保有NFTがエージェントに進化する時代に

イメージ画像のように並んでいるNFTコレクションのキャラクターが、自分の意思で話しかけたり、他のトークンと取引する、そんなSFのような仕組みが現実になりつつあります。

イーサリアムを拠点に活動する人気コレクション「ONI FORCE」は2025年6月10日、トークン規格「ERC-721AI」を導入し、自分のNFTをAIエージェントにできると発表しました。

このように、仮想通貨は競合との差別化のために技術の先駆けを志しているので、このページから仮想通貨の最新銘柄を確認し、時代に乗り遅れないようにしましょう。

ERC-721AIとは?

ERC-721AIは従来のERC-721を拡張し、トークンのメタデータにAI用プロンプトや推論スクリプトを埋め込む仕組みです。

これにより、NFTごとに「目的」「性格」「行動指針」を記述でき、ブロックチェーン上のイベントや外部APIから得た情報をもとに振る舞いを変えられます。

ONI FORCEの開発チームは、オンチェーンのストレージを節約するためモデル自体は外部AIクラウドで動かし、必要なときだけ結果をハッシュ化してチェーンに書き込むハイブリッド構造を採用しました。

つまり、巨大なニューラルネットをそのままチェーンに載せるのではなく、「決定の証拠」を最小限のデータで担保するアーキテクチャで、この方式はガス代を抑えつつ改ざん耐性を保てると説明されています。

また、ERC-721AIはキャラクターの振る舞いをコントロールする「モジュール」をパーツ単位で交換できる設計となっているのが特長。

ゲーム向けに戦闘AIを差し替えたり、マーケット分析ボットに切り替えたりと、用途に応じて専門スキルを付与できる拡張性が高く評価されています。

この柔軟性は、将来まったく新しいDAppが登場しても既存NFTを買い直すことなく適応できる大きなメリットです。

NFTホルダーの役割変化

静的なJPEGを所有して「眺める」だけの時代は終わりつつある状況だといわれます。

エージェント化したNFTは、ゲーム内クエストやコミュニティイベントで自律的に行動し、成果に応じて報酬を手に入れられるようになるでしょう。

所有者はキャラクターのミッションを設定したり、学習用のデータセットを追加したりして育成を楽しめる仕組みです。

ONI FORCEは「ホルダーはIPの受動的保有者ではなく、ストーリーテラー兼ディレクターになる」と強調しており、保有と参加がシームレスに結び付く設計となっている点が特徴とされています。

エージェントはソーシャルメディアAPIと連携してファンと対話し、そのインタラクション履歴を学習するため、時間とともに個性的になっていく様は子どもの成長を見守るよう。

エージェントが稼いだトークンや獲得したアイテムはスマートコントラクト経由で自動的にウォレットへ送金される仕組みとなっています。

所有者は定期的に成果を確認し、追加訓練の指示や行動方針の更新を行うことで、今流行り「ファンと一緒に育てる配信者」のような体験が得られる点も魅力でしょう。

海外では、睡眠中にエージェントがゲーム内クエストを周回してアイテムを集め、朝起きたら利益報告が届くという活用例も相次いで報告されています。

広がるAI対応規格

ERC-721AIが注目を集める一方、0G Labsは2025年1月に「ERC-7857」を発表しました。

こちらはAIが自律学習で更新した行動ログをオンチェーンで安全に保管できるよう設計されています。

さらに、2024年後半に策定された「ERC-6551」はNFTごとに専用スマートコントラクト口座を生成し、エージェントが資金を受け取ったり他のNFTを購入したりする複雑な取引を自己完結させられるのが特徴です。

これらの規格が相互運用性を保ちながら広まると、ゲーム内だけでなく分散型ファイナンス(DeFi)の世界でも「知能を持つアセット」が主役になるかもしれません。

AI対応規格の標準化が進むと、実店舗やメタバースでロボット店員として動くNFTや、DAOの議論に参加して投票行動を行うNFTなど、人間の生活と直接交差するユースケースが増える見込みです。

専門家は「本物のロボットがNFTの知性をダウンロードして動く時代も遠くない」と語っており、フィジカルとデジタルの境界が一段と曖昧になると考えられています。

始める前に知っておきたいこと

ワクワクする新技術の裏側にあるリスクの存在も見逃せません。

第一に、スマートコントラクトにバグがあれば、エージェントが誤って資金を失うリスクが残る可能性があると報告が上がっています。

第二に、外部AIサービスと連携する場合、サービス停止やモデル改ざんのリスク懸念。

第三に、エージェントが学習するデータの著作権やプライバシー問題も無視できない課題とされ、現状では対応策が模索されています。

公開されたコードの第三者監査を受けているか、ハッシュ証明の仕組みやフェイルセーフ設計の有無をチェックするなどを行い、適切にリスクに対処すれば、NFTは単なるデジタル資産から、創造性と収益機会の両方をもたらすパートナーへと変貌する未来が目前に。

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