〜借入経験者1,526人を公認会計士事務所が分析。支出の把握が甘い層は月末の残高不足経験が79.2%に〜本調査のポイント【結論】借金の理由で最も多いのは「継続的な生活費の不足」この調査の概要と数字の読み方 ― 回答者2,000人のうち借入経験者は76.3%借入のきっかけ第1位は「継続的な生活費の不足」、ギャンブルは1割未満借入先はクレジットカードのキャッシングと家族・親族が消費者金融より多い借入額は約6割が100万円以下、中央値帯は50〜100万円 ― 約7割が20代までに初めて借りている借入理由は年代と性別で構造が変わる借入の背景にある「家計の見えなさ」 ― 支出の把握とお金の出入り公的統計が示す借金の背景と総量規制の基礎【まとめ】データが示す借金の理由の中立的な解釈担当者コメント調査概要事務所概要ご留意事項
SOLA税理士法人のプレスリリース
中小企業と個人の会計・資金調達を支援するSOLA公認会計士事務所(所在地:東京都港区、代表:福島 悠(公認会計士)、https://sola-cpa.com/ )は、全国2,000人を対象とした「借入と家計に関する意識調査」をもとに、公認会計士事務所の視点から「お金を借りる理由」と家計の関係を分析しましたので、その結果をお知らせいたします。
「借金」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、浪費やギャンブルによるものだろう。しかし物価上昇が続くなか、借入の実態はその通念と異なる可能性がある。
本分析では、借入経験者1,526人の回答から、借入のきっかけ・借入先・家計管理との関係を整理した。
<引用・転載について>
※本調査結果を引用・転載される際は、出典として「SOLA公認会計士事務所」を明記のうえ、下記ページへのリンク設置をお願いいたします。
※分析の全文・グラフは当事務所コラムにて公開中です:
https://sola-cpa.com/column/borrowing-reasons-survey/
本調査のポイント
-
借入のきっかけ最多は「継続的な生活費の不足」23.0%。通念に反し、ギャンブル・投機は1割未満(借入経験者1,526人)
-
借入先はクレジットカードのキャッシング(29.4%)と家族・親族(28.9%)が、銀行カードローンや大手消費者金融を上回る
-
支出の把握が甘い人ほど月末の残高不足を経験:把握層36.7%に対し、把握していない層は79.2%(全2,000人)
-
全国2,000人のうち借入経験者は76.3%(1,526人)=借入は特別な行動ではなく、家計の収支構造と結びついた一般的な現象

【結論】借金の理由で最も多いのは「継続的な生活費の不足」
本調査からわかった主な点は、次の3つである。
-
借入のきっかけ最多は「継続的な生活費の不足」=23.0%(ギャンブルは1割未満/借入経験者1,526人)
-
借入先はクレジットカードのキャッシング29.4%・家族親族28.9%が、銀行カードローンや大手消費者金融より多い(借入経験者1,526人)
-
支出の把握が甘い人ほど月末の残高不足が増える(36.7%→79.2%/全2,000人)
これらの数値が示すのは、借入が一部の人の特別な行動ではなく、家計の収支構造と結びついた一般的な現象だという点である。借金の理由を善悪で評価するのではなく、家計のどこに負荷がかかっているかという視点で見ると、実態が捉えやすくなる。
※なお、本調査の回答者はクラウドワークス登録者であり、在宅就労層やネット利用層が一般人口より多い可能性がある。数値は傾向の把握に用い、日本全体の推計には用いない。
この調査の概要と数字の読み方 ― 回答者2,000人のうち借入経験者は76.3%
本調査は全国2,000人を対象に、お金と支払いに関する選択式の12問をたずねたものである。調査期間は2026年5月20日から6月2日、回答はクラウドワークスを通じて集めた。
このうち借入の経験がある人は76.3%(1,526人)、経験がない人は23.7%(474人)だった。以降の借入理由・借入先の分析は、借入経験者1,526人を分母とする。
調査方法と回答者2,000人の内訳
