3年以上のベテランでも1割が未設定。慢心が招く資産保護の穴
株式会社Claboのプレスリリース

株式会社Clabo(本社:東京都港区、代表取締役:上野 育真)は、暗号資産利用者293名を対象に「二要素認証(2FA)の設定状況とセキュリティ意識」に関する実態調査を実施しました。
調査の結果、2FA設定率は8割に達する一方、全サービスで完了している層は4割弱に留まり、多くのユーザーが「一部未設定」という管理の隙を抱えたまま運用を続けている実態が判明しました。特に20代や初心者層では「操作の手間」が壁となり、未設定者の約54%が不安を抱えながらも対策を後回しにするジレンマが浮き彫りになっています。
本レポートでは、投資経験や資産規模で生じる「セキュリティ格差」の正体と、巧妙化するサイバー攻撃から資産を死守するために、保有者が今取り組むべき具体的な防護策の方向性を提示しています。
■ 調査概要
調査実施日:2026年2月24日
調査方法:インターネット調査
調査対象:国内在住の男女(暗号資産利用者)
有効回答数:293名
実施機関:株式会社Clabo
■ 調査内容
2FA設定率は8割弱。一部設定に留まる「管理の隙」が課題か
全サービス設定は4割未満。利便性と安全性の間で揺れる保有者

暗号資産の資産保護において、二要素認証(2FA)は最も基本的かつ強力な防護策です。
今回の調査対象となった暗号資産利用者のうち、すべてのサービスで設定している割合は38.23%に留まりました。
一方で、一部のサービスのみ設定している層が41.64%と最多となっています。
この結果は、多くの保有者がセキュリティの重要性を認識しつつも、実運用では「手間」や「利便性」を優先している実態を浮き彫りにしています。
特に複数の暗号資産交換業者を利用する場合、すべての口座で厳格な管理を徹底することの難しさが伺えます。
一部でも未設定の箇所があれば、そこが攻撃の起点となり得るため、管理体制としては不十分と言わざるを得ません。
また、15.02%が全く設定していないと回答している点は、非常に危惧すべき状況です。
セルフカストディ(自己管理)が原則の世界において、IDとパスワードのみの防護では、フィッシング詐欺やリスト型攻撃に対して無防備に近い状態です。
市場の健全な発展のためには、利用者のリテラシー向上と設定の義務化に近い啓蒙が、早急に取り組むべき課題となっています。
3年以上層でも未設定が1割。経験に関わらず残るセキュリティの穴

投資経験年数別に2FAの設定状況を分析したところ、経験が増えるほど「すべてのサービスで設定」する割合が高まる傾向が確認されました。
3年以上のベテラン層では約半数が全サービスで設定を完了させており、過去の市場トラブル等を背景とした危機意識の高さが推察されます。
対照的に、半年未満の初心者層では未設定や「分からない」の合計が2割を超えており、参入初期の防御の甘さが顕著です。
特筆すべきは、3年以上の経験者であっても1割以上が「設定していない」と回答している事実です。
知識が豊富であっても、操作の慣れからくる「慢心」がセキュリティの穴を生んでいる可能性があります。
暗号資産の世界では、一度のミスが致命的な損失に直結するため、ベテランであっても基本に立ち返る姿勢が求められます。
初心者が安全に市場へ定着するためには、初期設定のフローに2FAを組み込むなど、意識的な対策が不可欠です。
経験年数に関わらず、常に最新のセキュリティ脅威を把握し、対策をアップデートし続ける必要があります。
「自分は大丈夫」という根拠のない自信を捨て、技術的な防壁を構築することが、資産を守る手段として有効です。
50万円以上の高額層は設定率9割。資産規模が危機意識を押し上げる

投資額と2FA設定率には、非常に強い相関関係が見て取れます。
投資額が50万円を超える層では、9割以上が何らかの形で2FAを導入しており、資産規模の拡大が直接的にセキュリティ意識の向上に寄与しています。
資産を失った際のダメージが大きいほど、保有者は技術的な防護策を積極的に取り入れる姿勢を強めることが分かります。
一方で、1万円未満の少額投資層においては、未設定率が全層の中で最も高い数値を示しました。
「少額だから狙われないだろう」という心理的な油断が、設定を後回しにさせる要因となっていると考えられます。
しかし、攻撃者は金額に関わらず脆弱なアカウントを標的にするため、少額であってもリスクは等しく存在します。
中堅層(10万〜50万円未満)においても、一部設定に留まるケースが多く見受けられます。
投資額が増加していく過程で、セキュリティレベルが追いついていない「過渡期」の保有者が多いと推察されます。
資産を守るためのコストや手間を、投資に必要な必要経費として捉えるマインドセットの転換が必要です。
20代の未設定率が最多。モバイル利用の簡便さが招くリスクの軽視

年代別の集計結果では、20代から40代の現役世代において、2FAの未設定率が相対的に高いことが判明しました。
特に20代では「設定していない」および「分からない」の合計が3割に迫り、他年代よりもセキュリティへの関心が低い傾向にあります。
デジタルデバイスの扱いに長けている反面、手軽さを優先して堅牢な管理を敬遠している実態が浮き彫りになりました。
これに対し、60代の層では全員が何らかの形で2FAを設定しており、慎重な運用姿勢が際立っています。
技術的な難解さを感じつつも、公的機関やメディアからの警告を真摯に受け止め、対策を講じている様子がうかがえます。
若年層がモバイルでの利便性を追求するあまり、セキュリティの基本を疎かにしている点は、今後の運用において大きなリスクとなります。
SNSやYouTubeを通じて情報を得る若年層は、流行の銘柄や収益性には敏感ですが、守りの知識が欠落しているケースが散見されます。
どの世代においても、暗号資産の保有は銀行口座の管理とは根本的に異なるという認識を持つことが重要です。
利便性とセキュリティを二者択一で捉えず、両立させるためのリテラシーを全世代が身につけるべき時期に来ています。
設定を阻む「手間の壁」。心理的バイアスが招く脆弱な運用実態
手間と利便性が最大の障壁に。方法の不明瞭さも約36%と高水準

