エリオットアドバイザーズ(HK)リミテッド、ユニゾホールディングスに書簡を送付

Elliott Advisors Asia Limitedのプレスリリース

【2019年10月9日:東京】エリオットアドバイザーズ(HK)リミテッド(以下、エリオット)は本日、ユニゾホールディングス株式会社(以下、ユニゾホールディングス)の取締役会に対し質問事項を記載した書簡を送付しました。

書簡のなかでエリオットは、ユニゾホールディングスが2019年9月27日に公表した「当社への買収提案に対する対応の基本方針について」で言及した「ユニゾ従業員持株管理会社」に関する詳細な情報提供を求めるほか、当該基本方針が公開買付けに対するユニゾホールディングスによる2019年8月の意見表明に当たり策定・開示されなかった理由、ユニゾホールディングス株式の公開買付けを実施しているサッポロ合同会社が2019年10月2日に開示した公開買付届出書の訂正届出書で明らかにした、ユニゾホールディングスグループが米国に保有する4つのオフィスビルの売却により2019年12月までに約982億円の売却代金を得た上で「ユニゾ従業員等出資の会社」に利用させる計画の全容及び詳細を開示することなど、複数の質問を行うとともに早急な回答をユニゾホールディングス取締役会に求めています。

書簡の詳細な内容につきましては以下の参考資料をご参照ください。

エリオットについて

エリオット・マネジメント・コーポレーションは、合計382億ドルとなる2つのマルチ・ストラテジー・インベストメント・ファンドを運用しています。当社を代表するファンドであるエリオット・アソシエイツL.Pは1977年に運用を開始、現在存続しているヘッジファンドの中でも最長の運用期間を持つファンドの一つです。エリオット・ファンズの投資家には、年金、政府系ファンド、寄付基金、財団、ファンズオブファンズ、富裕層の個人や家族、企業の社員などが含まれます。エリオットアドバイザーズ(HK)リミテッドはエリオット・マネジメント・コーポレーションの関連会社です。

参考資料:書簡

2019年10月9日
ユニゾホールディングス株式会社 取締役会 御中

エリオット・インターナショナル・エルピー及び
ザ・リバプール・リミテッド・パートナーシップの代理人たる
エリオットアドバイザーズ(香港)リミテッド

拝啓

貴社の企業価値及び株主価値の向上を希求する者として、今般の貴社の株式に対する公開買付けへの貴社の一連の対応に関し、下記のとおり質問事項がございます。いずれも重要と考えておりますので、早急にお考え・ご回答を明らかにしていただきますようお願い申し上げます。なお、透明性確保のため、本書簡の内容については公表させていただきます。

敬具

1.      貴社は、2019年9月27日付公表の「当社への買収提案に対する対応の基本方針について」において、貴社に対する買収提案が貴社の企業価値の維持・向上に資するものであると判断するためには、「当社の従業員の雇用が確保された上で、従業員にとって働きがいのある企業であり続けることを確保できる『仕組み』が採用されている必要がある」とし、同日付公表の「当社への買収提案に対する対応の基本方針の概要」においては、その具体例として、買収提案者との間で「合意書」を締結し、①契約当事者に「ユニゾ従業員持株管理会社(従業員会社)」が加わること、②買収提案者のリターンと出口の時期・方法を明記し、出口の時期・方法を従業員会社が選択できること、③買収提案者の退出までの間、一定の企業体力を維持出来る「約諾」が備わっていることを挙げています。

(1)      このような基本方針が、貴社が行った2019年8月6日付公表の株式会社エイチ・アイ・エス(以下「HIS」といいます。)による公開買付けへの反対意見表明及び同月16日付公表のサッポロ合同会社(以下「サッポロ」といいます。)による公開買付けへの賛同意見表明に先立って策定され、投資家に開示されなかったのはなぜでしょうか。買収提案が貴社の企業価値の維持・向上に資するかどうかを判断するための方針を定めることなく、又はその内容を具体的に精査することなく、貴社は、HISによる公開買付けへの反対意見を表明し、そしてサッポロによる公開買付けへの賛同意見を表明されたということでしょうか。

