Visa、ステーブルコインによる決済を米国で開始、ステーブルコイン実装の転換点に

*本リリースは2025年12月16日に米国にて発表されたリリースの抄訳です。

ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社のプレスリリース

ステーブルコイン決済額は年換算で35億ドル超、VisaはUSDC決済ソリューションを米国の機関に提供*

米国サンフランシスコ 2025年12月16日 – Visa Inc. は本日、米国においてUSDC決済サービスの開始を発表しました。これは当社のステーブルコイン決済のパイロットプログラム、そして世界の商取引を支える決済基盤の近代化に向けた戦略の大きな節目となります。米国Visaのイシュアやアクワイアラは、Circleが発行するドル連動担保型ステーブルコインUSDCでVisa決済を行うことが初めて可能となります。

イシュアはUSDC決済により、ブロックチェーン上での、より速やかな資金移動が可能となります。週7日いつでも決済でき、週末や休日も対応可能なため、運用の強靭性も向上します。なお、ユーザーのカード決済体験に変更はありません。

初期の参加銀行には、Cross River BankおよびLead Bankが含まれており、両行はSolanaブロックチェーン上でUSDCによるVisa決済を開始しています。2026年内に米国でさらなる展開を予定しています。

また、VisaはCircleが開発を進めている新たなレイヤー1ブロックチェーンArcの設計に関わっています(現在パブリックテストネットで検証中)。Arcは特化型の設計で、Visaのオンチェーンの国際的な商取引を支えるために必要な性能と拡張性を備えています。また、Arcのローンチ後、Visaネットワーク内でのUSDC決済にArcを活用し、バリデーターノードを運用する計画です。

Visaの成長製品および戦略提携担当グローバル責任者のRubail Birwadkerは次のように述べています。「ステーブルコイン決済の拡充は、バンキングパートナーの要望に答えるものであると同時に、その活用に向けた準備が進んでいることに対応するものです。金融機関からは、より迅速で現行のトレジャリー業務とシームレスに統合できる、プログラム可能な決済オプションが求められています。VisaはUSDC決済を米国で提供することで、銀行業務に対応できる信頼性の高い機能を提供し、トレジャリー業務の効率を向上させつつ、当社のネットワークに必要なセキュリティー、コンプライアンス、レジリエンスの基準を維持します。」

現代の決済体験を刷新

Visaの米国におけるステーブルコイン決済の特長:

  • いつでも決済可能:従来の週5日営業から週7日へ拡大することで、銀行やフィンテック企業の決済スピードと流動性が向上

  • 流動性とトレジャリー管理を刷新:参加する銀行は自動化された次世代のトレジャリー業務を実現可能に

  • 互運用性:従来の決済ネットワークとブロックチェーンベースのインフラを接続

革新的なステーブルコイン技術の実証された基盤を拡充

米国におけるステーブルコイン決済の導入は、Visaが数年間にわたり中南米・カリブ海地域、欧州、アジア太平洋地域、中欧・東欧・中東・アフリカ地域の国々など世界中で実施してきたステーブルコイン決済パイロットプログラムをさらに拡大するものです。11月30日の時点でVisaの月間のステーブルコイン決済額は年換算で35億ドルを超えました。これは、2023年にVisaが主要ネットワークの一社として初めてステーブルコインによる決済取引を提供し始めて以来の重要な節目となります。また7月には、Visaのステーブルコイン決済パイロットプログラムで新たなブロックチェーンおよびステーブルコインに対応したことを発表し、パートナーはより柔軟にVisaNet上の債務履行を行えるようになりました。

Visaは2021年に初めてUSDC決済の試験を実施しました。USDCを運営するCircleは、担保型ステーブルコインを金融機関の決済フローに統合することの重要性を強調しています。Circleの最高製品技術責任者であるNikhil Chandhok氏は次のように述べています。「米国でVisaによるUSDC決済が可能になることは、ソフトウェアのスピードで動くインターネットネイティブな資金移動の重要な節目となります。カードを発行する金融機関は、USDCの特長である透明性と信頼性を維持しつつ、トレジャリー業務を刷新し、新たなサービスを生み出すことが可能となります。」

当初のパートナー銀行は、APIを活用したより速やかな決済体験のメリットを強調しています。先進技術を積極的に活用し、トップレベルのフィンテック企業と連携するコミュニティーバンクであるLead Bankは、週7日対応の決済やより明確な資金流動性のタイミングが顧客にとってますます重要になっているとしています。Lead Bankの最高経営責任者(CEO)であるJackie Reses氏は次のように述べています。「Lead Bankは米国でいち早くVisaによるUSDC決済に対応できることを誇りに思います。これにより、トレジャリー業務をより迅速かつ正確に遂行できるようになり、地域の方々に最新の金融サービスを提供することが可能になります。」

