少数株ドットコム株式会社 代表取締役会長声明

― 法治国家における手続と人権保障について ―

少数株ドットコム株式会社のプレスリリース

少数株ドットコム株式会社(本社:東京都練馬区、代表取締役会長:山中 裕、以下「当社」)の代表取締役会長である山中 裕は、立花孝志氏による一連の行為について、被害者として、法治国家における正当な手続に基づき、石神井警察署に告訴を行っております。

違法行為が疑われる場合に、被害者が告訴という手段を用い、捜査機関および司法が法と証拠に基づいて事実を解明することは、民主主義社会において当然に保障されるべき権利であり、当社はこの原則を重視しています。

一方で、当社は、立花氏の逮捕に伴い、日本の刑事司法において長年指摘されてきた、いわゆる「人質司法」が行われることについては、明確に反対の立場を表明します。

被疑者を長期にわたり身体拘束し、自白を事実上の前提として保釈や処遇が左右される運用は、日本国憲法の精神および国際的な人権基準との整合性に重大な疑義があると考えています。

告訴を行った立場であっても、人質司法に反対することは何ら矛盾するものではありません。
「違法行為は法に基づき裁かれるべきである」という原則と、「国家権力による過剰な身体拘束は許されない」という原則は、法治国家において同時に成立しなければならないからです。

近時、これまで人質司法を厳しく批判してきたとされる一部の法曹関係者や言論人が、特定の人物が対象となった場合に限り、逮捕や長期拘束を事実上容認、あるいは黙認する姿勢を示していることについて、当社は強い違和感と危惧を抱いています。

人権は、思想・信条・立場・好悪によって適用範囲が変わるものではありません。
「守るに値する被疑者」と「守らなくてよい被疑者」を恣意的に選別することは、人権擁護ではなく、人権の政治的道具化にほかなりません。

法治国家において問われるべきは、誰であっても、同一の手続きと同一の人権保障が与えられているかという一点です。

当社は、立花孝志氏の行為の違法性については、感情や世論に左右されることなく、法と証拠に基づき、冷静かつ公正に判断されるべきであると考えます。
同時に、逮捕・勾留を安易に用い、精神的圧力をかける日本の刑事司法の在り方が、特定の事件を契機に正当化されることには、断固として反対します。

人質司法を許さない社会は、「気に入らない人物が逮捕されたとき」ではなく、「誰が逮捕された場合であっても」一貫して貫かなければなりません。

以上、当社の立場をここに明確に表明いたします。

令和7年12月18日
少数株ドットコム株式会社
代表取締役会長 山中 裕

■代表取締役会長プロフィール

山中 裕(やまなか・ゆたか)

東京大学経済学部 総代卒業。コロンビア大学大学院(金融工学専攻)修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・アンド・ポリティカル・サイエンス(LSE)留学。
現在、外国籍のファンドおよび投資会社を通じて、国内外の上場企業1000社以上、非上場企業200社以上に投資しており、日本を代表するアクティビストの一人として知られている。

日本におけるアクティビスト投資の先駆者として、特にHOYA株式会社への株主提案活動(2010年)では、創業家株主として企業統治改革を目的とする15議案を提出した。

中でも注目されたのは、

  • 役員報酬の個別開示(取締役ごとの報酬情報公開)

  • 社外取締役のみで構成される会議体の設置(執行役を交えない経営監督)

  • 社外取締役の再任回数を「10回以内」に制限(独立性維持を目的)

  • 株主提案における議案説明文字数の上限を400字から4,000字へ拡大(株主提案権の実効性向上)

  • 匿名投票制度(秘密投票)の導入

  • 取締役候補者の公益法人兼務の開示義務化

といった、コーポレートガバナンスの質的向上を狙う提案群である。

これらのうち5議案が、米議決権行使助言会社グラス・ルイス(Glass Lewis)および日本プロクシー・ガバナンス研究所、さらにISS(Institutional Shareholder Services)の3社すべてから賛成推奨を受けた(出典:日本経済新聞 2010年6月18日付、記事URL)。ISSは世界最大の議決権行使助言会社であり、その推奨は国内外の機関投資家の判断に大きな影響を与えた。

