回答した割合が51.8%と半数を超えました。

 また、「100万円以上200万円未満」が20.0%となっており、合わせると約7割の投資家が100万円以上を成長投資枠で投資、または投資する予定であることが分かります。

成長投資枠を活用する投資家の中では、年間のNISA利用満額を使用する層が多く、NISAを資産形成の主要な手段として積極的に活用している様子がうかがえます。

(C-4)NISA口座を利用していない理由は「課税口座と損益通算ができないから」が最多

 「NISA口座を開設しているが、投資はしていない」と回答した方に、その理由をたずねました。前回までの調査では、NISAを利用した投資を行わない理由として「投資するタイミングを計っているから」が最多でした。しかし今回の調査では、「課税口座と損益通算ができないから」が最も多い回答となり、これまで多く見られた「投資タイミングを見極めている」という回答は相対的に少ない結果となりました。市場環境を理由に投資を先送りする層よりも、NISA制度上の制約を意識する層が目立つ結果となっています。

D.     日本、米国、中国の株式市場に対する見通しについて

 今後3ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場に対する見通しを調査しました。

(D-1)すべての市場で株式市場の見通しが悪化

 今後3か月程度の各国(日本、米国、中国)株価の見通しをたずねたところ、全てのDIが低下しました。

  日本株DI: (2026年6月) 42→(2026年9月) 24(前回比 -18ポイント)

  米国株DI: (2026年6月) 43→(2026年9月) 28(前回比 -15ポイント)

  中国株DI: (2026年6月) -18→(2026年9月)-20(前回比  -2ポイント)

※   DI:DIとは、相場が「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポ

  イントです。DIがプラスとは、「上昇すると思う」と回答した割合が高く、DIがマイナスとは、下落すると思うと回答し

  た割合が高いことを示します。

(D-2)日本株DIも大きく下落

 日本株DIは2026年6月の42から今回の調査の2026年9月には24へと大きく下落し、前回調査比で18ポイントのマイナスとなりました。

 直近5回の調査では日本株DIはおおむね上昇傾向をたどっていましたが、今回はその流れが一服しました。指数上昇をけん引してきた半導体関連株の一部で調整がみられたことなどから、先行きに対して慎重な見方を強める個人投資家が増えた可能性があります。相場全体の水準は高いものの、個別銘柄の値動きにはばらつきがみられ、株価上昇の持続性を見極めたいとの姿勢が表れた結果とも考えられます。

E.日米セクター別業況DIについて

 日本と米国の各セクターについて、それぞれ今後3か月程度で「上昇すると思う」「変わらないと思う」「下落すると思う」のいずれになるかをたずね、「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイントを業況DIとして集計しました。

 なお、日本のセクターは株価指数TOPIX-17の分類を、米国のセクターは世界産業分類基準(GICS)の分類をそれぞれ参考としています。

(E-1)日本のセクター別業況DIは「銀行」「エネルギー資源」「商社・卸売」が高い

 今後3か月程度の日本のセクター別業況DIは「銀行」が前回に引き続きの最高で65、「エネルギー資源」が48、「商社・卸売」が45で続きました。金利上昇に伴い「不動産」セクターは大きく下げ18ポイントマイナスとなりました。前回高かった「電機・精密」は50から37へ13ポイント低下しました。足元では半導体関連株の一部で調整がみられており、これまで相場をけん引してきたセクターに対する期待がやや後退したことが、DIの低下につながった可能性があります。

(E-2)米国のセクター別業況DIは「情報技術」が最高、「不動産」が最低

 今後3か月程度の米国のセクター別業況DIでは、「情報技術」が56で最も高く、続いて「エネルギー」が45と続きました。米国では「情報技術」は前回の59からやや低下したものの、引き続き高い水準を維持しており、AI・半導体を中心とした成長期待の強さがうかがえます。

 一方、「不動産」はマイナス5.6、「公益事業」はマイナス2.8となりました。米国では長期金利が高い水準で推移していることから、金利上昇の影響を受けやすい不動産セクターに対して、引き続き個人投資家が慎重な見方を強めている可能性があります。

F.為替相場について

 今後3ヶ月程度の米ドル/円相場に対する見通しを調査しました。

 今後3ヶ月程度の米ドル/円相場に対する見通しは、「円高になると思う」が前回比+23ポイントと大幅に増加して41%となりました。一方、「円安になると思う」は前回比-15ポイントの29%、「変わらないと思う」は-8ポイントの30%となりました。日米金利差の縮小期待も円高方向への見方を強めた一因とみられます。 個人投資家の為替見通しは、前回の円安優勢から円高優勢へと大きく転じました。

 【円安になると思う】(2026年6月)44%→(2026年9月)29%(前回比 -15%)

 【変わらないと思う】(2026年6月)38%→(2026年9月)30%(前回比  -8%)

 【円高になると思う】(2026年6月)18%→(2026年9月)41%(前回比 +23%)

                                          以 上

添付:MONEX個人投資家サーベイ 2026年9月調査

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【マネックス証券株式会社について】

金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第165号

加入協会:日本証券業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、

     一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 日本暗号資産等取引業協会、

     一般社団法人 資産運用業協会

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