SIIF、株式会社LivEQuality大家さんへ出資

- 官民連携アフォーダブル住宅モデルを通じ、住まいを「機会の基盤インフラ」へ -

一般財団法人社会変革推進財団のプレスリリース

一般財団法人社会変革推進財団(東京都港区、理事長:大野修一、以下「SIIF」)は、経済的困窮等により家を借りるのが困難なひとり親家庭向けを中心にアフォーダブルハウジング[1]事業を展開する株式会社LivEQuality大家さんに対し、第三者割当によるA種優先株式への出資を実行いたしました。

本件は、同社がGP(無限責任組合員)として運営を担う東京都・官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンドに関連する取り組みです。

SIIFは本件を、株式会社LivEQuality大家さんへの成長支援とともに、経済的・社会的に課題を抱える子育て家庭へのアフォーダブルハウジング領域における「社会構造の変革(システムチェンジ)」を見据えた取り組みの一環と位置づけています。

[1] アフォーダブルハウジングとは、住まいに困窮している住宅弱者に提供される、市場価格よりも割安な住宅のこと

▼出資の背景と目的:住まいの安定と機会格差

日本では、ひとり親世帯等の子育て家庭を含む住宅確保要配慮者の住居不安が課題となっています。民間賃貸市場では、保証人不在や雇用形態等を理由に入居が難しくなるケースも見られます。

住環境の不安定さは、就労機会の継続、子どもの教育環境、地域とのつながりといった側面に影響を及ぼし、結果として機会格差の固定化につながる可能性があります。

 SIIFは、住まいを単なる生活基盤ではなく、教育・就労・健康と密接に関わる「機会の基盤」と捉えています。アフォーダブルハウジングは、困窮後の対症療法ではなく、格差の連鎖を予防する基盤的インフラとして捉えることが重要な領域です。

▼本件を通じて目指す変化

本件を通じてSIIFが目指すのは、アフォーダブルハウジング領域における次のような変化です。

  1. 住宅の社会的役割の再認識

    住宅支援を福祉的支援の延長としてではなく、機会を支える子育て家庭ひいてはこどもの将来の可能性を広げる社会インフラとして位置づけ直すこと。

  2. 包摂的な住宅供給モデルの広がり

    入居リスクを理由に受け入れを制限する仕組みから、必要な支援を組み込むことで居住を可能にする仕組みへと発展させること。

  3. 格差の連鎖を緩和する基盤づくり

    住まいの安定を通じて、就労や教育の選択肢・可能性を高め、格差の世代間連鎖を緩和する環境を整えること。

  4. 子育て家庭を支える共助システムのアップデート

    昨今の核家族化等を要因として変化している子育て家庭周辺の社会的関係資本について、地域等のコミュニティや支援機関のつながりを再構築すること。

  5. 官民連携による持続可能性の確立

    行政、民間投資、現場の支援ノウハウが連携することで、アフォーダブルハウジングを一過性の施策ではなく、持続可能な仕組みとして育てていくこと。

 

▼投資判断の視点

SIIFは、以下の観点を踏まえ出資を決定しました。本件は、住宅分野における実装を通じて、機会格差の構造的課題に向き合う取り組みです。入居リスクを理由に受け入れを制限してきた従来の賃貸市場の仕組みを見直し、支援を組み込むことで居住を成立させる構造への転換を促す、システムチェンジに働きかける投資と位置付けています。単なる個別支援の拡充にとどまらず、制度や市場のあり方そのものに変化を促すアプローチであると判断しました。

  • 住まいを起点とした機会格差是正の重要性

  • 居住支援付き住宅モデルの実装と制度・市場への波及可能性

  • 官民連携による中長期的な持続可能性

  • 中長期的なインパクト創出と再現可能性、ならびに構造変化への寄与

▼出資概要

  • 出資形態:A種優先株式(第三者割当)

  • 出資金額:5,000万円

  • 資金使途:東京都・官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンドにおけるGP出資

 

▼各社コメント

一般財団法人社会変革推進財団 常務理事 工藤七子

住まいは、教育や就労、健康、地域とのつながりを支える基盤であり、機会格差の構造と深く結びついています。アフォーダブルハウジングは、個別の支援策を超え、共助のシステムと住宅市場の構造そのものに変化を促し得る取り組みです。本件は、LivEQuality大家さんの実践を基盤に、支援付きアフォーダブルハウジングを持続可能な投資対象として位置づけ、官民の資本を組み合わせることで市場構造に働きかける試みでもあります。SIIFは、今後住宅を起点とした取組を行う多様な主体との協働を通じてシステムチェンジの創出に取り組んでまいります。

 

株式会社LivEQuality大家さん  代表取締役社長 岡本拓也

東京都官民連携アフォーダブル住宅ファンドのGPという重責を担うにあたり、最劣後となるリスク負担と資金面の課題を、全く新しい発想で共に突破してくださったSIIF様に、心から感謝申し上げます。私たちの『現場への想い』に深く共鳴しつつ、前例のない『GP出資連動型のトラッキングストック』という金融スキームに共に昇華させて投資を実現する専門性と社会変革への執念は、まさに日本のインパクト投資を牽引するトップランナーそのものです。この上なく心強いパートナーと共に、これからも日本版アフォーダブルハウジングのパイオニアとして、SIIF様にお力添えいただきながら、誰もが安心して暮らせる社会インフラの実現に邁進して参ります。

 

 

【社会変革推進財団(SIIF)】

一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、社会的課題の解決と経済的価値の創出を両立する「インパク ト・エコノミー」の実現を目指す中間支援組織です。2013 年に日本財団内でインパクト投資に関する調査研究を開始し、2017年に「社会的投資推進財団」として設立、2019年に社会変革推進機構との合併を経て現在の体制となりました。

SIIFは、インパクト投資や社会的事業の実践支援に加え、制度・ルール・市場環境といった社会システム の変革(システムチェンジ)にも取り組んでいます。GSG Impact JAPAN(インパクト投資に関する国際的 ネットワークの日本国内諮問委員会)や、金融庁主導によるインパクト・コンソーシアムの運営への参画などを通じて、社会的・経済的価値が循環する仕組みづくりを推進しています。

https://www.siif.or.jp/

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