暗号資産のセキュリティにおいて、2FA未設定者が抱える最大の障壁は「心理的なコスト」であることが判明しました。
今回の調査結果によると、未設定理由の首位は「手間がかかりそう(約37.3%)」であり、次いで「ログインが面倒(約32.2%)」という利便性への懸念が上位を占めています。
多くのユーザーが、セキュリティの強化を「日々の快適さを損なう負担」として捉えている実態が浮き彫りになりました。
また、「設定方法がよく分からなかった」とする回答も約35.6%に達しており、技術的なハードルも無視できない要因です。
暗号資産交換業者が提供する認証アプリや物理デバイスの操作は、初心者にとって複雑に映るケースが少なくありません。
こうした知識の不足が、本来行うべき防護策を後回しにさせる負の連鎖を生んでいます。
UI/UXの改善とともに、設定のハードルを下げる具体的なガイドラインの提示が求められます。
さらに深刻なのは、「自分は被害に遭わない(約20.3%)」という根拠のない正常性バイアスです。
サイバー攻撃は資産規模や個人の特定に関わらず、脆弱な箇所を無差別に狙う性質を持っています。
「重要性を知らなかった(約23.7%)」という層も含め、リスクに対する解像度が低いまま運用を続けている保有者は少なくありません。
こうした心理的な油断こそが、攻撃者にとって最大の付け入る隙となっていることを認識すべきです。
未設定層の6割が不安を吐露。対策の必要性を感じつつ動けないジレンマ
2FAを設定していない保有者の心理状態を分析すると、矛盾に満ちた現状が見えてきます。
未設定者のうち、「多少は不安」または「強く不安」と回答した層を合わせると半数を超える約54.2%に達しました。
つまり、大多数のユーザーは自身の口座が脆弱であることを自覚しつつも、何らかの理由で対策を講じられずにいる「ジレンマ」の状態にあります。
この「自覚的な無防備」は、暗号資産市場における大きな潜在的リスクと言えます。
不安を感じつつも行動に移せない背景には、前述した手間や知識不足に加え、具体的な被害イメージの欠如があると考えられます。
「何かあったら怖い」という漠然とした恐怖はあっても、それが「いつ、どのように起きるか」が自分事として捉えきれていないのです。
結果として、緊急性の低いタスクとして処理され、セキュリティが放置されることになります。
一方で、「あまり不安は感じていない」「まったく不安は感じていない」とする層も合計で4割以上存在しています。
これらは、自身の対策(パスワード管理等)に自信がある層か、あるいはリスクそのものを過小評価している層に分かれると推察されます。
しかし、暗号資産を扱う上で2FAを欠いた状態は、現代のサイバー空間では少々危険です。
不安を感じている層には一歩踏み出す支援を、感じていない層には現実的な脅威を啓蒙する、二段構えのアプローチが必要です。
SNS依存層ほど高い未設定率。正確な一次情報へのアクセスが鍵

情報収集のチャネルと2FA設定率には、無視できない相関関係が存在しています。
取引所や公式サービスの案内を主な情報源としている層は、未設定率が約6.3%と極めて低い水準にあります。
これは、公式サイトが提供する「設定推奨」や「被害警告」という一次情報に直接触れることで、危機意識が適切に醸成されている結果と言えるでしょう。
正しい情報を得る習慣が、物理的な資産防衛に直結している好例です。
これに対し、SNS(XやYouTube等)を主軸に置く層では、未設定率が約15.6%と、公式案内参照層の2倍以上の数値を示しています。
SNS上では価格予測や新しい銘柄の情報が溢れる一方で、地味で手間のかかるセキュリティ設定に関する議論は軽視されがちです。
情報の速報性や「稼ぐための知識」を優先するあまり、資産を守るための基礎知識が抜け落ちている可能性が高いと言えます。
二次情報に依存しすぎることは、時に運用の盲点を生む要因となります。
暗号資産の世界で生き残るためには、情報の「質」を吟味する能力が不可欠です。
特に2FAのような基本的な対策は、派手な成功体験よりも優先されるべき「生存スキル」です。
利便性の高いSNS情報を否定する必要はありませんが、重要なセキュリティ判断においては必ず公式ドキュメントを参照する姿勢が求められます。
情報源の偏りを是正し、多角的な視点からリスクを捉え直すことが、安全な運用体制を築くための第一歩です。
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セキュリティ事故の報道が最大の契機。受動的な対策から能動的な防護へ
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リスクの可視化が設定の鍵。初心者と高額層で分かれる情報のニーズ
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まとめ
上記内容を含め、アンケートの詳細なレポートは記事本文をご確認ください。
■ 暗号資産投資に関する免責事項
本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。
また、株式会社Claboではウォレットの復旧を始めとする、セキュリティ対策、保全手順、暗号資産に対する相談を承っております。
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調査主体:株式会社Clabo
公式レポート:https://www.clabo-inc.co.jp/media/divs/crypto-2fa-setup-rate-survey
プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000178703.html
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■ 会社概要
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所在地:〒106-0032 東京都港区六本木一丁目4番5号 アークヒルズサウスタワー16階
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設立:2025年7月
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