回答者の主な属性は次の通り。
-
年齢:40代28.4%/30代前半17.2%/30代後半15.5%/50代13.4%/20代後半13.1%/20代前半6.8%
-
性別:女性57.7%/男性40.5%/その他1.8%
-
職業:会社員(正社員)42.8%/パート・アルバイト15.9%/自営業・フリーランス13.4%/専業主婦・主夫11.4%/無職5.7%
年齢は30〜40代が中心で、性別は女性がやや多い構成である。
本調査の限界 ― 在宅就労層への偏り
回答者の67.0%が副業の経験を持っていた。これは一般人口と比べて高く、回答者にクラウドワークス登録者、すなわち在宅就労やネット利用に親しむ層が多いことを示す。そのため本調査の数値は、日本全体の平均そのものではなく、借入と家計の傾向を読むための材料として扱う。回答者以外を含めた全体の推計には用いない。
借入のきっかけ第1位は「継続的な生活費の不足」、ギャンブルは1割未満
借入経験者1,526人に、借入のきっかけとして最も当てはまるものを1つたずねた。最も多かったのは「継続的な生活費の不足」で23.0%、以下は僅差で続いた。
上位は生活費の不足・大きな買い物・突発的な出費が僅差

-
1位 継続的な生活費の不足……351人/23.0%
-
2位 大きな買い物(家電・車など)……312人/20.4%
-
3位 突発的な出費(医療費・冠婚葬祭など)……298人/19.5%
-
4位 教育費・学費……234人/15.3%
-
5位 ギャンブル・投機……121人/7.9%
-
6位 旅行・レジャー……69人/4.5%
-
7位 副業・事業資金……46人/3.0%
-
8位 他社借入の返済(おまとめ)……28人/1.8%
※借入経験者1,526人を分母とする。このほか「その他」が4.4%。
上位3つはいずれも生活に直結する支出であり、合わせて借入経験者の62.9%を占める。一方、ギャンブル・投機は7.9%にとどまった。
「借金=ギャンブル・浪費」という通念とのズレ
借金の理由としてギャンブルや浪費を連想する人は多いが、データ上はそれらが主因となるケースは限られる。
生活費・大きな買い物・突発的な出費・教育費という、家計運営上避けにくい支出が上位を占めた。ここから読み取れるのは、借入の多くが浪費ではなく、収入と支出の差を埋めるために生じているという傾向である。
借入先はクレジットカードのキャッシングと家族・親族が消費者金融より多い
借入経験者1,526人に、これまで利用したことのある借入先をすべてたずねた(複数回答)。最も多かったのはクレジットカードのキャッシングで29.4%、次いで家族・親族からの借入が28.9%だった。
借入先トップはクレジットカードのキャッシングと家族・親族

-
1位 クレジットカードのキャッシング……29.4%
-
2位 家族・親族からの借入……28.9%
-
3位 銀行カードローン……26.9%
-
4位 奨学金(日本学生支援機構など)……25.2%
-
5位 アコム……23.0%
-
6位 プロミス……17.9%
-
7位 アイフル……14.5%
-
8位 友人・知人からの借入……10.0%
-
9位 レイク……9.8%
-
10位 SMBCモビット……7.7%
※複数回答。借入経験者1,526人を分母とする。このほか中小消費者金融1.1%、学生ローン1.0%、ヤミ金などの違法業者0.6%。
大手消費者金融のアコム23.0%やプロミス17.9%も使われているが、それ以上にクレジットカードに付帯するキャッシングや家族・親族からの借入が多い。奨学金も25.2%と高く、借入の入口は身近な手段に広がっている。
「借金=消費者金融」のイメージと実態の差
借金というと消費者金融を思い浮かべがちだが、実際の入口はカード付帯のキャッシングや身内からの借入が中心だった。家族・親族から借りた人のうち48.5%は業者も併用し、残り51.5%は身内からの借入のみで完結していた。身近な人からの借入は「業者の代わり」ではなく、業者と並ぶ選択肢の一つとして使われている。
違法業者(ヤミ金など)の利用は0.6%と低い。
