FinatextとNEC、保険システムのモダナイゼーションを目指し協業

株式会社Finatextホールディングスのプレスリリース

　株式会社Finatext（フィナテキスト、本社：東京都千代田区、代表取締役CEO：木下あかね、以下 Finatext）と日本電気株式会社（本社：東京都港区、取締役代表執行役社長兼 CEO：森田隆之、以下 NEC）は、共同で保険会社におけるシステムのモダナイゼーションを支援していきます。

　昨今、保険業界を巡っては、少子高齢化の進展や自然災害の甚大化、デジタル技術を活用した異業種からの参入・新サービスの開発など、市場環境が大きく変化しており、こうした社会環境や顧客ニーズの変化に柔軟に対応可能なビジネスモデルやシステム環境の変革が求められています。具体的には、開発期間の短縮化や顧客体験価値向上のための保険業務に係わるデータの分析・活用・連携が挙げられます。

　こうした中、デジタル保険領域用のSaaSソリューションを有するFinatextと、保険会社向けの豊富なシステムの開発実績と最先端の生成AIを持つNECが協業することで、これらの課題に対応したソリューションを共同開発していきます。本ソリューションは2025年度を目途に保険会社へ提供することを目指します。

【本ソリューションの特長】

1.「Inspire」を活用することによる保険商品･サービスの提供開始までの期間短縮

　契約～保全～支払いまでの一連の保険業務領域には、Finatextが提供するSaaS型デジタル保険システム「Inspire（インスパイア）」を活用します。

　「Inspire」は2020年から提供されているSaaS型システムであり、保険業務に必要な基本機能はすでに備わっているため、新たに保険システムを構築する場合と比べてイニシャルコストの低減が可能です。高度なシステム設計により高い柔軟性・拡張性を有しており、多数の導入実績があります。

2.生成AIを活用した業務の高度化の実現

　NECは、高い日本語性能を持ち、高速・高精度なNEC開発の生成AI「cotomi」(注1)や生成AI活用に関するナレッジなどを有しており、多くの社会課題の解決を行っています。

　それらの技術・ナレッジに、Finatextが保有する金融領域に関する専門性と知見を組み合わせることで、保険会社の業務の高度化を実現します。

　たとえば、保険に関する相談や契約締結時の利用者サポートを生成AIで実現し、より最適な保険商品・サービスの提案や業務を迷わず行うことを可能とすることで、CX(Customer Experience)向上や業務効率化、CS(Customer Satisfaction)およびES(Employee Satisfaction)向上を容易に実現できる世界を実現します。

3.ローコードツールを活用した柔軟かつCX向上を実現するシステム開発

　本ソリューションは、ローコードツールを活用します。これにより、開発者のスキルに依存することなく、新商品の追加や商品改定時のUI開発、CX向上施策の企画・提案などを柔軟かつスピーディに行うことが可能になります。

4.リファレンスアーキテクチャの採用による検証コストのミニマム化

　本ソリューションは、ユーザー画面等のフロントエンドとデータベース等のバックエンドを分離し、カスタマイズ範囲を限定したアーキテクチャを採用します。また、動作検証済のツール･サービスのみを組み合わせることにより、保険会社にて一からシステム構成の検討・動作検証を行う必要がなく、迅速にシステム開発に着手することが可能です。

　両社は、これらの特長を有するソリューションを共同で開発し、2025年度中の提供開始を目指します。

　Finatextは、「金融を”サービス”として再発明する」というミッションのもと、クラウドネイティブかつAPIベースの金融基幹システムの提供を通して、金融業界のデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進しています。保険領域においてはSaaS型デジタル保険システム「Inspire」を軸に生成AIも活用しながら、DXに取り組む保険事業者をパートナー事業者と共に支援してまいります。

　NECは価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」(注2)のもと、業種横断の知見と最先端テクノロジーによりビジネスモデルを変革し、社会課題とお客様の経営課題を解決に導きます。「BluStellar Modernization 金融機関向けモダナイゼーションプログラム」では、本取り組みを参考に顧客最適なシステムのモダナイゼーションをメニュー化しています。今後も、クラウドやAIなど先進のデジタル技術活用した金融機関のお客さまのDX加速に貢献します。

(注1)