6704岩崎通信機における第115回定時株主総会に対しての意見表明

株式会社スノーボールキャピタルのプレスリリース

ペニンシュラロックリミテッド(以下PR)及び株式会社スノーボールキャピタル(以下SBC)は、岩崎通信機(6704)(以下岩通)の株式を18.69%保有しています。

 

PR及びSBCは長期投資の方針に基づき投資をしており、該当銘柄は、約7年前に投資を開始し保有を継続しています。我々は、岩通については過去数度赤字の決算がありましたが、取締役の選任含めて過去の議案は全て賛成を投じてきました。長期的に企業価値を上げて頂きたいという考えの元そのように行動をしてきました。

 

しかしながら2024年6月27日に開催される第115回定時株主総会において以下決議事項についてその全てにおいて弊社は「反対」することを表明します。

 

反対票を投じるに至った経緯

①2023年11月30日に実施をした第三者割当増資の不当性

2023年3月末時点での純資産額24,176百万円、発行済み株式数10百万株、一株当たり純資産約2,400円の岩通が、2023年11月30日に37億円の増資を受け入れ490万株、一株あたり740円で第三者割当増資を行いました。(2023年3月末時点で現預金48億円、有利子負債が0.80億円)

 

PBRが0.4倍で実質無借金の会社が、割安な株式で第三者割当増資をするという前代未聞の第三者割当増資を実行されました。その事により、約240億円の純資産を既存の約1,000万株を保有している株主で所有をしていましたが、37億円を追加投資した会社が740円で約500万株の発行を引き受けることで所有権の約30%を譲り渡すことになりました。

 

この行為は、既存株主を軽視し恣意的に1社を優遇する株主平等の原則に反すると共に既存株主の価値を毀損する行為であると考えています。世間一般的に言われる割安株として長年放置されている会社が株式価値の増加を生まない第三者割当増資をすることは上場企業として許されることではないと考えます。

 

②中期経営計画の大幅な未達成

現経営陣は、2022年5月13日に中期経営計画「REBORN」を発表しました。

2年間経過をしましたが、営業利益累計1億円の計画にたいして2期連続累計14億円の赤字です。また第三者割当増資を行った後の今期は11億円の黒字の計画に対して業績の非開示としています。(2024年6/17時点)

且つ来期の計画は21億円の黒字の計画でありましたが現状を考えると達成する見込みは無いと予想します。資本業務提携によって既存株主が希薄化となる第三者割当増資をした場合、唯一の正当性は業績による証明です。然しながら約30%の議決権を譲り渡したにも関わらず今期の業績を非開示とすることは第三者割当増資における正当性から逃げており許されざる行為であると考えます。

 

尚、我々は中期経営計画が開示された2022年時から数度「目標が高すぎるのではないか」「短期的に無理をすると本質的な価値がさがるので必要であれば計画の見直しをしてください」と木村社長含め現経営陣に説明してきました。しかしながら現経営陣はそれを拒み、中期経営計画の達成の為という錦の旗を掲げて強硬的に第三者割当増資を実行したという経緯があります。

 

③株式交換の価格の妥当性について

2024年5月30日に株式交換を発表しました。株式交換の決議事項が承認されれば岩通は上場廃止になります。提示している条件は引受先企業との株式交換比率1:0.6となっており簡易的には約1,400円程度の価値に置き換えるという内容です。本件は第三者割当増資後約半年程度の期間で提案されており、弊社としては第三者割当増資とワンセットであるということだと理解しています。問題は2つあり

ⅰ本来は第三者割当増資前に提案したかったが割当前は弊社が約27%の保有をしていた為、株主総会にて特別決議の賛成をとる見込みがなかった。これは第三者割当増資の正当性が欠く重要な問題だととらえています。そうでなければ第三者割当増資の結果を先に説明するべきであり、それにより企業価値が向上しているという説明を行うべきであると考えます。

ⅱ次に価格が不適切であるということです。一連の取引と捉えると、実質的には100%取得をするTOBと同意義でありその価格の妥当性を検討した場合に、一株あたり純資産が約2,400円の会社を約1,400円でTOBをすることと同意義であると考えます。つまりPBR0.58の価格でのTOBをしていると言い換えることができ、このような格安な価格での実行を会社として提案することは、到底許されるものではないと考えます。

 

従いまして、①第三者割当増資の不当性②中期経営計画の大幅な未達成③株式交換価格についての3点をもって現取締役会は、既存株主をないがしろにしており、岩通を安く評価している証左だと考えます。本来であれば中期経営計画の大幅な未達成時点で潔く会社を去るのがただしく会社にしがみつき第三者に株式を譲り渡そうとすることは株主軽視も甚だしく強く反対を表明します。

 

よって共に第115回定時株主総会については全ての決議事項について「反対」をします。

Follow Twitter Facebook Feedly
SHARE
このページのURLとタイトルをコピー
お使いの端末ではこの機能に対応していません。
下のテキストボックスからコピーしてください。