(証券コード: 7595)
Ascender Capital Ltd.のプレスリリース
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Ascender Capitalは、アルゴグラフィックスがSCSK株売却に伴う約110億円のキャッシュインフローを全額株主に還元すべきだと主張。会社の配当性向が31%にとどまり、過剰資本状態が続いている点を問題視し、既に公表された配当後も「ネットキャッシュ317億円を保有する」と指摘
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追加で1株当たり125円の特別配当と、自己株式の80%の消却を求め、資本効率の改善と規律ある資本政策の徹底を要請
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2026年6月の株主総会に向け、財務・ガバナンス面の体制強化を要求。具体的には外部からのCFOの採用と実効性のある後継者計画(サクセッションプラン)の開示を求め、「今後の価値創造は、規律ある資本配分、バランスシートマネジメント、ガバナンスにますます依存する」と訴えた
東京、2026年2月24日 — Ascender Capital Limitedは、アジアの優れた企業への投資に注力する香港拠点の投資会社です。弊社は日本のソフトウェア/システムインテグレーション領域における長期投資家であり、近年は運用資産の半分超を同セクターに配分してきました。2015年以降、同領域の上場企業100社超を継続的にモニタリングし、50社超の経営陣と面談しています。
株式会社アルゴグラフィックス
取締役会 御中
Ascender Capitalはアルゴグラフィックス(以下「当社」)の長期株主であり、資本政策およびガバナンスに関して、2年以上にわたり当社と積極的に対話を続けてきました。これには、詳細な書面による分析の提出や、2025年6月の定時株主総会における株主提案(関連開示をご参照ください)も含まれます。
私たちの目的は一貫しており、それは当社が規律ある、株主価値と整合的な資本配分を行い、当社の優れた事業クオリティ、財務基盤、運営実績に見合うガバナンス水準を採用することです。
1. SCSK関連取引と、それに伴う現金収入
2025年5月、当社は、SCSKが保有していた19.1%の株式を、PER12.8倍(市場価格に対し10%ディスカウント)という魅力的な倍率で自己株式として買い戻しました。本取引は、残存株主にとって明確に価値増加をもたらしました。
この買い戻し後、私たちは全ての自己株式の消却を要請しました。しかし、消却されたのは半分にとどまり、発行済株式の約12%相当が現在も自己株式として残っています。
また、当社が長年保有してきたSCSKの政策保有株式を処分し、その売却代金を株主に還元するよう正式に要請しておりました。当時この要請は実行されませんでしたが、その後の出来事により、同様の結果となりました。すなわち、2025年12月に親会社であった住友商事がSCSKを完全子会社化するために、公開買付けが実施されたことです。当社としては実質的に応じざるを得ず、2025年12月に約110億円(約7,300万米ドル)のキャッシュインフローを得ました。
この特別利益を受け、当社は当期の1株当たり配当を80円(普通配当40円+特別配当40円)とすることを公表しました。
私たちは、前年の1株当たり配当27.5円(2025年10月の1:4株式分割を調整後)から増配された点は評価します。しかし、配当性向は31%にとどまり、2025年5月に公表された中期経営計画で示された「段階的に配当性向を40%へ引き上げる」という方針と整合していません。
さらに重要なのは、この水準では当社の不要な過剰資本を解消できないことです。発表済みの配当を実施した後も、当社はネットキャッシュ317億円を保有し、これは現在の時価総額の26%に相当します。加えて、非中核の投資有価証券がなお132億円も残っています。
2. 資本政策:追加の特別配当と自己株式の消却
今回の例外的なキャッシュインに加え、長年にわたる強いフリーキャッシュフロー創出力を踏まえると、当社はさらなる対応を行うべきです。
よって私たちは、当社に対し以下を要請します。
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1株当たり125円の追加の特別配当を実施し、当期の総配当を1株当たり205円とすること。これにより現金残高はなお約230億円を維持できますが、SCSK関連の臨時の現金収入を株主に全面的に還元する明確な意思表示となり、バランスシート上の現金水準を適正化させ、ROEのさらなる低下を防ぐことにもつながります
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残りの自己株式のうち少なくとも80%を消却すること。将来の経営陣向け株式インセンティブ制度に限って活用できるよう、自己株式残高は限定的(約3.2%程度)にとどめるべきです。過大な自己株式を維持することに戦略的な意義はなく、資本規律を損ないます
