企業の37.1%で夏ボーナス「増加」  平均支給額は47.7万円、前年から1.8万円増 業績回復と物価高が後押し 一方で、「中東情勢」でボーナス抑制の動きも

2026年夏季賞与の動向アンケート

株式会社帝国データバンクのプレスリリース

株式会社帝国データバンクは、全国1,043社を対象に、2026年夏季賞与についてアンケート調査を実施した。

SUMMARY

2026年夏季賞与の従業員1人当たり平均支給額が「増加する」企業の割合は前年比3.4ポイント増の37.1%となった。背景には、業績回復に加え、物価高騰のなかで人材確保や定着率向上を図る狙いがある。規模別では、大企業の4割超で「増加する」のに対し、小規模企業はその割合が10ポイント以上低く、規模間の格差が拡大した。また、賞与の平均支給額(正社員1人当たり)は「30万~50万円未満」が4割近くで最も高く、全体平均は前年比1.8万円増の47.7万円だった。




調査期間:2026年6月5日~6月9日(インターネット調査)
有効回答企業:1,043社


2026年夏季賞与、企業の37.1%で1人当たり平均支給額が前年より「増加」

2026年の夏季賞与[1]の支給状況(従業員1人当たり平均)について尋ねたところ、「賞与はあり、増加する」と回答した企業の割合は37.1%(前年比3.4ポイント増)となった。「賞与はあり、変わらない」は37.2%(同0.2ポイント増)、「賞与はあるが、減少する」は10.7%(同1.3ポイント減)で、合計すると、『賞与あり』の企業は85.0%となり、前年(82.7%)から2.3ポイント上昇した。一方で、「賞与はない」企業は11.0%(同2.0ポイント減)だった。

規模別に「賞与はあり、増加する」企業の割合をみると、「大企業」(44.4%、前年比6.0ポイント増)は全体(37.1%)を7.3ポイント上回った。他方、「中小企業」(36.0%、同3.0ポイント増)は全体を下回り、「大企業」との差は前年から拡大した。なかでも「小規模企業」(31.4%、同4.4ポイント増)は水準が低く、「大企業」を13.0ポイント下回るなど、依然として大きな開きがみられる。

「賞与はあり、増加する」企業からは、「業績が向上したため、社員へ還元する」(建設)のように、業績改善を理由とする声が多数聞かれた。他方、「業績が悪化したが、物価高騰のなかで、人材確保、従業員のモチベーション維持を考え賞与をアップせざるを得ない」(機械・器具卸売)との声もあり、物価高騰のなかで人材の確保・定着を目的として賞与を増額する企業も少なくない。また、ベースアップなど給与の引き上げにともない、賞与も増額となるケースもみられた。

一方で、「賞与はあり、変わらない」および「賞与はあるが、減少する」企業では、「ナフサ由来の原材料の値上がりと品不足で業績が大幅に悪化したため、賞与の支給額を大幅に減らすことになった」(機械製造)など、コスト増による業績悪化を理由にあげるコメントが目立った。また、「中東情勢などにより先行き不透明感が強すぎるため賞与は減額」(建材・家具、窯業・土石製品製造)のように、先行きへの不安感が重しとなっている様子もうかがえた。 

夏季賞与の正社員1人当たり平均支給額は前年比1.8万円増の47.7万円

2026年の夏季賞与の支給額(正社員1人当たり平均)を尋ねたところ、「30万~50万円未満」の企業の割合が37.0%で最も高かった。次いで、「50万~75万円未満」(26.2%)、「15万~30万円未満」(19.4%)が続いた。なお、全体平均は47.7万円と2025年(45.9万円)から1.8万円増加した。


本アンケートの結果、2026年夏は8割を超える企業が、従業員にボーナスや一時金などを含め何らかの賞与を支給する予定であることが明らかになった。なかでも、賞与を増額する企業の割合は前年から3.4ポイント増の37.1%だった。また、金額面においても、正社員1人当たりの賞与の平均支給額は47.7万円と、前年から1.8万円増加した。背景には、業績回復に加え、人材確保や定着率向上を目的とした報酬改善の動きがある。さらに、「ベースアップに連動して賞与も引き上げた」とする声も複数寄せられており、近年の賃上げ機運の高まりが賞与水準を押し上げる一因と考えられる。

一方で、すべての企業が増額に踏み切れているわけではない。中東情勢の悪化を契機としたコスト負担の増加が利益を圧迫しているほか、先行き不透明感を理由に賞与支給額を抑制する企業も一定数存在し、賞与動向には二極化の兆しがみられる。

物価高騰が続くなか、慢性的な人手不足を背景に、賞与の引き上げなど待遇改善の動きは今後も続くことが見込まれる。しかし、中東情勢を含む先行き不透明感の高まりにより、その継続は容易ではない。企業からは「業績向上を受けて賞与を増額したが、中東情勢が不透明で、この状態が続けば冬季賞与は減額の可能性が高い」(機械・器具卸売)といった声が聞かれる。こうした状況下、持続的な賞与の引き上げはハードルが高く、その効果による消費拡大も限定的にとどまる可能性がある。

<参考>企業からの声

「賞与はあり、増加する」

  • 将来への不安から、給与を上げることが難しく、賞与で調整している状況(不動産)

  • 物価上昇や賃上げに対して価格転嫁がある程度できたため、夏季賞与を増額することができた(機械製造)

  • コスト増に対し価格転嫁が十分にできておらず、中東情勢などで先行き不透明感も増しているが、人材確保のために賞与を引き上げるしかない(電気機械製造)

  • 増収・増益となったため、賞与も十分に支給する。ただし、今後は物価高などによる景気悪化で業績が悪化した場合、冬の賞与は現状より抑制される可能性がある(飲食料品卸売)

  • 物価の上昇にともない、少しでも従業員に還元したいとの思いから、一律に増額したいと考えている

    (運輸・倉庫、一般貨物自動車運送)

  • 価格転嫁が十分にできておらず需要も減り、業績は減収・減益となったが、社員の生活を守るために賞与を少し増やした(運輸・倉庫、港湾運送)

  • 物価上昇の折から増額支給を考えている。併せて、昇給額が少なかったため、一時金としての賞与の増額をしたい(旅館・ホテル)

「賞与はあり、変わらない」「賞与はあるが、減少する」

  • 中東情勢の悪化により、材料の入荷がほぼなく、資材の確保ができていない。材料がなければ、仕事の目処が立たず、給料も払えなくなり、賞与どころの話ではない(建設、塗装工事)

  • 先行きが不透明のため、会社にストックすることになった(建設、土工・コンクリート工事)

  • 原材料や資材、人件費、物流費などの上昇に対し、価格転嫁が十分に進んでいないため、賞与はやむを得ず減額となった(飲食料品・飼料製造)

  • ベースアップを実施しているため、賞与で大幅増額は考えていない(飲食料品卸売)

  • 世間では賃上げありきの方向感だが、中小企業にとっては年々人件費負担が重くなっている(リース・賃貸)

  • 人材流出を防ぐために賞与を増額したいところだが、資材高騰と油脂類の調達遅延などでできない状況(メンテナンス・警備・検査)

賞与はない

  • 化石燃料価格やすべての包材価格の高騰による収益の悪化が避けられないため、今年は支給を見送らざるを得ない(化学品製造)

  • 資金繰りが厳しく、ここ数年支給していない(情報サービス)

[1] ボーナス、一時金など含む

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