日本人は物価高や退職後の準備に不安を抱く中でも、短期的には楽観が優勢
フィデリティ投信株式会社のプレスリリース
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42%が今後6か月を「楽観的」と回答、悲観(33%)を上回る
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インフレ・生活費上昇が最大の経済ストレス
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退職後の備えとAI活用では国際比較で課題が明確に
フィデリティ投信株式会社(代表取締役社長:コルビー・ペンゾーン、本社:東京都港区、以下「フィデリティ投信」)は、フィデリティ・インターナショナルが実施したウェルビーイングや金融行動、仕事、さらに職場でのAI活用などに関するグローバル調査、「フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ*2025」の結果を発表しました。本調査は2021年から毎年実施しており、2025年は35の国・地域で就労者3万8千人超(日本2,000人)を対象に実施しました。
本年の結果からは、物価上昇が続く環境下でも日本の就労者の間で一定の落ち着きと前向きな姿勢が見られる一方、退職後の備えやAI活用といった将来の生活基盤において課題が存在することが明らかになりました。
日本の就労者の「楽観」と所得による意識差
今後6か月という短期的な見通しに対して42%が「楽観的」と回答し、33%の「悲観的」を上回りました。物価高や経済不透明感が続く中でも、悲観優位には傾いていないことが分かりました。一方で、こうした楽観的な見方は 収入階層によって異なり、年収による意識差が顕著であり、高所得層では57%が楽観的であったのに対し、低所得層では22%にとどまりました。

インフレと生活費の上昇が最大のストレス要因に
生活費の上昇とインフレは、日本の就労者にとって最も強いストレス要因(17%)で、次いで経済状況(15%)が続きます。これらは日常生活だけでなく、職場での集中にも影響を与えています。実際、最近の貯蓄額の減少の理由として63%が「家計費の増加」を挙げ、食料品・光熱費・居住費など生活必需品の価格上昇が負担となっている様子がうかがえます。一方で、32%が日々のお金の管理には自信を示すなど、短期的なお金の管理には一定の安定も見られました。
退職への備えと投資への自信不足が依然として課題
多くの生活領域については「良好」との回答が見られた一方、「貯蓄」と「退職後の備え」は相対的にネガティブでした。資産形成ならびに退職後の準備への不安は根強いにもかかわらず、準備が十分とは言えない状況が見えます。また、投資や退職資金形成に対する自信が低い中、金融に関する情報や助言を友人・家族・SNSなどに求める人が多く、専門家から助言を受けた人は42%にとどまっています。こうした「知識ギャップ」と「行動ギャップ」は、過去調査からの継続的な日本特有の傾向です。

65歳を節目とする定年観と、退職後も働き続けたいという意向
日本の就労者が想定する退職年齢の中央値は65歳、退職後に必要と考える資産額の中央値は3,000万円でした。高所得層では5,000万円、低所得層では1,500万円と、収入階層により見込み額は大きく異なっています。また、退職後の備えのための貯蓄開始年齢の中央値は38歳でした。退職後も働き続けたいと考える人が39%にのぼり、その最大の理由は「社会とのつながりを維持したい」(52%)というものでした。経済的理由はこれに次いで重要視されています。また、退職後の最大の懸念として最も多く挙げられたのは「健康問題」(51%)であり、健康が老後設計における重要な要素として認識されていることがうかがえます。
仕事への満足度は低水準、離職意向は限定的
仕事全体への満足度は21%が「満足」、27%が「不満」と回答しており、満足が不満を下回りました。収入が高いほど満足度も高まる傾向がみられ、高所得層では33%が満足である一方、低所得層では49%が不満と回答するなど、収入と満足度の関連性が確認されました。
離職意向に目を向けると、6か月以内に離職を予定する人は全体ならびに高所得層で11%、低所得層でも16%にとどまり、多くの就労者が現職に留まる見通しであることが分かりました。離職理由では「給与への不満」が最も多く、特に若年層では「休暇日数の不足」も主要な要因となっています。
AI活用における国際的な遅れが鮮明に
今回新たに調査項目に加わったAI関連では=ツールにアクセスできる人は39%にとどまり、グローバル平均の61%やアジア太平洋地域の66%を大きく下回りました。
さらに、職場においてデータ保護のセキュリティ対策が優先事項とされていると感じる人は33%、責任あるAI使用のトレーニングを受けられる人は20%、上長・経営陣からAI活用を奨励されている人は21%にとどまっており、体制整備・認知・教育のいずれにも改善余地が見られます。

