「税務の壁」に5割が税理士依頼。暗号資産投資家の判断基準

高年収層はリスク回避を重視。高まる「税理士のお墨付き」需要

株式会社Claboのプレスリリース

株式会社Clabo(本社:東京都港区、代表取締役:上野 育真)は、暗号資産経験者305名を対象に「確定申告における税理士の利用実態」に関する意識調査を実施しました。

調査の結果、経験者の50.5%が税理士への依頼経験を持ち、そのうち約56%が運用開始1年以内という早い段階でプロの活用を検討していることが判明しました。

特に投資規模が50万円を超える層では約7割が依頼経験者であり、資産規模の拡大に伴い、複雑な損益計算の手間や将来的な税務調査リスクを回避するための「外注ニーズ」が顕著に高まる実態が浮き彫りになりました。

本レポートでは、保有者が自力申告から専門家依頼へと踏み切る「判断基準」や、依頼を迷う背景にある「コストとアクセスの課題」を、属性別のクロス集計データを基に詳しく紐解いています。

■ 調査概要

調査実施日:2026年2月24日

調査方法:インターネット調査

調査対象:国内在住の男女(暗号資産利用者)

有効回答数:305名

実施機関:株式会社Clabo

■ 調査内容

依頼経験者は約半数。毎年依頼する層とスポット利用層が二極化

継続的な依頼は2割弱。半数以上が「税理士の力」を借りた経験あり

暗号資産の確定申告において、税理士をどの程度活用しているかを調査したところ、過去に一度でも依頼したことがある層は合計で50.5%に達しました。

毎年継続して依頼している保有者は17.7%に留まる一方、スポットで専門家の支援を仰ぐスタイルが一定数存在することが分かります。

暗号資産の損益計算は年々複雑化しており、特に海外取引所やDeFi(分散型金融)を利用するユーザーにとっては、自力での計算が困難なケースも少なくありません。

こうした背景から、必要に応じてプロの知識を活用する動きが一般的になりつつあると推察されます。

一方で、依頼したことがない層も約44%と依然として多く、二極化が進んでいる実態も浮き彫りとなりました。

税制の整備が進む中で、保有者が「自分でやるか」「任せるか」の明確な判断基準を求めている様子がうかがえます。

投資規模が大きいほど依頼率は上昇。50万円以上層では約7割が経験

投資規模と税理士への依頼傾向を分析すると、運用額が大きくなるにつれて「毎年依頼している」という回答が顕著に増加する傾向が見て取れました。

50万円以上の投資規模を持つ層では、毎年依頼と過去の依頼経験を合わせると7割を超え、資産額に比例して税務リスクへの意識が高まることが分かります。

反対に、10万円未満の層では「依頼したことはない」が半数以上を占めており、少額投資の段階ではコスト面から自力での申告を選択するケースが多いようです。

納税額が多額になる可能性がある層ほど、事後の税務調査リスクや計算ミスを回避するために、早い段階からコストを払ってでも専門家を確保する傾向にあります。

これは、暗号資産特有の累進課税制度において、利益が膨らむほどミスの代償が大きくなるという構造を保有者が冷静に捉えている結果だと言えるでしょう。

資産形成の初期段階から、将来的な税理士依頼を見据えた管理体制を構築しておくことが、健全な投資活動の鍵となります。

短期売買層は「手間」を嫌う傾向。利用頻度が依頼の判断を左右する

投資スタイル別に依頼状況を確認すると、短期売買を頻繁に行う層や、長期と短期を併用するアクティブな保有者の依頼率が高い結果となりました。

短期売買が中心のユーザーは、年間の取引件数が膨大になりやすく、取引所から提供される年間取引報告書だけでは正確な損益計算が完結しないことが主な要因です。

対照的に、ガチホ(長期保有)を基本とする層では、売却機会が限定されるため「依頼なし」が5割を超えており、自力での対応が可能な範囲に収まっていると推測できます。

取引履歴の多寡は、そのまま申告作業の「工数」に直結するため、時間の節約という観点から税理士が選ばれている実態が浮き彫りとなりました。

特に、NFTの売買やステーキング報酬など、取引の種類が多岐にわたる場合は、1つひとつの処理に高度な税務判断が求められます。

自身の取引スタイルが「複雑化」していると感じるタイミングこそが、多くの保有者にとって税理士依頼を検討するクリティカルな分岐点になっているようです。

タイムパフォーマンスを重視。「複雑な計算」をプロへ外注する保有者たち

6割以上が「効率化」を優先。複雑な取引に伴う事務負担が最大の壁に

税理士への依頼を決定した保有者に対し、その主な理由を調査したところ、「時間や手間を減らしたかった」という回答が60.4%で最多となりました。

暗号資産の損益計算は、取引所間の送金や多種多様な銘柄の売買が重なるほど、自力で正確に算出するためのコストが膨大になります。

多くの保有者は、自分の時給や機会費用を考慮し、煩雑な事務作業を専門家へアウトソーシングすることで、投資判断などのコア業務に集中する「タイパ」重視の姿勢を鮮明にしています。