組み込み金融ソリューションを提供する主力インフラストラクチャープロバイダーのCross River Bankは、真の相互運用性が重要だと強調します。Cross River Bankの創業者でプレジデント兼最高経営責任者(CEO)のGilles Gade氏は次のように述べています。「フィンテックや暗号資産分野の革新的企業からは、自社の既存の製品スイートでステーブルコインを利用できるようにしたいという要望が高まっています。ステーブルコインと従来の決済ネットワークの両方にネイティブ対応する統合プラットフォームが、今後の国際的な資金移動の基盤となります。米国の銀行としていち早くVisaによるUSDC決済に対応することで、当行のようなテクノロジ―を積極的に活用し、深く統合されたバンキングパートナーが、ブロックチェーンネットワークと従来のシステムを大規模に連動させることができることを実証していきます。」

金融機関がこの変化に対応できるよう支援するため、Visaコンサルティング&アナリティクス部門は先日、ステーブルコイン・アドバイザリー・プラクティスを発表しました。これは市場適合性や実装に関するトレーニングや戦略的助言を提供するものです。詳しくはこちらをご覧ください。

USDC決済の詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問

Q.米国におけるVisaのステーブルコイン決済パイロットプログラムの内容は?

  • 米国において、一部のVisaのイシュアやアクワイアラが、VisaNetの債務を法定通貨だけでなくCircleのUSDCで決済できるようにするものです。

  • 決済は対応ブロックチェーン上で行われ、より迅速な資金移動と運用の強靭性の向上を目指します。

Q.ステーブルコイン決済の利点は?

  • 週末や休日を含むブロックチェーン上での速やかな資金移動

  • 米ドル連動担保型の資産であるため予見性が高い

  • 週7日決済を行う利用者に対する担保削減の検討が可能

  • 最新のトレジャリーおよび流動性管理:トレジャリー業務の自動化と取引照合の簡素化

Q.対象利用者層は?

  • 金融機関、フィンテック企業、その他決済業務の刷新、資金流動性タイミングの改善、プログラム可能な資金移動体験の構築を実現したい企業に適しています。

Q.今回の発表はこれまでのVisaのステーブルコイン関連の発表とどういった点が異なるのか?

  • これまでの発表は、Visa Directにおけるステーブルコインによる事前入金および送金のパイロットプログラムと、ステーブルコイン決済における新たなブロックチェーンへの対応に関するものでした。

  • 本日の発表は、Visaのステーブルコイン決済パイロットプログラムを米国に拡大するもので、米国のイシュアやアクワイアラはVisaの債務を直接USDCで決済可能となり、米国の機関パートナーがステーブルコインを決済業務の中核で利用できるようにするものです。

Q.このプログラムに参加するイシュアやアクワイアラは法定通貨とステーブルコインのどちらで決済を行うのか?

  • このプログラムに参加するイシュアやアクワイアラのお客様は、対応ブロックチェーン上でUSDCによる決済が可能です。

Q.より多くのパートナーに提供されるのはいつ頃か?

  • 現在、米国の一部のパートナーに利用いただいていますが、2026年内に広く展開していく予定です。関心のあるお客様は担当部門までお問い合わせください。

  • Visaは今後も電子決済の発展を推進し、ブロックチェーンの力を、当社の信頼性の高い広範な世界有数の決済ネットワークとつないでまいります。

Q.他にステーブルコイン決済を活用している地域は?

  • Visaは欧州、中南米・カリブ海地域、アジア太平洋地域、中欧・東欧・中東・アフリカの複数の国でステーブルコイン決済のパイロットプログラムを積極的に進めています。

*2025年11月30日現在

【Visaについて】

Visaは電子決済の世界的リーダーとして、世界200以上の国と地域における決済取引によって消費者、事業者、金融機関や政府機関をつないでいます。Visaのミッションは、最も革新的かつ利便性や信頼性が高く安全な決済ネットワークで世界を結び、個人や企業、そして経済の繁栄に貢献することです。私たちは、世界中のすべての人にとっての包括的な経済こそが、世界中の人々の生活を向上させ、経済へのアクセスが決済の未来へつながると信じています。詳しくは、Visa.com(英語サイト)またはwww.visa.co.jp(日本語サイト)をご覧ください。

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