米ホワイトハウス初の暗号資産サミットが示した新時代の幕開け

 

暗号資産市場が大きな転換期を迎えています。2025年3月7日にホワイトハウスで開催された初の暗号資産サミットでは、ドナルド・トランプ米大統領が壇上で「業界が薄々感じていたことが確信に変わった」と力強く語りました。サミットの場に集結したのは、コインベース(Coinbase)やリップル(Ripple)、クラーケン(Kraken)、ジェミナイ(Gemini)、チェーンリンク(Chainlink)、ロビンフッド(Robinhood)など、著名な暗号資産関連企業の幹部たちです。彼らはトランプ氏の大統領選勝利を祝う正装のパーティー以来、最もフォーマルな装いで出席し、業界を代表して米政界に新たな関係性をアピールしました。暗号資産はいまだボラティリティが高く、法律面でも課題が多い分野ですが、今回のサミットを経て「米国政府がついに暗号資産と手を携える道を探り始めたのではないか」と期待する投資家の声が高まっています。こうした最新トレンドを把握しつつ、人気のミームコインを知りたいという方は、ホワイトハウスでのニュースと合わせて情報収集を進めてみましょう。たとえば、ミームコインを一覧で確認したい方は、こちらのミームコインランキングをご覧になると、各プロジェクトの特徴を把握しやすくなります。

ホワイトハウスに集結した仮想通貨の主要プレイヤー

サミット当日はホワイトハウスでの会議が始まると、トランプ大統領が冒頭で「皆さんの多くがこのために何年も戦ってきたことを知っている。ホワイトハウスでご一緒できることを光栄に思う」と述べました。以前のバイデン政権下では、金融規制当局が暗号資産関連の銀行口座を閉鎖させたり、取引所での入出金を制限するよう迫ったりと、業界にとって厳しい状況が続いていました。トランプ氏はそれを「暗号資産に対する戦争」と表現し、規制当局が企業や起業家に強引な態度で対応した点を強く問題視しました。サミット前には、ホワイトハウスの高官が「押収資産を含めたビットコインやその他トークンの管理体制を再点検し、監査を行う予定である」と説明しており、政権内部が暗号資産業界と対立するのではなく、歩み寄る方向に舵を切り始めたことを印象づける内容となりました。コインベースやリップルなどの関係者は、こうした政権の方針に歓迎の意を示しつつ、法制度が整えば業界のイノベーションがさらに加速すると期待を寄せています。

トランプ大統領が語った「ビットコイン準備金」とステーブルコイン法案

サミットで最も注目を集めたのは、トランプ大統領自身が言及した新たなビットコイン準備金の創設です。大統領によれば、連邦政府は何らかの法的手段で押収した約20万ものビットコインを保有しており、これを近く公式の備蓄資産として位置づけるとのことです。トランプ氏は「世界でも有数のビットコイン保有者であるにもかかわらず、これまで政府はビットコインを売却していた。実に愚かなことだった」と話し、今後は国策としてビットコインを売却せず、保有を続ける方針を明言しました。
これまで暗号資産が差し押さえなどで政府の管理下に入った場合、オークション形式で売却されることが一般的でしたが、今回の方針転換により、政府が大口保有者としての立場を強めるかもしれません。税金を使わない形でビットコインへの追加投資を行う必要があると大統領は説明しており、今後どのような調達手段が編み出されるのかも注目されます。

もう一つ大きな話題となったのが、ドルを裏付けとするステーブルコイン法案です。トランプ氏は「議会が8月の休会に入る前に署名したい」と語り、規制上の確実性を整える意欲を示しました。これが実現すれば、安定通貨としてのステーブルコインが米国内で本格的に認められる可能性が高まります。
ステーブルコインはドルや他の法定通貨を担保とすることで価格の変動を抑える仕組みを持ち、決済や送金に大きな利便性をもたらすと期待されてきました。トランプ氏は「経済成長と金融セクターの革新において非常に大きなチャンスとなる」と話しており、ここでも以前の政権とは異なるアプローチを打ち出しています。

バイデン前政権との差異と仮想通貨業界への期待感

ホワイトハウスのサミットは、バイデン前政権の頃から続いてきた厳しい姿勢を大きく転換する場として意識されていました。
トランプ氏は、バイデン政権下で規制当局が銀行や取引所に「オペレーション・チョークポイント2.0」といえるような圧力をかけていたと指摘し、それを「もうすぐ終わりにする」と宣言しました。デジタル資産業界はこの言葉を受けて一気に期待感を高めており、現場でスピーチを行ったジェミナイのウィンクルボス兄弟やチェーンリンクのセルゲイ・ナザロフ氏などは「このサミットをきっかけにさらに多くの企業が参入し、米国が暗号資産のリーダーシップを確立できる」との見通しを示しています。
以前の政権下では銀行口座を突然凍結されるリスクや、営業停止に追い込まれるおそれがあったため、暗号資産関連企業が拠点を海外へ移すケースも目立ちました。今後は議会と大統領府が一丸となってステーブルコイン法案などを整備すれば、国内企業が安心してビジネスを継続できるだけでなく、国際企業の誘致にもつながるかもしれません。

まとめ

今回のサミットは米国の暗号資産業界に大きな転機をもたらしたと言えそうです。
トランプ大統領による「前大統領の暗号資産に対する戦争を終わらせる」という宣言や、ビットコインを中心とした政府の備蓄計画は、これまで業界が抱えていた「政府からの過度な干渉や圧力」という不安要素を和らげる契機となりました。押収資産を安易に売り払うのではなく、公的な蓄えとして生かすことや、ステーブルコイン法案を整備し規制上の確実性を高めようとする流れは、多くの投資家や企業が待ち望んでいたメッセージでもあります。
サミットに出席した大手取引所やプロジェクトの幹部たちは、その場で明確な支持を示すことで、政権にとってもデジタル資産業界との連携がさらに進みやすい雰囲気を作り出しました。ホワイトハウスが示すこうした姿勢は、バイデン前政権時代の厳しい路線とは一線を画すものでもあります。今後、税金を使わない形で政府がビットコインへ積極的に投資する仕組みが編み出されるのか、議会がステーブルコイン法案をいつ成立させるのかなど、まだまだ先行きは不透明な部分も残ります。
業界関係者にとって大統領自らが「暗号資産は新しい地平に立った」と明言した意味は大きく、これからの米国暗号資産市場は、より前向きに新しいステージへと突入しそうです。

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。