次いで多かったのは「取引内容が複雑だと感じた(49.4%)」という回答です。

DeFiでのステーキングやNFTの二次流通など、現行の税制では判断が分かれる高度な取引を行う層にとって、計算の難易度が依頼の大きなトリガーとなっています。

また、約4割が「税務リスクの回避」を挙げており、後日の税務調査や過少申告加算税といったペナルティに対する防衛策として、税理士の署名が持つ信頼性を買っている実態が浮き彫りとなりました。

保有者にとって、税理士への報酬は単なる経費ではなく、将来的な追徴課税のリスクをヘッジし、自身の貴重な時間を生み出すための「必要経費」として定着していると言えるでしょう。

年収1,000万円以上層はリスク回避志向。高所得者ほどプロの「安心感」を重視

世帯年収別に依頼理由を分析した結果、年収が高くなるほど「税務リスクを避けたい」という回答が増加し、1,000万円以上の層では約58%に達しました。

高所得者層にとって、申告漏れが指摘された際の社会的・経済的なダメージは大きく、より盤石な体制で確定申告を終えたいという強い動機がうかがえます。

また、同層では「時間や手間を減らしたかった(69.2%)」の数値も高く、忙しいビジネスパーソンとしての側面が強く反映されていると考えられます。

対照的に、年収400万円未満の層では「取引内容が複雑だと感じた(51.2%)」が「時間・手間」の次にきており、自力の限界を感じた際に依頼を検討する傾向が顕著です。

所得水準にかかわらず、約半数が取引の複雑さを理由に挙げている点は、暗号資産市場全体の技術的・実務的なハードルの高さを示唆しています。

一方で、高所得層では「周囲や情報で勧められた(30.8%)」の割合も高く、富裕層コミュニティ内での口コミや専門家紹介が依頼のきっかけになっている側面も見逃せません。

この結果は、資産規模や所得が増えるほど、保有者が「専門家によるお墨付き」に高い価値を見出すようになるという、資産管理の成熟過程を如実に示しています。

若年層は「SNS・メディア」の影響大。30代以下は情報の後押しで依頼を決断

年代別の分析では、20代以下の若年層において「周囲や情報で勧められた(43.8%)」という回答が、他の年代よりも圧倒的に高い数値を示しました。

SNSや仮想通貨専門メディアに日常的に触れている若年層は、インフルエンサーやWeb上の情報から「損益計算の重要性」や「税理士へ依頼するメリット」を吸収しやすい環境にあります。

彼らにとって、税理士への依頼は自身の判断だけでなく、外部からの推奨や情報の蓄積によって「正しい選択」として認識されている様子がうかがえます。

一方で、40代以降のミドル層では「取引内容が複雑だと感じた(56.9%)」が主な動機となっており、実務的な行き詰まりが依頼の決定打となる傾向が強まっています。

30代では「時間・手間(66.7%)」と「税務リスク(43.1%)」の両方が高く、働き盛りとして効率を追求しつつ、将来の不安を解消したいというニーズが読み取れました。

年代によって依頼のトリガーは異なりますが、全年代を通じて「時間」というリソースの価値を高く評価している点は共通しています。

情報の波に敏感な若年層と、実務的な課題に直面するミドル・シニア層。それぞれの文脈で「税理士というリソース」が有効活用されている現状が明らかとなりました。

自力申告が3割で最多。コストと「依頼方法の不明点」が障壁に

費用対効果への疑問が根強く、5人に1人は「頼み方」が分からず断念

税理士に依頼しなかった層の理由を調査したところ、「自分で対応できると思った」が31.1%で最も多い結果となりました。

昨今は、暗号資産専用の損益計算ツールが普及しており、API連携などで比較的容易に計算を完結できる環境が整いつつあります。

自身の取引が国内取引所のみである、あるいは現物取引に限定されている場合、コストを払ってまで外注する必要はないと判断する保有者が一定数存在することが分かります。

一方で、28.5%が「費用が高い」と感じており、専門知識への対価と自身の投資利益のバランスをシビアに見極めている実態も浮き彫りとなりました。

特に注目すべきは、「依頼方法が分からない(22.5%)」や「どの税理士に頼めばよいか分からない(16.6%)」といった、リテラシー以前の「入口」で躓いている層の存在です。

