一般社団法人FinTech協会のプレスリリース
一般社団法人Fintech協会(東京都中央区、代表理事:沖田 貴史 /木村 康宏/落合 孝文、以下「Fintech協会」「当協会」)は、2025年の年頭にあたり、以下謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
新年あけましておめでとうございます。
皆さまには日頃より格別のご支援を賜り、心より御礼申し上げます。
本年、Fintech協会は一般社団法人化から10年目という節目の年を迎えます。この10年でFintechを取り巻くエコシステムは大きく変化し、その規模と多様性を大きく広げました。法人化の前年に行われたミートアップでは、Fintech専業のスタートアップや外資系企業が中心的な存在でした。しかし現在、Fintech協会にはスタートアップに加え、銀行・信用金庫といった金融機関や大手企業にも多数ご参加いただき、多彩な顔ぶれの理事がそれぞれの専門的知見を活かして運営にあたっています。このようなエコシステムの広がりにより、日本においても、金融サービスの提供主体やサービス内容は急速に多様化し、利用者の利便性は10年前と比べて格段に向上していると感じます。
一方で、世界のFintech業界に目を向けますと、各地域で先進的な取り組みが著しい成果を挙げています。東南アジアではモバイル決済やデジタルバンキングが普及し、新たな金融インフラが生まれつつあります。南米においても、Fintech事業者が銀行口座を持たない層へのサービスを提供することで、金融包摂を実現しています。
先進国においても、ブロックチェーンやAI技術を活用した次世代金融サービスが進化しています。
中国では巨大テクノロジー企業が提供するスーパーアプリが日常生活の一部となり、韓国ではデジタルバンキングとFintechスタートアップが協力し、高度なキャッシュレス社会を実現しています。
こうした動向を踏まえると、PayPalやOpenAIの共同創業者でもある米国の起業家、ピーター・ティール氏の「空飛ぶクルマが欲しかったのに、かわりに手にしたのは140文字だ」という言葉の通り、日本の金融サービスの進化が果たして10年前の想像を超えたものになっているのか、他国や他産業と比較してどのような位置にあるのか、改めて考えるべき時期に差し掛かっていると感じます。
インターネットが情報伝達コストを劇的に削減し、社会を変革させたように、Fintechは経済の血液である「お金」のフリクションを減少させる力を持ち、これまで以上に新たな価値創造や社会課題解決に貢献できると信じています。 この10年でFintechは、目新しい流行語から良い意味で陳腐化し、大手金融機関のみならず金融機関以外の事業者にとっても当たり前の存在となりました。これからの10年は、さらなるエコシステムの拡大とともに、実態経済との相互関係を深め、Fintech業界において「空飛ぶ自動車」を実現することが求められています。
本年も引き続き、皆さまの温かいご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げます。
皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
一般社団法人Fintech協会 代表理事会長
沖田 貴史