(2)      HISによる公開買付けへの意見内容の検討及びその後のマーケットチェックにおいて、各者の買収提案が「当社の従業員の雇用が確保された上で、従業員にとって働きがいのある企業であり続けることを確保できる『仕組み』が採用されている」かどうかを、個別に確認・交渉等されていますか。仮に個別に確認・交渉等されているとして、いかなる相手先に対して、具体的にどのように行われたのでしょうか。

(3)      貴社の上記基本方針及び貴社の2019年9月27日付「サッポロ合同会社による当社株券に対する公開買付けに関する意見表明(留保)のお知らせ」で公表された「本合意書」においては、「ユニゾ従業員持株管理会社」に対して、取締役の指名、経営計画、配当施策を含む貴社の経営に関わる重要事項に関する拒否権を付与し、また、貴社株主のexitについても事実上「ユニゾ従業員持株管理会社」が強い関与を及ぼすことを認めるものとされていますが、そもそも「ユニゾ従業員持株管理会社」に出資する貴社従業員の職位その他の詳細を明らかにするとともに、これらの内容が貴社の企業価値との関係で重要であるとすれば、かかる内容が上場会社である貴社のこれまでの経営において、どのように実現・担保されてきたのかについて具体的にご回答下さい。

(4)      貴社は、上記基本方針の策定と同日付で、一度は賛同を表明したサッポロによる公開買付けに対する意見を留保に転じていますが、賛同意見を表明した時点で、貴社の上記基本方針や上記「本合意書」で提案された内容との整合性をどのように精査・完了されて、サッポロによる公開買付けに対する正式な意見表明を行うに至られたのかについて具体的にご回答下さい。また、賛同意見を表明した時点で、賛同の意見表明を行う理由として、当該整合性に具体的に言及されなかった理由についてご回答下さい。

2.      サッポロが提出した同年10月2日付公開買付届出書の訂正届出書には、同年9月5日の時点で、貴社はFortressグループに対して、貴社グループが保有する米国不動産の大部分を売却し、その代金を「ユニゾ従業員等出資の会社」が「その時点で全ての対象者株式を保有している公開買付者の出資持分及び公開買付者に対する匿名組合出資持分を取得する」ために利用することを企図する内容の計画を提示したとの記載があります。

(1)      当該計画の全容及び詳細(貴社の資産・資金を「ユニゾ従業員等出資の会社」に利用する仕組みの手法及びその正当性の根拠を含みます。)をご開示下さい。また、当該計画について、これまで貴社の開示資料において言及されていなかった理由及びその正当性の根拠をご教示下さい。

(2)      「ユニゾ従業員等出資の会社」について、出資する貴社従業員の職位その他の詳細を明らかにするとともに、貴社の従業員以外の出資予定者(「等」の意味する具体的内容)を具体的にご教示下さい。なお、このような上記計画は著しい利益相反のおそれを内包しており、経済産業省の2019年6月28日付「公正なM&Aの在り方に関する指針」等を踏まえれば、貴社の役員が当該会社に直接又は間接に出資したり、実質的に影響力を及ぼしたりすることを排除する仕組みが構築される必要があると考えておりますが、そのような仕組みとして検討している具体的内容をご回答下さい。

上記の各質問が示すとおり、私たちは、HIS及びサッポロによる公開買付けに対する貴社のこれまでの対応において現れた、開示内容の欠落及び利益相反のおそれについて重大な懸念を抱いております。貴社の全ての株主が、上記の質問に対する明確かつ包括的なご回答を受け取る資格があるはずです。無回答又は株主の懸念に直接答えないような回答は、株主が抱き始めている不安を掻き立てるだけです。早急のご回答をお待ちしております。

以上
 

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