借入額は約6割が100万円以下、中央値帯は50〜100万円 ― 約7割が20代までに初めて借りている
借入経験者1,526人に、これまでの借入総額の最大値をたずねた。約6割(58.7%)が100万円以下に収まり、中央値帯は50〜100万円である。最も多い金額帯は100〜300万円で25.6%だった。
最大借入総額は約6割が100万円以下、中央値帯は50〜100万円
-
5万円未満……7.0%
-
5〜10万円……10.2%
-
10〜50万円……22.5%
-
50〜100万円……19.0%
-
100〜300万円……25.6%
-
300〜500万円……8.5%
-
500〜1,000万円……2.6%
-
1,000万円以上……2.9%
※借入経験者1,526人を分母とする。
借入を始めた年齢は20代までが約7割
借入を始めた年齢は20代前半が35.5%で最も多く、10代18.1%、20代後半18.8%と続いた。合わせると、約72%が20代までに最初の借入を経験している。
-
10代……18.1%
-
20代前半……35.5%
-
20代後半……18.8%
-
30代前半……11.6%
-
30代後半以降……14.3%
※借入経験者1,526人を分母とする。
借入理由は年代と性別で構造が変わる
借入のきっかけは、年代と性別によって構成が変わる。全体の最多は生活費の不足だが、その比重は層によって異なる。
若年は生活費の不足、年齢が上がると大きな買い物・突発的な出費へ

20代では生活費の不足が約3割を占め、最も大きな理由だった。年齢が上がるとその比重は下がり、40〜50代では大きな買い物や突発的な出費が上位に入れ替わる。(数値=生活費の不足/大きな買い物/突発的な出費/教育費)
-
20代前半:31.4%/18.6%/15.7%/13.7%
-
20代後半:30.5%/16.7%/15.8%/17.7%
-
30代前半:25.3%/16.7%/16.0%/18.3%
-
30代後半:22.5%/16.9%/20.3%/16.1%
-
40代:20.5%/24.1%/21.5%/13.4%
-
50代:19.1%/24.9%/23.4%/11.0%
-
60代:13.9%/15.3%/27.8%/22.2%
※各年代の借入経験者を分母とする構成比。
女性は生活費・教育費、男性はギャンブル・突発的な出費が目立つ

性別でも構成は分かれた。女性は生活費の不足28.0%と教育費20.6%が上位で、ギャンブルは2.1%と少ない。男性はギャンブル・投機が15.2%と女性の約7倍にのぼった。(数値=女性/男性)
-
継続的な生活費の不足:28.0%/16.5%
-
教育費・学費:20.6%/8.7%
-
大きな買い物:18.8%/22.4%
-
突発的な出費:16.3%/23.7%
-
ギャンブル・投機:2.1%/15.2%
※女性820人・男性678人をそれぞれ分母とする構成比。
借入の背景にある「家計の見えなさ」 ― 支出の把握とお金の出入り
借入の理由の手前には、家計が見えているかどうかという問題がある。本調査では、支出の把握度と月末の残高不足、リボ払い・後払いの利用との間に明確な関連がみられた。
支出の把握が甘い人ほど、月末の残高不足が増える
全2,000人に支出の把握度をたずね、月末に口座残高が想定より少なかった経験(「よくある」「時々ある」)の割合を比べた。把握度が下がるほど、残高不足の経験率は階段状に上がった。

-
ほぼ完全に把握している……36.7%
-
だいたい把握している……54.4%
-
大まかにしか把握していない……70.9%
-
ほとんど把握していない……79.2%
※全2,000人を分母とする。
ほぼ完全に把握している人の残高不足は36.7%だが、ほとんど把握していない人では79.2%と2倍以上になる。支出が見えていないことと家計の綻びには強い相関がある(ただし因果は特定できない)。
リボ払い・後払いの利用者は残高不足も借入経験も多い
クレジットカードの分割・リボや後払いアプリを使う人は、月末の残高不足を経験する割合が74.8%だった。これらを使わない人の46.8%を大きく上回る。(数値=リボ・後払いを利用/利用しない)