これらの措置により、十分な財務的柔軟性を維持しつつ、資本効率は大きく改善します。
3. 2026年6月の株主総会に向けたガバナンスと財務リーダーシップの強化
この10年で、当社は営業利益率を約7%から15%へ引き上げました。これは素晴らしい経営上の成果です。一方で、同程度のペースでの利益率改善が今後も続く可能性は高くありません。
当社が主要株主のいない独立企業として次のフェーズに入る中で、今後の価値創造は、事業オペレーションのレバレッジだけではなく、規律ある資本配分、バランスシートマネジメント、ガバナンスにますます依存するようになります。
しかし、当社には歴史的にCFOが存在せず、同規模の上場企業としては稀です。さらに、SCSKにおいて長年CFOであり、取締役として当社の財務面を担っていた福永氏が2025年6月に退任して以降、財務面の監督および投資家とのコミュニケーションは一段と弱まっています。
よって私たちは取締役会に対し、以下を強く要請します。
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外部からのCFOの招聘に向けたエグゼクティブサーチを開始すること(財務戦略、資本配分、IRを主導できる経験・権限・マンデートを備えた人材)
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2026年6月の株主総会に先立って、明確で信頼できる経営陣の後継者計画(サクセッションプラン)を公表すること。あわせて、取締役会の財務・ガバナンス・戦略面の専門性を補強する計画を示すこと
私たちが株主である日本の上場IT企業の中でも、B-EN-G、NCS&A、CRESCO、ITFORなどは近年同様の取り組みを進めています。いずれのケースでも、財務リーダーシップの強化が、資本規律の改善、投資家とのコミュニケーションの向上、そして従業員を含む全ステークホルダーへの恩恵につながりました。
4. 結び
当社は、卓越した事業オペレーション実績を持つ優れた企業です。私たちは、2026年において当社の規模と事業品質にふさわしいガバナンス体制と財務リーダーシップが整備され、変化の速い業界環境の中でも独立企業としての次の成長フェーズを支えられるよう、これらの点を提案しています。
私たちは取締役会との建設的かつ直接的な対話に引き続き前向きであり、今後数週間のうちにコーポレートガバナンス上の論点についても意見を提出する予定です。
アセンダー・キャピタルについて
2012年12月に設立されたアセンダー・キャピタルは、香港を拠点とするバリュー投資に特化した投資会社で、日本を含むアジアの投資機会を重点的に追求しています。ファンドは、利益と利益成長の実績を有する優れた企業に焦点を当てています。
本件に関するお問い合わせ先:
Jean-Charles Tisserand
Edouard Mercier
Email: info@ascendercapital.com
Tel: +852 3758 2608
免責事項
アセンダー・キャピタルは、株式会社アルゴグラフィックスの株式を保有する私募ファンド(以下「アセンダー・キャピタル・ファンド」といいます)の投資運用者です。本プレスリリースに記載の情報および見解は、アルゴグラフィックスの取締役会および経営陣が弊社の懸念にいかに真摯に対応し、株主の意見に耳を傾け、すべての株主の利益にかなう形でアルゴグラフィックスの株式価値向上に努めているかについて、他の株主が慎重にモニタリングすることを可能にするため、情報提供・参考目的でのみ公表するものです。
アセンダー・キャピタルは、いかなる形においても、(i) アルゴグラフィックスの他の株主に対し、アセンダー・キャピタルと共同して株主権(投票権を含みますがこれに限られません)を行使するよう勧誘または要請するものではなく、また (ii) いかなる取引についても、その申込みまたは申込みの勧誘、あるいは助言・招待・勧誘・誘引を行うものではなく、さらに (iii) その他のいかなる行動をとること、またはとらないことについても、助言・招待・勧誘・誘引(本プレスリリースに記載された条件によるか否かを問いません)を行うものではありません。
さらに、本プレスリリースおよび弊社ウェブサイトに掲載される情報は、いかなる有価証券の購入または売却を推奨するものではなく、また、有価証券の売付けの申込みまたは買付けの申込みの勧誘を構成するものでもありません。本プレスリリースおよび弊社ウェブサイトの内容は、投資、税務または法務に関する助言を意図するものではなく、また、そのように解釈または使用されるべきものではありません。本プレスリリースおよび弊社ウェブサイトの情報は、アルゴグラフィックスの事業およびガバナンス構造に関するアセンダー・キャピタルの意見、解釈および見積りを示すものであり、アセンダー・キャピタルは、アセンダー・キャピタル・ファンドの投資助言者としての立場においてのみ、これらの意見を表明しています。

