〜生成AIに独自に構築したAIを組み合わせて、山口銀行、北九州銀行、もみじ銀行の生産性向上を支援〜
株式会社エクサウィザーズのプレスリリース
なお、エクサウィザーズのAIソフトウェア開発環境「exaBase Studio」上で実装しており、今後多くの顧客企業への展開も予定しています。
エクサウィザーズは、AIの利活用により企業の生産性や提供価値の向上のためのサービスやプロダクトを提供し、社会課題の解決を目指しています。
☑︎面談音声要約AI開発の背景・目的
金融機関の法人営業担当者は、顧客ごとのニーズに対する深い理解と、それに基づく提案活動を生産性高く実施することが求められています。
このような課題を解決するため、エクサウィザーズは山口フィナンシャルグループと協業し、面談音声から自動で面談記録のドラフトを作成するAIシステムの開発を行い、2023年からPoCを実施し効果を確認してきました。
結果として、法人営業担当者は顧客訪問後に面談記録の作成に要する時間を大幅に削減でき、より多くの時間を顧客への対応業務や提案作成などに注げることが確認できました。また、人手であれば一定の聞き漏らしや記録漏れがありますが、AIにより面談記録の精度と内容の完全性を向上させることができます。
☑︎面談音声要約AIの特徴
図 面談音声要約AIシステムの処理フロー
本AIは、生成AIだけでなく、エクサウィザーズが独自に開発したAI技術による処理を加えることで、面談音声から抽出した情報を高精度で処理します。またエクサウィザーズは、これまでも金融機関の業務における個人情報や機微情報の取り扱うAIを手掛けており、その重要性を十分に認識し、関連技術を本AIにも適応しています。具体的には主に以下3点の特徴を有しています。
(1)高精度な情報抽出
エクサウィザーズ独自の自然言語処理(NLP)モデルを活用し、全文を意味が類似するパートごとに分割できます。この処理により後続の要約AIやGPTにおける処理文字数の制限に対応するとともに、法人営業担当者による情報の可読性を向上させます。
さらに、学習済の独自のNLPモデルを活用し、大量の文章の原文と要約のペアからポイントとなる事項を抽出します。より原文に忠実な文章抽出や、重要事項に着目した文章の要約・圧縮を実現しました。
(2)個人情報・機微情報の適切な管理
本AIは、面談音声に個人情報や機微情報が含まれていた場合、その情報を自動的に検出し、面談記録を出力する際にマスキングする機能を備えています。
(3)生成AI利用コストの最適化
生成AIに面談の文字起こし文章を投入する前に、独自のNLPモデルを活用して重要な文章のみを抽出し、文章量を圧縮します。これによって、生成AIが処理する必要のあるデータ量を大幅に削減し、生成AIの利用料を低減します。
☑︎山口フィナンシャルグループにおけるPoCへの反応
2023年からPoCを実施した結果、以下のような反応をいただいており、組織全体の生産性向上に寄与することが期待されています。
・AIの出力が時系列やテーマごとに分割されていて読みやすい。
・営業先で面談した内容を後から思い出して、整理するのに大変役立つ。
・このAIを活用することで、担当者から管理側への情報共有がスピーディになった。
・各人の営業活動が見える化され、顧客理解の深化や担当者の管理のために大変有益である。
☑︎今後の展開
2024年5月に法人営業の担当者が本AIの利用を開始し、機能も今後拡張していきます。具体的には、面談記録から顧客ニーズを分析・可視化する機能の追加により、より深い顧客理解とそれに基づく提案が可能となります。また、営業担当者が顧客本位の営業を行っているかどうかをモニタリングする機能を追加し、営業品質の向上も期待できます。
本AIの環境はexaBase Studio上で再利用可能なコンポーネントとして実装しており、exaBase Studioを通して広範な顧客企業にも展開予定です。
なお、面談音声要約AIにおける、面談の文字起こしデータをトピックに分割し、トピックごとに重要な文章を抽出し、最終的な面談記録を出力する一連の技術について特許を出願しています。
【エクサウィザーズ 会社概要】
会社名 :株式会社エクサウィザーズ(証券コード4259)
所在地 :東京都港区芝浦4丁目2−8 住友不動産三田ツインビル東館5階
設立 :2016年2月
代表者 :代表取締役社長 春田 真
事業内容:AIを利活用したサービス開発による産業革新と社会課題の解決
URL:https://exawizards.com/