-
月末の残高不足あり:74.8%/46.8%
-
借入の経験あり:92.5%/69.7%
※全2,000人を利用の有無で分けて集計。これも相関であり、直接の原因と断定するものではない。
公的統計が示す借金の背景と総量規制の基礎
本調査の傾向は、公的統計とも整合する。借入の広がりと、その背景にある生活困窮の構図を第三者データで確認する。
借入のある世帯はどれくらいか
金融経済教育推進機構(J-FLEC、旧・金融広報中央委員会)の調査によると、借入金のある世帯は二人以上世帯で19.5%だった(2024年)。
引用:金融経済教育推進機構(J-FLEC 旧・金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)2024年」
自己破産の原因も生活苦・低所得が最多
参考として、2023年の日本弁護士連合会の記録調査を取り上げる。
本調査によると、自己破産の原因として「生活苦・低所得」が65.86%で最も多い(複数回答)。
-
生活苦・低所得……65.86%
-
病気・医療費……26.44%
-
生活用品の購入……18.00%
-
失業・転職……17.36%
-
浪費・遊興費……12.81%
-
ギャンブル……9.89%
※複数回答のため合計は100%を超える。
引用:日本弁護士連合会「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」
【まとめ】データが示す借金の理由の中立的な解釈
最後に、本記事の要点を整理する。
-
借金の理由:最多は継続的な生活費の不足で借入経験者の23.0%。ギャンブルは7.9%
-
借入先:クレジットカードのキャッシング29.4%・家族親族28.9%が消費者金融より多い
-
年代・性別:若年と女性は生活費、男性はギャンブルや突発的な出費が目立つ
-
家計の状態:支出の把握が甘い人ほど残高不足が多い(36.7%から79.2%へ)
-
公的統計:自己破産の原因も生活苦・低所得が最多で65.86%(複数回答)
借金の理由を一言でまとめれば、その多くは浪費ではなく、収入と支出の差を埋めるための生活防衛だった。借入の有無や金額は、家計が見えているかどうかと強く関連していた。
借金は善悪で語られやすいが、データが示すのは家計の収支構造の問題である。理由を個人の責任に帰す前に、支出の把握とお金の出入りを点検することが、借入と向き合う出発点になる。
参考:10〜30代の借入実態調査|「学生ローン」利用はわずか1.1%と奨学金の22分の1。借入の入口は奨学金が最多
担当者コメント
SOLA公認会計士事務所 コラム担当者コメント:
「会計の実務で家計や資金繰りの相談を受けていると、借入のきっかけは特別な浪費ではなく、日々の収支の小さなズレの積み重ねであることがほとんどです。今回の調査でも、借入経験者の最多理由は『継続的な生活費の不足』であり、ギャンブルは1割未満でした。
注目すべきは、支出を把握していない層の約8割が月末の残高不足を経験している点です。借入を減らす第一歩は節約ではなく、お金の出入りを『見える化』すること。これは企業の資金繰り改善とまったく同じ原理です。」
調査概要
-
調査名:借入と家計に関する意識調査
-
調査対象:全国の男女
-
有効回答数:2,000人(うち借入経験者1,526人=76.3%)
-
調査期間:2026年5月20日〜6月2日
-
調査方法:インターネットによる選択式アンケート(クラウドワークス利用)
※回答者はクラウドワークス登録者であり、在宅就労・ネット利用層が一般人口より多い可能性がある。数値は傾向の把握に用い、日本全体の推計には用いない。
事務所概要
-
名称:SOLA公認会計士事務所
-
代表:福島 悠(公認会計士)
-
所在地:東京都港区芝2-30-15 MMSビルディング5階
-
事業内容:会計・税務顧問、資金調達支援、財務コンサルティング
-
経営革新等支援機関(認定支援機関)
ご留意事項
-
本調査・分析は特定の金融商品・借入手段を推奨するものではありません。
-
融資の可否・条件は各金融機関の審査によります。