同年、

  • ストックオプション所有者に対してコールオプションを売却しプットオプションを所有するなどのヘッジ取引を禁止すること

  • 取締役が自社株を売却する際は30日前に事前予告および開示を行うこと

といった透明性強化策も提案。これらの議案もISSの賛成推奨を得て、株主総会前の事前集計で20%台半ばの賛成票を獲得した(日本経済新聞 2010年6月18日付、同上)。

さらに、役員報酬個別開示などの提案は、グラス・ルイスや日本プロクシー・ガバナンス研究所も賛成推奨を出しており、日経新聞(2010年6月21日付、記事URL)、Bloomberg(2010年6月17日付、記事URL)、東洋経済オンライン(2010年6月21日付、記事URL)などの主要メディアが相次いで報道。

結果として株主総会では48%超の賛成率を獲得し、経営陣との建設的対話を通じて「経営透明性」「社外取締役機能」「議決権行使制度」の実質的改善を促した。
この一連の動きは、日本企業におけるガバナンス改革史において象徴的な転換点と評価さている。

また、いわゆるアムスク事件(東京高裁 平成26年(ネ)第3215号、平成27年3月19日判決)では、東京地裁および東京高裁双方において、「株式全部取得を行った株主総会の決議取り消し」を命じる判決を勝ち取り、少数株主保護の司法的実効性を実証した(出典:Clair法律事務所ブログ 2015年4月15日付、記事URL)。

さらに、株式会社ハイアス・アンド・カンパニー(現・株式会社くふう住まいコンサルティング)が 旧経営陣を提訴していた損害賠償請求事件(東京地裁民事第8部)において、会社法第849条第1項に基づく株主補助参加人として参画。2025年3月27日付で勝訴判決(裁判長:笹本哲郎、合議裁判官:伊藤圭子・内林尚久)を得ており、旧経営陣による架空売上計上などの不正会計が認定された。
この判決は、株主による司法的権利行使の有効性を示すものとしてさくらフィナンシャルニュース(2025年3月28日付、記事URL)にも掲載されている。

こうした一連の成果を通じて、山中は「ガバナンスの実効性を現場で証明する投資家」として、日本企業の統治改革と資本市場の健全化に大きく貢献している。

また、プライベートでは秋田犬の愛好家であり、世界各地の温泉地を巡る「温泉めぐり」を趣味としている。自然・文化・地域コミュニティを尊重しながら、温泉を通じた心身の再生と国際交流の意義を探求している。

■会社概要

会社名|少数株ドットコム株式会社( https://www.shosukabu.com )

所在地|東京都練馬区

代表者|代表取締役会長 山中裕

事業内容|会社法関連アドバイザリー、株主権保護コンサルティング、企業統治体制支援、フィナンシャルアドバイザリー、ベンチャー投資、AI関連事業、不動産事業

◆当社は、金融庁の「責任ある機関投資家のための原則」(日本版スチュワードシップ・コード)に準拠し、投資先企業のモニタリングおよび建設的な対話を継続しています。

https://www.shosukabu.com/stewardship-code/

■当社の理念と投資方針

当社は中長期保有のスタンスで企業価値向上にコミットし、短期的な売買益を目的とした投資は行いません。

さらに当社は、短期的な利益追求を超えて、「ユダヤ人に勝てる日本を作る」ことを会社のミッションとして徹底しています。
営利企業としての利益・売上拡大を前提としつつ、それ以上に、日本人が国際社会で対等に競い合える金融力・政治力・文化力を備えることに貢献することを至上命題としています。

この理念を社会的潮流へと育てるため、
従業員・投資家・取引先・投資先企業など、あらゆるステークホルダーとの協業を重視し、
短期的利益よりも長期的社会的利益を優先する取り組みを進めております。

以上

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