フィデリティ投信 代表取締役社長 コルビー・ペンゾーンは次のようにコメントしています。
「今回の調査では、物価上昇が続き生活者にとって厳しい環境下においても、日本の就労者の多くが短期的な将来に対して楽観と自信を保っていることが分かりました。一方で、貯蓄や退職後の備えに関しては悲観的に捉える人が楽観的とする人を上回り、世界の他地域との間に依然としてギャップがあることも明らかになりました。また、多くの方が現在、バランスの取れた充実した生活を送っているという好ましい傾向が確認される一方で、退職後の姿を見据えた準備を早期から検討する重要性も改めて浮き彫りになっています。計画的な準備を早めに開始することは、退職後の生活の在り方を左右し得ます。
フィデリティ投信は、日本の皆さまがより安心して将来設計を描けるよう、金融リテラシー向上に向けた情報発信や、ライフステージに応じた金融ソリューションの提供を通じて、継続的に支援してまいります。」
以上
*フィデリティ・グローバル・センチメント・サーベイ
フィデリティ・インターナショナルが世界35の国・地域の就労者38,000人超(日本2,000人)を対象にウェルビーイング(人々の幸福度・満足度)、家計支出や退職後の備えなどのお金の事情、現在の仕事、AIの職場での活用状況等に関して尋ねた調査。データ収集は2025年9~10月、レポート作成・分析は2025年11~12月に、Opiniumと共同で実施。
· 調査対象:20~75歳のフルタイム/パートタイム就労者、日本は世帯年収150万円以上
· 年齢区分:若年層(20~38歳)/中堅層(39~54歳)/高齢層(55~75歳)
· 所得区分:低所得層(年収500万円以下)/中所得層(500万円超~1,100万円以下)/高所得層(1,100万円超)
■ フィデリティ投信について
フィデリティ投信株式会社は、独立系資産運用グループのフィデリティ・インターナショナルの一員として、投資信託および、企業年金や機関投資家向け運用商品やサービスを提供する資産運用会社です。1969年に外資系運用会社として初めて本邦に拠点を設け、日本企業の調査を開始。1990年より日本の年金向け運用業務に参入、1995年に証券投資信託委託業務免許を取得し、同年12月に最初の国内投資信託を設定しました。公募投資信託の純資産残高は約5兆8,671億円で、外資系資産運用会社では首位となっています。(2024年12月末日現在)
■フィデリティ・インターナショナルについて
フィデリティ・インターナショナルは、世界で280万以上のお客様に投資に関するソリューション・サービス、退職関連の専門的知見を提供しています。創立以来50年超、非上場で、世界で25を超える拠点で事業を展開。運用管理総資産額は約140.4兆円(8,932億ドル)に上ります。顧客は、中央銀行、政府系ファンド、大手企業、金融機関、保険会社、資産管理会社から個人まで多岐にわたります。
運用総資産額(AUM)は、資産運用ソリューション・サービス事業と合わせて約98.3兆円(6,254 億ドル)にのぼります。資産運用の専門知識と、私達独自のソリューションを組み合わせることで、より良い金融サービスの提供を目指しています。また職域および個人向け金融サービス事業では、個人、アドバイザー、経営者に世界トップクラスのさまざまな金融商品、サービスツール、管理サービスや年金関連のガイダンスを提供しています。(2024年12月末日現在。為替レートは157.16円で算出)。
当社は1946年米国ボストンで創業された「フィデリティ・インベスメンツ」の国際投資部門として1969年に設立しました。1980年に米国の組織から独立し、現在は経営陣と創業家が主要株主となっています。 詳細については、https://fidelityinternational.com をご覧ください。
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フィデリティ投信株式会社 金融商品取引業者
登録番号:関東財務局長(金商)第388号
加入協会:一般社団法人 投資信託協会、一般社団法人 日本投資顧問業協会