暗号資産に精通した税理士はまだ希少であり、ユーザー側が適切な相談先にアクセスできていないという構造的な課題が、非依頼層の要因として大きく関わっていると考えられます。

自力での申告はコスト削減になる反面、最新の税制改正への対応や計算漏れのリスクを全て自身で負うことになります。

「自分でできる」という判断が、客観的なリスク評価に基づいているかどうかが、将来の税務リスクを左右する重要な分岐点となるでしょう。

世帯年収400万円未満はコスト重視。低所得層ほど「手数料の壁」を実感

世帯年収別の分析では、年収400万円未満の層で「費用が高いと感じた(34.4%)」が最多となり、他の所得層を大きく上回りました。

暗号資産の税理士報酬は、取引件数や複雑さによって数万〜数十万円単位で変動するため、投資元本や年間利益が限定的な層にとっては、大きな負担感となっていることがうかがえます。

一方、年収400万〜1,000万円未満の層では「自分で対応できる(37.7%)」がトップとなり、実務能力とコスト意識のバランスを取っている様子が見て取れます。

年収1,000万円以上の高所得層においても、2割以上が「費用が高い」と回答している点は興味深く、富裕層であっても無条件に外注するわけではない実態を示しています。

また、同層では「どの税理士に頼めばよいか分からなかった(33.3%)」という回答が他の層の2倍近くに達しており、専門性の高い税理士を厳選したいニーズに対し、供給が追いついていない可能性が示唆されました。

資産規模が大きくなるほど、単なる記帳代行ではなく、暗号資産特有の深い知見を持つパートナーを求めていると言えるでしょう。

このように、非依頼の背景には「払いたくない」という消極的な理由だけでなく、「払う価値のある相手が見つからない」という切実な悩みも混在していることが分かります。

女性層は「依頼方法の不明点」が顕著。3割近くが相談の第一歩で苦慮

性別で見ると、男性に比べて女性層は「依頼方法が分からなかった(29.8%)」という回答が約10ポイント高い数値を示しました。

男性保有者が「自分で対応できる」という自信や「費用」を理由に挙げる傾向が強いのに対し、女性保有者は「どこに、どうやって連絡すべきか」というプロセスへの不安が依頼を阻む一因となっています。

これは、暗号資産税務という専門性の高い分野において、初心者や特定の層に向けた「最初の一歩」を解説する情報が、未だに不足していることの現れかもしれません。

「自分で対応できる」とする層についても、男性は3割を超えていますが、女性は2割台に留まっており、自力での申告に不安を抱えつつも、依頼の仕方が分からずに踏みとどまっている状況が推測されます。

暗号資産の裾野が広がる中で、性別や投資経験を問わず、誰もがアクセスしやすい税務相談窓口の周知が、業界全体の課題として浮き彫りになりました。

専門家への依頼は、単なる申告の代行ではなく、投資活動における「安心感の購入」でもあります。

手続きの不透明さが原因で、本来得られるべきサポートを受けられていない層への対策が、健全な投資市場の発展には不可欠です。

  • 運用開始1年未満が「依頼」の分岐点。小規模投資でも4割が専門家を検討

  • 専門性への不安が根強く。3割以上が「適任の税理士」との接点を熱望

  • まとめ

上記内容を含め、アンケートの詳細なレポートは記事本文をご確認ください。

■ 暗号資産投資に関する免責事項

本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。

また、株式会社Claboではウォレットの復旧を始めとする、セキュリティ対策、保全手順、暗号資産に対する相談を承っております。

暗号資産に関わるお悩みがお有りの方はぜひ当社の初回無料相談窓口をご活用ください。

詐欺をはじめとするトラブルについてもご相談いただけますが、以下の公的・行政相談窓口のご活用もご検討ください。

■ 専門家・公的機関への相談窓口

Claboへのご相談(初回無料):https://www.clabo-inc.co.jp/contact

警察相談専用電話:#9110

消費者ホットライン:188

詐欺的な投資に関する相談ダイヤル:0570-050588

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調査主体:株式会社Clabo

公式レポート:https://www.clabo-inc.co.jp/media/divs/crypto-tax-filing-professional-service-survey

プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000178703.html

Claboへのご相談(初回無料):https://www.clabo-inc.co.jp/contact

■ 会社概要

株式会社Clabo

所在地:〒106-0032 東京都港区六本木一丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー16階

代表取締役:上野 育真

設立:2025年7月

X(旧Twitter):https://x.com/clabo_inc

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